虫喰いでないフレンズ
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前回の虫喰いでないフレンズ
マイの依頼で調査に赴くドブネズミとアフリカゾウ。
しかし、立ち入るだけで死の危険がある土地がどこにあるかわからないと後から告げられ、ドブネズミはマイに不信感を募らせる。
二人は歩きながら暇つぶしに喋っていたところ、突然アフリカゾウが姿を消したのだった。
ののののののののののののののののののの
キャラクター紹介
名前:ドブネズミ
年齢:?(フレンズ化してから約1日)
生年月日:?
好きな食べ物:肉類全般
嫌いな食べ物:ネズミ駆除用毒餌などの罠の餌
好きなこと:肉を食うこと。生きる意味を見出したような気持ちになるから。
嫌いなこと:食事の邪魔をされること。されると不機嫌になる。
スタンド:ラット
破壊力:Bスピード:C射程距離:D
持続力:B精密動作性:E成長性:C
(A-超スゴイ、B-スゴイ、C-人間並み、D-ニガテ、E-超ニガテの5段階)
スタンドさえ溶かす弾を撃ち出すスタンド。
命中したものはドロドロに溶かされる。
弾は跳弾が起こるくらいで、基本は物理法則を無視してまっすぐ飛ばせる。
スタンドヴィジョン(スタンド像)
一つ目の機械的な怪物の顔のような部分が前面にあり、その裏側に砲身が伸びる。
そこ以外も、全体が機械的なデザインになっている。
台があり砲身を180°回転させられるようになっている。
砲身の上にスコープがついている。
砲身の裏がちょうど一つ目の目のようになっている。
覗くときは顔の部分を裏返し砲身を前へ向けることになる。
顔の部分の裏側には撃鉄があり、発射時にはこれを撃つ。
何発も連続で発射することが可能。(原作にて8発まで連射しているシーンがある)
フレンズ化の恩恵
ヒトの体を得たことでサイズが大きくなった。
また、それにより相対的に射程距離が伸びた。
ののののののののののののののののののの
ドブネズミ
「何があってアフリカゾウがいないのかわからんが、話の流れであいつがわたしの見えないところにいくとは考えられんし…」
(それほどアフリカゾウとの付き合いは長くないからエラソーな事は言えんがね)
ドブネズミ
「さて、どうしたものか、マイの言うとおりになっちまった。
フレンズがいなくなっていることを知っているというのは、フレンズから聞いたのか?
その隣から居なくなったと言ってきたフレンズが無事なのは、そいつだけ逃げ果せたからなのか?
仲間を見捨てて自分だけ逃げるなんてことがあるなんてことを考えたくはないが、アフリカゾウが無事かどうかだけは知りたい。
仮にこれがセルリアンの攻撃としても、あんだけノロい奴等がいきなりフレンズを連れ去るなんてことが奴らにできると思えない。
だが、その可能性を捨てるなんてことはわたしにはできない。
わたしはアフリカゾウを見つけだして、また案内して貰わなくてはならないからな」
意を決して、ドブネズミは匂いを探し始めた。
アフリカゾウの匂いがどこから流れてくるかを、四つん這いになったりつま先立ちになったりして探す。
ドブネズミ
「ニオイではわからん……………
ニオイで気づかれないように風下から襲ってきた可能性があるな。
風下の方向には、ちょうどでかい岩山がある。
目立つあそこが一番クサいな……」
視力をラットのスコープで補い、遠くを眺めて観察した。
すると、なにやら怪しいものが岩山の崖に張り付いている。
ドブネズミ
「鳥の巣のような台があるな。
その上のあれは、丸いカプセルのような……
中にいるのは、もしかしてアフリカゾウか?
なぜ何もしない?『何もできない』のか?
助けるなら行くしかねえが、何かありそうだな。
用心しとこう………」
ドブネズミは岩山へ向かって歩きだした。
それを上空の真上から観察する者には気づかないが、ラットを出して周囲を警戒する。
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???「アレデハヤリニクイナ…
ダガ、コチラニハ気ヅイテイナイヨウダシ、問題ハ無サソウダ」
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ドブネズミは、いつの間にか高く宙に浮かされていた。
見回すと、妙なのが自分を包むカプセルを掴んでいる。
ドブネズミ
「こいつは都合がいい…
歩く手間が省けた。
落ちて怪我するのもアホらしいしな。
アフリカゾウもこうやってこいつに抵抗できずに連れ去られたわけか…」
目と鼻の先にいる敵の攻略方法を考えていると、アフリカゾウの近くに『置かれた』。
『置かれた』というよりは『放られた』というほうが正しいと言えそうなくらい雑に投げられたため、ドブネズミは中で何回転かしたため暫く目が回っていた。
自分たちを連れ去った者がそこを去ったのを見届けると、アフリカゾウの様子を見る。
カプセル中では膝を抱えていたが、ドブネズミが来たのを見つけるとこちらを向き話しかけてきた。
アフリカゾウ
「ドブネズミちゃんも…ここに連れてこられちゃったんだね………」
ドブネズミ
「あぁ、まんまとやられた。でも、わたしははじめからそのつもりだった」
アフリカゾウ
「えっ………どうして?」
ドブネズミ
「このセルリアンを倒す必要があると思ったからだ。
マイが突然居なくなったフレンズがいると言ってたのは何故だと思う?
