ヒグマ「サーバルも……魔装を……!?」
キンシコウ「いやいや…サーバルが魔具を持っているわけがないはずです…!」
11月11日
今日は晴天なり
ハンターと戦っていたセルリアンは一斉にサーバルを見た。
かばん「さ……サーバルちゃん…?その姿は…?」
サーバル「かばんちゃんは下がってて、危ないよ」
サーバルは眉間にしわを寄せ、僕の方を見ず、前を見て言った。
大量のセルリアンが迫ってくる中、僕は尻餅をついたまま。
サーバル「………サバンナ……ブーストォ!!!」
ブゥゥ!!バンッッ!!!
サーバルが叫ぶと、先ほどより強い風が打ち付けた。
ヒグマ「な……なんだ!?」
ヒグマも思わず、手で防ごうとする。
僕も絶えきれず、両手を顔の前に被せた。
風が止み、目を開けると、そこには上半身と下半身が真っ二つに切られ、バタバタと倒れているセルリアンたちがそこにいた。
セルリアン【たち】とは言えども、十人やそこらではない、数百体
いや、全てと言った方が早いか….
地上にいた人型セルリアンは皆、殺されたのである。
それは一瞬、1秒もかからなかったくらい。
素早く。
セルリアンの残骸の先にはサーバルが立っていた。
ヒグマ「な……なんだ…これ……」
キンシコウ「速い……これは……」
ハンターたちもあの風圧には絶えられなかったのか、僕と同じように尻餅をついていた。
サンド「……急いで来たが…まさか……」
サンドは気づかないうちに僕の横に立っていた。
かばん「さ……サンドさん!?これは…一体…?」
ヒグマ「こんなことができる魔具が…存在するのか……?」
クマデ「……しない…こんな強さは…ありえない…」
サンド「だろうな、これ魔装じゃないからな…」
ヒグマはサンドの存在に気付き、
ヒグマ「サンド!!何をしていた!!」
サンドはそれを無視し、深く息を吸った。
サンド「祝え!サンドスターの力を操り、音、光でさえも越え奇跡と希望をしろしめす速さの星。 その名もスピードスター サーバルキャット!一つ進化した瞬間である!」
ヒグマ「魔王にでもなるんですか?」
かばん「スピードスター……?サンドさんみたい……」
サーバルは荒く呼吸をしながら、ゆっくり振り向く。
サンド「これが、【野心覚醒】ってやつだ」
かばん「やし……何ですかそれ……」
サンド「あ……あれ…?…あ!ジドにしか言ってなかったわ!」
ヒグマ「ジド……?なんでその人の名前を…」
サンド「あ…ああ!!後だ後!!ほら!前を見ろ!」
ヒグマ「は…?前?」
ヒグマは前を、つまりサーバルの方を見る。
サーバルは荒く呼吸をしていて動かない。
ビルに張り付いた巨大なセルリアンはサーバルを見つめている。
サンド「さぁ…見せてくれ!サーバル!お前の野心を!!」
かばん「はぁ……はぁ……野心……」
サーバルはセルリアンを見つめ、呼吸を続ける。
セルリアンは数百本にも及ぶ触手をサーバルへ向けた。
触手がサーバルへ届く寸前、サーバルは僕は微笑みを向けた。
口をパクパク動かせ、ささやくような声で何か言ったかのように
その口の動きを辿るととある言葉に辿り着いた。
・
「【逃げて】」
・
僕は見た。
一瞬という言葉でも遅く、恐ろしい物を
サンド「かばん!!伏せろ!!」
それでも遅かったくらい。
僕は昔から視覚能力が優れている。
バッチリ見えた。
僕の知ってるサーバルは、いつも穏やかであった。
僕が見たのは、正しく【獣】であった。
牙をむき出し、眉間に数え切れないほどのシワを寄せて
ただ、それは【狩】でも【ごっこ】でもない。
僕にはわかった。
その顔が何を意味するか
それは【殺意】
獲物なんかじゃない。
憎いんだ。
サーバルは、あの存在が
・
・
ドゴォォォ!!!ガガガガ!!!!!
・
ゴゴゴゴゴ!!!!ドガガァァァン!!!!!!
・
・
まるで時が止まったかのように、サーバルは右手の爪を上にあげ空中に移動していた。
サンド「ああ……サーバル……これは素晴らしい……」
セルリアンは弾け、消えた。
サーバルはビルごと切ったらしい。
ヒグマ「おいおい……バケモンかよ……」
ただ、その光景は予想の斜め上を行った。
ビル一つ、それだけでは収まらなかったらしい。
横に一つ、二つ、三つ、四つ……
少なくとも、両側に建っていた建物の10個は真っ二つになり、その横に建っていた建物は風圧で崩れただろう。
かばん「サーバルちゃん……?……!!サーバルちゃん!!!!」
サーバルは空中で気を失ったのか、ふにゃふにゃに曲がりくねった関節をふらつかせながら、サーバルは真下へ落ちていった。
ただ、そこには地面はない。
なぜなら、サーバルが切ってしまったから。
サンド「ま……まずい!!」
徐々にビルが壊れ始め、地震のように揺れる中
ヒグマ「キンシコウ……一ついいか?」
キンシコウ「ヒグマさん……」
ヒグマ「サンドとかばんは頼んだ」
ヒグマは走り出した。
倒壊を始めたビルに向かって
キンシコウ「ちょ!!ヒグマさん!!きゃっ!」
瓦礫が煙を立てる。
ヒグマはその中に消えていった。
キンシコウ「……ヒグマさん!!!絶対帰ってきてくださいよ……」
キンシコウは僕たちの方へ走り出す。
サンド「かばん、そろそろまずい。サーバルはヒグマに任せて俺たちは…」
かばん「いえ……でも……!」
僕は煙の中に一歩進んだ。
だが、その瞬間冷たく、強い風に当たった気がした。
背筋が凍り、目からは涙が出そうになった。
サンド「バカ!お前があそこに突っ込んでも死ぬだけだろ!」
サンドは僕の手を引っ張り走り出した。
僕は走りながらも後ろを見た。
チラチラと、サーバルは徐々に落ちていく。
キンシコウ、そしてサンドも前を向き走っている最中。
黒い何かがサーバルにぶつかる。
その黒は、実にヒグマに似ていた。
サンド「かばん!!後ろばっかり見るな!!死ぬぞ!!!」
だけど、でも……
さっきの寒気がまたもや自分を襲う。
顔を震わせながら、僕は顔を前に向けた。
そして気づいた。
これは恐怖であると
何に怯えているのか、何に恐怖を覚えているのか
それは簡単
かばん「アレがサーバルちゃんの野心……?あんなの……あんなのただの……
・
【化け物じゃないか】」
・
第14話へ続く……
とまと「次回のアナサーは!?」
フルル「あ、昨日キレてた人だー」
プリンセス「しー!!そんなこと言っちゃダメよ!またキレるでしょ!」
イワビー「真面目に予告するか」
コウテイ「今回はサーバルが新たな姿となり活躍したが」
ジェーン「真面目なの新鮮ですね」
コウテイ「次回はどうなるんだろうか」
フルル「どうなるんだろうねー」
ジェーン「………終わり!?」
プリンセス「そりゃそうよ、中身薄いんだから」
イワビー「次回!〈違う、君じゃない〉だぜ!」
とまと「お前ら覚えとけよ……」
野心覚醒…だと…!?やばいよやばいよ…
サーバルちゃんとかばんちゃんどうなっちゃうの!?ヒグマさんも気を付けてー!
(続きも楽しみにしてます👍)
ありがとうございます!
👍
🙇♂️