虫喰いでないフレンズ
九話>> 464
ドブネズミ
「わたしだ。マイはいるか?」
《コノシマ所長ですね?接続致しますので少々お待ちください》
ドブネズミ
「ああ、よろしく頼む」
アフリカゾウ
「ドブネズミちゃん、りちぎだね」
ドブネズミ
「リチギ?なんだそれは?」
アフリカゾウ
「礼儀正しいっていうか、真面目っていうか」
ドブネズミ
「良いのか、それは」
アフリカゾウ
「良い、んじゃあない?」
マイ
《わたしだ。なにかあったのか》
ドブネズミ
「マイか。単刀直入に言う。
セルリアンと思われる敵の襲撃に遭った。
率直に、敵はスタンドを使っていたと考えられる。
そいつはさっき二人でたおしたから、もうここら辺のフレンズが襲われることは無いだろう」
マイ
《ふむ。では何故、スタンドを敵が使っていたと言える?》
ドブネズミ
「わたしには見えた敵がアフリカゾウに見えていなかったからだ。
能力は破壊不可能のカプセルに閉じ込める能力だったとみている。
わたしのラットにかかれば溶かせない物はないから脱出できたが」
アフリカゾウ
「ほんと、ドブネズミちゃんが来てくれなかったらどうなってたか」
マイ
《そうか。無事なら良かった。取り敢えず、襲われてから今に至るまでの経緯を話してくれ。敵のスタンド能力が本当にそれなのかこちらで判断したい》
ドブネズミ
「なるほど、そういうことなら面倒だが仕方ないか…」
︙
ドブネズミ
「二人で足元にいたデカいのを撃ちまくったら、弾け飛びやがった。
そいつの上にいたから当然わたし達も上に吹っ飛ばされたんだが、その時チラッと空を飛んでた鳥のようなスタンドが消えかかっているのが見えたんだ」
マイ
《なるほど。アフリカゾウはどうだったんだ?》
アフリカゾウ
「いやもう、ドブネズミちゃんが気がついたらいなくて、突然浮いてて、よくわからない所に持ってかれて」
ドブネズミ
「うん?『持ってかれて』?アフリカゾウは鳥のようなやつは見えてたのか?」
アフリカゾウ
「え?いや、自分で浮いてる訳ないから何か見えないものがいるんじゃないかなって」
ドブネズミ
「想像力がすごいな…
とにかく、それくらいだ。
セルリアンらしいセルリアンは他にいなかった」
マイ
《なるほど。それで、飛び散ったという残骸は回収したかい?》
ドブネズミ
「あ…倒した後岩山にすぐ行ったんだがな、キレイサッパリ、何も無くなってて回収できなかった。
確かに結構デカい破片が飛んだハズなんだ」
マイ
《そうか…まぁ、ご苦労だった。君たちにはこれからも得体の知れない敵が襲い来るだろう。
だが、君たちは必ずや生還しフレンズにも我々ヒトにも有益な情報をもたらしてくれると信じている。
敵は必ずしも向こうから襲ってくるとも限らない。
待ち構えているものだっているだろう。
セルリアンにはそのようなものがいるという報告もある。
そうそう、メモ帳で敵を大体の形でいいから描いておいてくれ。
口頭だけではわからないこともあるしな。
では、失礼する。
二人とも、おやすみ。》
ドブネズミ
「おやすみ。」
アフリカゾウ
「おやすみ。」
ドブネズミ
「…フレンズとヒトってのは何が違うんだ?」
アフリカゾウ
「え、なに?」
ドブネズミ
「マイがよく言ってるだろ?
いつも、フレンズとヒトを並べているようで分けて考えているみたいな言い方なんだよ。
ヒトとわたしと、区別がつくか?」
アフリカゾウ
「簡単じゃん。耳が4つあるよ?
尻尾だって違うし」
ドブネズミ
「そうじゃあねーんだが…
じゃあ言い方を変える。
マイが言う『フレンズと我々ヒト』って所は自分がフレンズとは違うから『我々ヒト』なんて言い方をするんだと思わないか?
