[ただ今速報が入りました。避難警戒地区にて、セルリアンの大群が発生しハンターが出動したところ、35件ほどのビルが倒壊し、そのうち19件は人工的に切られたような跡があったことから、セルリアンに刃物のようなものがあったことが確認されています。怪我人はいません。引き続き警戒を………]
サンドがテレビを消す。
僕はキンシコウと一緒にリカオンを見に行っていた。
サンド「よくもまぁ……お前は鉄人かな?」
ヒグマ「ああ、よく言われる」
ヒグマは傷だらけで、サーバルと肩を組んでいる。
サンド「サーバルの様子は?」
ヒグマ「意識はない。目立った外傷もなかった」
サンド「あそこからどうやって助けたんだよ」
クマデ「一応、羽があるんでね」
ヒグマ「黒い羽が生えて…なんか飛んでた…」
サンド「そっちに傷は?」
ジド「無いに決まってる」
サンド「お前は忍者か」
いつのまにか、ジドが入ってきていて、ヒグマの肩を叩いている。
ヒグマ「ジド……あ!!サンド!お前には聞きたいことが山ほどある!!」
ヒグマはサンドへ指をさし、怒鳴りつける。
ヒグマ「まず!なんでジドさんと繋がっている!?何か企んでるのか!?」
ジド「おいおい…なんで、僕と繋がっていたら何か企んでることになるのか……?」
ヒグマ「うん!」
ジド「ひでぇな」
サンド「ああ、企んでるさ」
ヒグマは一層険しい表情なる
サーバルをソファの上に置き
ヒグマ「じゃあ、洗いざらい吐いてもらおうか」
ヒグマは何もせず、ただサンドを見つめている。
サンド「ん?お得意の脅迫は?」
ヒグマ「こっちだって疲れてるんだ。ジド、お前にも該当することだ」
ジド「ついに呼び捨てになったか」
ヒグマ「何が目的だ!生物兵器の開発でも至ったか?ジド!!!」
ジド「はぁ……僕は他人を巻き込んだ武器は作りたくないのが自分のプライドとしてある。それは絶対にない」
ヒグマ「じゃあ何が目的だ!ハンターを利用して!!」
サンドは深いため息をして
サンド「君たちはジドの話を聞いていなかったのかい?」
ヒグマ「まさか!」
ヒグマは驚いたような顔をした
ヒグマ「アーク……セルリアン……!?」
衝撃のあまり、一歩下がってしまう。
ヒグマ「繋がった……全て……じゃあなんでここに!?サンド!お前……前々から思ってたけど、まさかサンドスター!?名前がそれっぽい気がしたんだよ!サンドスターロウがどーとかって!」
ジド「サンドスターロウがどーとかって言うのはただ単に作者がサンドスターロウの意味を誤解してただけだから」
ヒグマ「しっかりしてくれ!」
サンド「ご名答、感がいいね。アークセルリアンの討伐を計画したのはこの俺。シドが勝手に動いたから君たちの強さを見させてもらったんだよ」
ヒグマ「私たちの強さ……?」
サンドは目を閉じ
サンド「見させてもらったが、はっきり言って失望したよ」
シド「なに!?」
ヒグマ「失望……弱かったってことか!!おい!戦いもしないくせに!!」
サンド「ああ、戦わなかった。俺はお前たちより弱いだろうよ」
ヒグマ「じゃあなにが失望だ!!知った口を叩くな!!あのセルリアン結構強かったんだぞ!」
サンド「なんとでも言うがいい。そう言うところを弱いと言っているんだ」
ジド「しかし、サンド。ハンターには強くなる可能性が腐るほどある。ここで手放すのは少し…」
ヒグマ「待て……!それ、どう言うことだ?」
ジド「え?僕?」
ヒグマ「ちがう、サンド。そう言うところってどう言うことだ?」
サンドは鼻で笑い、次第に腹をかかえて笑うようになった。
サンド「あんた、わかってないな?本当に強いのは気持ちの問題さ。どんなスポーツだってそう、貧弱な心だったらなんだってクソだ」
ヒグマ「だったら、私の心が貧弱って言いたいのか?」
サンド「ちがう、心は強い」
ヒグマ「じゃあなんだよ!!」
サンドは真顔になり
サンド「お前に戦う理由はあるか?」
ヒグマ「あるさ!街を、フレンズを守るため…」
サンド「ちがう!そんなこと微塵にも思ってない」
ヒグマ「思ってる!」
サンド「お前は過去に縛られてるだけだ!街なんて、ましてやフレンズなんてどうでもいい。そうだろ?」
ヒグマ「そんな理由だったらあんなに命をかけない…」
小さく舌打ちをしたサンドは、眉間にしわを寄せ言う。
サンド「あのな?俺たちを甘く見るな。俺たちはそんな綺麗事のために命張ってるんじゃない!!あんたに守れなかった命があるからなんだ!?俺の家族は殺され!俺の先輩も後輩もみんな餌だ!唯一残った親友は暴走を始め!それは俺が殺した……」
ジド「サンド、もういい」
ヒグマは目をそらし、さっきまで強気だった感じは消え去り、それは弱々しく、女々しい。
サンド「守りたいだ?こっちは復讐なんだよ!!野心だよ!欲望だよ!!………悲劇のヒロイン気取ってんじゃねぇよ……」
ジド「サンド!!やめろ!」
ジドがサンドの胸を強く押す。
サンド「残念だが、君じゃない。俺たちが求めたのはお前じゃない。悔しかったら見せてみろよ、お前の野心をよ!!……ジド、俺は帰る」
ヒグマ「私はお前に選ばれるためにやってきたんじゃない!!!お前に見向きされなくても自分でやってみせる!!」
その目は涙目であった。
サンド「やめとけ、無駄になるぞ」
サンドは部屋を出て玄関を開けた。
その瞬間、僕とキンシコウは部屋に入った。
怒鳴りつける声が聞こえためである。
僕とキンシコウは驚き感動した。
そして戸惑う。
その光景はひどかった。
ヒグマは泣いていた。
声を抑えようと必死になっていたが、無念。
目を両手で押さえ、内股になり、泣いていた。
ジド「かばん、すまないが君たちは帰ってくれ…」
かばん「え……!?何があったんですか!?」
ジド「ごめん…後でいいかな……?」
ヒグマは膝をつき、その背中をキンシコウはさする。
僕はそれを見ていた。
何か、慰めの言葉をかけようと思ったが、そんな空気はとっくに消えていた。
僕は、傷だらけのサーバルを背負う。
力も特別無いわけだし重かったが、その空気の方が重かった。
第15話へ続く……
フルル「次回のアナサーはー?」
コウテイ「早いな…」
とまと「深夜に書いたら終わってた」
ジェーン「完成度が低いのはそれが理由だったんですね」
プリンセス「なるほど!」
フルル「なるほどー」
イワビー「最近手抜きすぎないか?」
とまと「うるせぇ!!こっちだって忙しいんじゃあ!」
プリンセス「知らないわよそんなこと」
コウテイ「次回〈決意の覚悟〉だ」
イワビー「次回の更新は明日だな」
とまと「んなわけ……」
👍
🙇♂️
ハードな展開になってきましたね 続きを早くよこすのです!
更新がんばれ👍
ありがとうございます!!