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文藝誌 ジャパリ文學(SS総合投稿スレ) / 502

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名無しのフレンズ 2018/12/02 (日) 13:46:41 f2808@7d493

ミライ「!? なにバカなことを…w」

かばん「・・・」

少し風が出てきた。
食い倒れリアンの問いかけに対し、かばんちゃんは何故か、肯定も否定もしない。
笑い飛ばそうと発した私の声は、遠くから聞こえるパークの喧騒に吸い込まれていった。

食い
「まずお前は、フレンズたちとの見かけの違いに引っ掛かってたな。
 そして能力の違いにはコンプレックスも感じてた。
 叡智でかいけつするようになって、持て(はや)されるようになっても、それらは拭えなかった」

かばんちゃんは黙ったままだ。
もしかすると「ちゃんと漢字変換してくださーい」
ーと、思っているのかもしれない。

・・・違うか。

食い
「ヒトのフレンズいうんも、どっちつかずで中途半端な存在や。 アイデンティティーの獲得というには弱い。
 サーバルちゃんを置いてまでヒトを探すという名目で島の外に行こうとしたんも、
 『のけもの』感に突き動かされて、っていうのもあったんと違うか?
 結局、みんな付いてきてもうたけどな」

かばんちゃんはセルリアンに共感(シンパシー)を覚えていたから、あんな質問を繰り出していたのだろうか?

いや、そういうことじゃない。
おかしい。 
何故そんなに かばんちゃんの事に詳しいのか?

まるで全てを見透かしているような・・・

食い「お前もやぞ。 ミライさん」

ミライ「え・・・?」

矛先が こちらに向かってきて、思考が中断される。

食い
「パークガイドは・・・ 
 どんなに慕われ、耳をしゃぶれるほど仲良うなっても、過度にフレンズへの干渉は出来へん。 そうやったな?
 結局 上の命令でフレンズたちと引き離され、パークから追い出され・・・
 作家になってもプロジェクトから距離を置かざるを得なくなった...」

確かに他人の所為(せい)にしようと思えば『のけもの』にされた、と言えなくもないだろう。

ダメだ、ダメだ!
今でも ちょっと何かあると、そういう弱い考えに逃げようとしてしまう・・・

サバ「私を『のけもの』にしないでよ!」

食い・ミラ・かば「「「!?」」」

確かにストーリー的に出番が無かったけど『のけもの』仲間に入ろうとするのは、どうなんだろう?
二重の意味で おかしい。

空気を読まない… というか重苦しい空気を破る発言に力を得て、私は反撃に出る。

ミライ「何と言われようと、私はあなたの『仲間』にはなりません!」

食い「こっちは簡単には話術に呑まれへんか。 さすが年の功やな」

ミライ「私は『永遠の17歳♡』です!」 

食い「じゃあ、どうする? 非力な女2人で、オレと闘うのか?」

華麗にスルーされた…
しかも食い倒れリアンの言う通り、力ずくで どうにかなる相手とも思えない。
へしも見当たらない...

食い「助っ人は睨み合いを続けたまま。 別働隊の内2人は落とし穴に落ちて、使い物になれへん...

ミライ「・・・・・・?」 

あれ? ちょっと待って…

食い「腕に覚えのあるジャガーは仕事。 武器持ちのフレンズも おらん...」

かばん「!!」
かばんちゃんも気付いたようだ。
こちらの手の内が筒抜け・・・を通り越している!

ミライ「あなたは一体...?」

食い「ふ… ふはははは・・・!」 

食い倒れリアンは不敵…を超えて、無敵ぶりを誇るように笑った。

食い「オレは・・・ 神だ!」

一際(ひときわ) 強い風が吹き抜ける。
飛ばされそうになったぼうしを、慌てて抑えた。
しかし一足 遅かったようで、片方の飾り羽根が飛んでいく...
風に舞う赤い羽根を、見るともなしに ぼんやりと見ていた・・・

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