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文藝誌 ジャパリ文學(SS総合投稿スレ) / 501

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名無しのフレンズ 2018/12/02 (日) 13:15:58 f2808@7d493

食い
「よう、待っとったで。 
 あ、ジャパリまん、おおきにな。 味は申し分なかったで」

かばん「あ、ご丁寧にどうも...」

ミライ「どう致しまして」

挨拶は大事だ。 私が用意したものではないけど…

食い「ところで、もう1つの要求の方はどうした? 後から来るんか?」
かばん「いえ」

食い「もしかして、その(かばん)の中に居てるとか?」
かばん「いえ…」

食い「じゃあ、鞄の中にデジカメが入ってて、
 『かばんちゃん、ついにyoutuberデビュー!』とかいう動画でも上げるんか?」
かばん「いえ...」

食い「役立たずやんけ!」
かばん「うぅ…」
ミライ「そんなことないですよ!」

食い
「いや… 今のは流石に言い過ぎた。 
 これでもオレはお前を買ってる。 だから・・・ 
 その鞄を下ろして、どこかに遠ざけろ」

ミライ「・・・」

かばん「分かりました。 ミンミーさん、お願いします」

ミンミービースト「マカセテ」

サバちゃんを解放したら返そうと持ってきていたミンミーが私の手を離れ、
意外に機敏な動きで かばんちゃんに近寄る。

ミライ「キェェェェェェアァァァァァァ! シャァベッタァァァァァァァ!! しかも動いたーー!!!」

かばんちゃんの方は驚きもせず、本体 鞄を背中から下ろし、ミンミーに預ける。
ミンミーは少し離れた場所に移動した。
どんどん不利な条件が重なっていく。

ーが、だからと言って諦める(あきら)わけにはいかない。

ミライ「サバちゃんを返してよ!」
食い ┐(´~`)┌

手始めに、どストレートを放ってみたが、軽く いなされた。

かばん「お友だちになろうよ!」
ミライ「突然なにを言い出すの!?」
食い「!?」

かばんちゃんの踵(かかと)落としのような不意打ちに、こちらも驚いた。
食い倒れリアンも心底 驚いていた。 (…ように見えた)

だが、すぐに人を食ったような顔に戻って、
「えぇ…? どうしようかなぁ?」
と返す。

かばん「あなたの目的は、なんなんですか?」

かばんちゃんの攻勢(?)は続く。

食い「そうやなぁ… オレらを『のけもの』にしたヤツらに一泡吹かせること、かな?」

かばん「僕が知りたいのは、あなたの『本当の願い』です!」

さっきから発言の意図が分からない。
かばんちゃんには何が見えているのだろう?

食い
「悪いがオレの願いは、神様にも決して叶えられん。  
 『お話が出来なくなる』前になら言うてやってもええけど・・・ 
 どのみち お前らに聞かせる義理は無いな。 どうせ忘れてまうし...」

対して、食い倒れリアンは、のらりくらりと答えを はぐらかす。
何だろう? この違和感は・・・

今度は、食い倒れリアンの反撃が始まった。

食い
「なあ、考えたことはあるか?
 そもそも、なんでオレたちだけが『のけもの』なんや?」

こちらも思わぬところから攻撃が来た。
しかも重い。

食い
「おどろおどろしい見た目やからか?
 しっぽや耳のn… しっぽや耳が無いからか?」

ピクッ
かばんちゃんが わずかに反応する。

食い「ああ。 お前たちの『おともだち』のフレンズを食うから…か」

自分で疑問を投げかけておいて、自分で答えを出してしまう。

食い
「でもそれは『食うてるだけ』や。 お前らも食うてきたやろ? 
 弱肉強食、それは神様でもどうにもできん自然の摂理や。
 だから過去にオレらがされたことは気にせんでええ。 お互い様や」

食い倒れリアンのターンは続く。

食い
「それとも菜食主義なら ええとか言うんか? けど植物だって生きてる。 そうやろ?
 所詮 他の命を食うことでしか生きられん。
 お前らは命を奪うが、オレたちは記憶を奪って元の動物に戻すだけ。 可愛いもんや。
 そうは思わへんか?」

反論したいが、上手い言葉が見つからない。

食い
「オレらは本来 食うか食われるかの相容(あいい)れん存在や。
 これまで通り、ぱっかーんしてオレたちを倒すってんなら、それでもええ。
 けど、オレたちの仲間になるって言うんなら歓迎する。
 オレは どっちでもええぞ? さあ、決めろや!」

決めろ、と言われても、どうしていいか分からない。
さっきから違和感も強くなるばかりだ。

ふと、思った。
本当にその2択しか無いんだろうか…?
取り敢えず、考えられない方の選択を否定してみる。

ミライ「仲間、なんて・・・」

食い
「なに言うてんねん。 
 オレたちは すでに同じ『のけもの仲間』やないか。 
 そうやろ? かばんちゃん」

・・・・・・・・・・・・

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