それはフレンズがセルリアンに襲われたからだ。
セルリアンがフレンズを襲うなら倒すだけだと言ったのはアフリカゾウもだろ?」
アフリカゾウ
「そうかもだけど……
この丸いの、殴っても殴ってもびくともしないよ。
なんだか力も出ないし、ここからすぐに逃げたほうが良さそう」
ドブネズミ
「捕まったら入れ物を壊そうとすることまで対策済みということか。
アフリカゾウの力でも無理なら『溶かす』しかないわけだな」
ドブネズミはラットを発現させ、壁に弾を撃ち込んだ。
アフリカゾウ
「ドブネズミちゃん、もしかしてわざと捕まってここに来ちゃったの?」
ドブネズミ
「そうじゃあない、敵がわたし達を捕まえるなら同じところに持って行くと思ったからだ。
ふっ。
アフリカゾウが捕まってるところに行くならこれが手っ取り早いし、敵が集まってくるならまとめて溶かしてやればいい。
よっと。出られた。
アフリカゾウの方も溶かしてやる、待っててくれ」
アフリカゾウ
「うん……」
ドブネズミ
「よっ……!?」
ドブネズミはカプセルから足を踏み出したところの感触に違和感を覚えた。
ドブネズミ
「『巣』に脚が沈む…っ
硬そうな見た目だったのに…
それに、足をがっしりと掴まれているみたいだ…
抜こうとすると固くなって動かなくなるっ………」
アフリカゾウ
「なんだったかな、そういうもののこと…
足元をさ、溶かして柔らかくすれば抜けるんじゃない?」
ドブネズミ
「そうかもな、そうしよう」
アフリカゾウ
「どう?」
ドブネズミ
「んんん、一発じゃあ足りないみたいだ。3発くらい追加してみるか」
(ギャーーーース!)
ドブネズミ
「なんだ?」
アフリカゾウ
「あれ、何だろう…?」
ドブネズミ
「こいつはこの巣の主か?
さっきわたしを持ち去ったやつに似てるな。
まさか、探すまでもなくあちらから来てくれるとはな」
アフリカゾウ
・・
「また閉じ込められたりしないかな…?」
ドブネズミ
「わたしはコレに捕まってる。
・・
この状況でまたカプセルに閉じ込めてくるのか?………」
(ポコン)
アフリカゾウ
・・
「またそうなっちゃったね…」
ドブネズミ
「………
足はなんとか抜け出したが…
振り出しか。
巣の一部が足にくっついて来てるが」
アフリカゾウ
「うへぇ〜」
ドブネズミ
「閉じ込められてても会話できることは幸運だったかな?
とにかく、あいつの攻撃を受けないようにしないと何度でも閉じ込めてくるだろうな」
現在ドブネズミは右足に『巣』の一部が付着している。
巣は速く力を加えると固くなりゆっくり力を加えると液体のようになるダイラタンシーの性質を持っていたが、カプセルが置かれている分には固いままだった。
物が置かれているのならそこにゆっくりとした力が加わっているはず。
そこに、ドブネズミは疑問を抱いた。
ドブネズミ
「わたしが足を踏み入れたときと、そうでないときとは何か違いがあるのか…?」
アフリカゾウ
「あっ、ダイラタンシーだ!
マイが作ってくれたんだよね、あれ」
ドブネズミ
「ダイラタンシー?」
アフリカゾウ
「手を入れると固くなるけど、持ち上げると水みたいにサラーってなるやつだよ」
ドブネズミ
「そうか。この土台がそのダイラタンシーになるのは、足をいれたときだけだった。
ここにある破片でも確かめてみるか」
アフリカゾウ
「ドブネズミちゃんが羨ましいよぅ…
すごくヒマなんだけどぉ…
それをコネるだけでも楽しそうだなぁ…」
ドブネズミ
「そ、そうだったな。
アフリカゾウ、なんでかわかるか?
ダイラタンシーがこんなことになるワケ」
アフリカゾウ
「確かに、なんでだろ?」
ドブネズミ
「そこは教わってないのか…
ム、ダイラタンシーが粉っぽくなってきたぞ。
粉と水が混ざってたのか?