つまりはヒトとフレンズは何かの立場が違う」
アフリカゾウ
「うーん…言われてみれば、そうかも。
フレンズは私の行ったことない所ではヒトに混ざって一緒に暮らしてるってマイが言ってたんだけど、そこのフレンズはヒトに自分がフレンズだって知られちゃあダメらしいし…」
ドブネズミ
「なに?何でそんなことを言われた?ホントか?」
アフリカゾウ
「いやぁ、私が見たこともないところにいるフレンズっているのかなって思わず呟いたら『知りたいか?』ってさ」
ドブネズミ
「アフリカゾウって、そんなに知らないこと知りたいってなるのか」
アフリカゾウ
「あぁ、なんにもキッカケが無いわけじゃないと思うよ?
テレビで遠くの見たこともないものとか、アニメとか、かよー番組とか観てたらぱっと浮かんだみたいな?」
ドブネズミ
「テレビ…?
あ、アレか。寝るとこにあったやつか」
アフリカゾウ
「ええ?ちょっと、きのうの夜中じゅうずぅっと観てたのにおぼえてなかったの?」
ドブネズミ
「いや、アレ観ててもテレビって単語はそれほど出てこないから名前ははっきりしなくてもおかしくないんじゃないか?
寝るのも忘れてずっと観てたのは憶えてるよ」
アフリカゾウ
「そうだよね、良かった〜。
じゃあ何を見たかは憶えてる?」
ドブネズミ
「えっと、何やらピシッとしたやつがこっちと手元を交互に見ながらクソ真面目に淡々と一人で喋ってるやつだろ、それとは対照的に暴れながらワアワアと喚き散らしてるやつだろ、それと…」
アフリカゾウ
「まってまって!それじゃあ何を観てたのか伝わってこないよ!」
ドブネズミ
「わからんか?
最初はニュースってので、次のザ・ベストソング・ショーってので、言おうとしてたやつの異様にのっぺりしたアニメってのがやってたな。
どれも個性的なもんで、こんなのを楽しんでるヒトのことをちょっとはわかった気がしたんだ」
アフリカゾウ
「うん………そう………ふぁぁぁ。
良かったね。
私はニュースは観ないからわかんないや」
ドブネズミ
「くっ…ぁぁぁぁ。
そうか。もう眠いし話すのはやめて静かにしとくか」
アフリカゾウ
「そうだね。おやすみ。」
ドブネズミ
「おやすみ。」
二人とも木の下で寝転がっていた。
地面は草などクッションになるものはないが小石が多いわけでもなく、寝付きにくさに体を痛めながらの就寝だった。
夕方になって麓の樹林帯に着いたが、夜にここに入るのは危険と判断したため境目に近いところにいた。
ドブネズミは眠りに就く前に今日のことを振り返るように思い出していた。
敵スタンドを撃破した直後の残骸の石を回収するべく岩山の上へと登ったとき、ラットのスコープで山がある方向を確かめようとした。
すると雲を突き抜けるほど高い山がそびえ立っていた。
アフリカゾウは似たような光景に見覚えがあるようだったが、ドブネズミには馴染みがないため暫くの間はずっと山頂付近を眺めていた。
その後は山へ向かって歩き、暗くなってからようやく現在地に着いて今に至る。
ドブネズミ
(アフリカゾウはわたしの知らないところの景色を知っている…
アフリカゾウがいたところはどんなところなのだろう…
そこにはどんな物があるんだろう…)
ドブネズミは自身の疲れによって強力になった睡魔をも押し退けて考え事に夢中になっていた。
結局昼前頃にアフリカゾウに揺すり起こされるまで夢をみていたのだが、その夢が今後を暗示していたことに気づくのは少しだけ先の話である。
ののののののののののののののののののの
ここは二人が旅する島の某所。
二人もまだ知らない、何かがいた。
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???「イタ…ミツケタゾ…
ルートカラモ外レテイナイ…
コレデヒトツ、オマエタチヲ試サセテ貰ウカ…」
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←to be continued…/\┃
読んでるよ 更新頑張ってください😆👍👍
😊👍👍ありがとうございます!
更新頑張ります!