出てきたのは「例の監督」だった。
監督「シャッポって古過ぎましたかね?」
食い「いやぁ、言うでしょ。 普通に」
監督「サバちゃんは知ってる?」
サバ「知らないです」
監督「かばんちゃんは?」
かばん「一応…」
監督「カコさんは?」
カコ「その流れで『知ってる』って言いづらいんですけど…w」 💢
食い「あぁ… コレはセクハラやわ」
監督「えぇ…」
現場が笑いに包まれた。
観客も、つられて笑っている。
壮大なドッキリに引っ掛かった気分だった。
でもアドリブ好きの、この監督なら やりかねない。
駆け寄って積もる話をしたかったが、ぐっ、と堪えた。
まだ役目を果たし終わってない。
・・・・・・・・・・・・
かばん「兜を脱ぐ、にしては どうでしょう?」
監督「意味は一緒だけど、ぼうし感が無くなるのが ちょっと…」
食い「じゃあ『脱帽』は どないです?」
監督
「いいですね。 それで行きましょう。
あと、もう少し・・・ こう…」
その場で台本をイジり始める監督。
監督「コレで どうですか?」
食い「ええんとちゃいます?」
ミライ「良いと思います」
(私のパートは「アドリブで」と書いてあるだけだった。 スパルタ過ぎる…)
食い「でも、どっから再開します? 結構パート長くなってますよ?」
監督「食い倒れさんの『はは! さすがのミライさんも・・・』からで良いんじゃないですか?」
ミライ (´・`*)
監督「こら、そこ。 明からさまにホっとしない! 緊張感を保って!」
食い
「いやぁ。 そりゃオレでもホっとします、て。
場合によっては1話丸ごとカットするような、前科持ちの監督なんやから」
監督「人聞きの悪いこと言わないで下さいよ。 今後やりにくくなるじゃないですか」
食い「いやいや、あと何回やるつもりなんですかw」
かばん「えぇ? もう新作でもやらかしたと聞いてますよw」
監督「参ったなぁ… これは一生言われる流れ?」
ピ… ガガッ
監督のトランシーバーに通信が入る。
新井(CV:マーゲイ)「おぉい、新井さんは いつまでこの体勢でいればいいのだ!?」
笛音「ーって言ってるよ~」
監督
「すいません、すぐ再開します」
監督は仕事の顔に戻った。
監督
「では【未来のぼうし】
[4話] ~Aパート-3~ スタート!」
食い
「はは! さすがのミライさんも『脱帽』ってか!
降参する、って言うんやな?」
ーと、勝ち誇るように言った。
私は答えない。
食い「どうした? 何か言うてみい。 何を企んでんねん」
スマホを見るが、情報は得られない。
ジリジリと時間が過ぎる・・・
風が やんだ。
そして、じっと私を睨み付けていた食い倒れリアンが気付く。
食い「なんや? そのケムリは…?」
ぼうしから煙が立ちのぼっていた。
ーと、赤いモノが見えた。
その時、風がまた吹き始める。
追い風だ。
今だ!
私は隠し持っていたチャッカマンを放り、
火の点いたぼうしを!!
・・・・・・・・・・・・
すごい展開になってきましたね~ そんな所に伏線を張ってあったとは…
帽子に火を!?ミライさんがんばれ!
ここからは怒涛の伏線回収祭になります。
作者も役割を果たすために頑張ります。
👍