スナネコと暁の牙 1話
ー出会いはいつも突然である。
轟々と唸る風の中、大きな影が揺れる。
ーそして、それはどんな者が訪ねてくるかも予測はできない。
鋭い石…いや、牙を鳴らしてこちらにやってくる。
スナネコは、この予測不可能な事態に直面し、文字通り硬直していた。
穴を掘るついでに、恐ろしいものを発見してしまった。
新種のセルリアンだろうか。いや、それとも…
…騒ぐほどでもないや。
この場合、スナネコの飽き性な性格が幸いした。
そして、無理に動かないその姿勢は、影を興奮させずに済んだのだ。
風が幾分か収まってゆく。その度に、全貌が見えてくる。
鋭い牙を持つ大顎、すらりとした顔立ちに睨みつけるような目と周囲の突起、ダークカラーには腹の赤い模様が強調されているようだった。
恐ろしいもの…しかし、スナネコには本能的な確信があった。
生き物特有のあたたかいものを感じる。
彼女はそっと、その「大きなけもの」に手を伸ばした。
手が伸びる。それには、迷いは見られなかった。
大きなけものは、低く唸る。うるると喉が鳴る。
しかし、その眼には敵意は見られなかった。
スナネコ「これで、お友達ですね」
…
……
…
スナネコ「あなたはどこから来たのですか?」
大きなけものは、何も応えなかった。
スナネコ「おうちが、わからないのですか?」
更に問う。やはり返事はない。
しかし、その目はまっすぐだった。
どこか哀しげのある表情をしながら、陽炎と砂埃でぼやけた砂漠の地平線を眺めている
スナネコ「…ボクが、一緒に探してあげますよ。いきましょ」
やがて歩き出す。運命と共に。
砂嵐はもうおさまったようだ…空には照りつける太陽と澄んだ青空が見える。
どこかで、なにかが崩れる音がしたようだ
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読んでるよ 続き楽しみにしてます
更新がんばってネ!👍
スナネコかわいい…みゆはんボイスで脳内再生余裕なのがすごいです
未来を暗示する表現が砂漠にマッチしてて巧いと思います
2話更新まってます👍
ありがとうございます😊
挿絵と表現は頑張ります故、処女作なので何卒緩〜く見ていただければ…
支援!
がんばってね~👍