この辺は水なんて流れてないから水じゃないかもしれないが」
アフリカゾウ
「水……そうだ、マイは片栗粉と水を混ぜてたんだ。思い出した」
ドブネズミ
「ふぅん、なるほど。
カタクリコというのはなんだか粉っぽいものということまではわかった。
さてと、上のヤツはいなくなったみたいだな。
今度こそアフリカゾウも一緒に出してやる。
フルパワーでラットを撃ち込んでやる」
アフリカゾウ
「足元のことは?」
ドブネズミ
「出なくてもいい方法を思いついたんだよ!
コレから抜け出してから、またダイラタンシーとかの話をしてくれ!
『ラット!』」
︙
アフリカゾウ
「うわぁ〜。キレイに開いたね」
ドブネズミ
「よく考えても見れば、さっきは完全にカプセルから踏み出したから再び閉じ込められたんだ。
つまり上半分だけ外せば外に出たことにならずに助けられるわけだ」
アフリカゾウ
「ふんふん、なるほどぉ」
ドブネズミ
「実際、さっきのすぐ戻ってきたとき上半分を外しかけてたのに何もしなかったしな」
アフリカゾウ
「そうだっけ?まあいっか」
ドブネズミ
「アフリカゾウ、壁面を溶かすときなんとかしてそっちのカプセルを回してくれ。
それと、ラットは威力の調節ができない。
だから、撃つときは言うから穴を空けても当たらないように後ろ側に寄っかかっててくれないか?」
アフリカゾウ
「わかった。頑張ってね!」
ドブネズミ
「ああ。じゃあいくぞ」
ドブネズミはラットを出現させ構えた。
アフリカゾウは支持通り後ろに寄りかかりながら待つ。
二人は何も起こらずラットが壁を溶かすと期待していた。
そして次の瞬間に、それが裏切られたのを理解した。
(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……)
ドブネズミ
「な、なんだ!?また邪魔が入ったか!?」
アフリカゾウ
「今度はなにィ〜〜〜!?」
ドブネズミ
「足元から揺れ動いてるッ。何かこの下にいるのかもしれない」
アフリカゾウ
「下ぁ?」
ドブネズミ
「そうだ、下だ。何がいるのか調べるには……」
(ずごごごごごごごごごごご!!)
ドブネズミ
「しばらく掛かりそうだと言おうとしたんだが、なんの苦労もなくわかったなっ。
今、巣の回りが盛り上がってきてわたし達を下から包み込もうとしているところから確信できる。
敵は『巣と土台そのもの』だったんだ!
最初からわたし達の足元にいたんだ。
わたしの脚にくっついたのはコイツの上の部分なんだろう。
異変を感じ取って動き出したといったところか?
ラットを撃ち込んだから、それが効いてるかはわからんが何も感じてないことはないはずだしな!」
アフリカゾウ
「『アフリカゾウ』でもこんなにおおきくない…
どうやってこんなのと戦うの…」
ドブネズミ
「このままだと二人とも、コイツに取り込まれて吸収される!
わたしが『撃ち込ん』で、おまえが『打ち込む』んだ!それしかない!」
アフリカゾウ
「そうだよね…そうするしかないか」
ドブネズミ
「いくぞ!『ラットォーーーーッ』!!」
アフリカゾウ
「パオオオオオオオオオオオオオ!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ドブネズミはできる限り休みなくラットを撃ち込み、アフリカゾウはカプセルの下を野生開放して拳で連打した。
ラットの溶解弾はカプセルの底を破り奥へと溶かし進み、アフリカゾウの拳打の衝撃はカプセルを貫通して伝わる。
やがて猛烈な打撃と溶解弾の応酬に耐えきれず足元の巨大セルリアンは
(グゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!)
という断末魔と共に
ぱっか━━━━━z_____ぁぁぁん!!
と破裂した。
サンドスターの結晶とラットに溶かされたドロドロの残骸が拡散し、二人は吹き飛ばされる。
半分になったカプセルに乗っていたドブネズミは反転しないように押さえつけ、アフリカゾウは着地の衝撃に備えて構えた。
ドブネズミは、着地してすぐ裏返しになり半球状のカプセルが被さってきたのでラットを立てて頭を守ろうとしたが、結局転げて頭を打った。
アフリカゾウは、回転がかかっていたため何回か体を内壁にぶつけ中で回されながらもなんとか止まることができた。
ドブネズミ
「ぁっ……痛ぁッ……まあっ、生きてるだけいっか」
アフリカゾウ
「っはーーっ、疲れたぁぁぁ。まわりがぐるぐるして動けないぃぃぃ。首も痛いしぃぃぃ……」
二人は後に着地のとき無傷で済ませることができなかったものの同じ方向に飛ばされていたため、生還したことを喜びあった。
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???「『フレンズ』ノ『スタンド使い』ヲ捕獲出来ナカッタカ…
コレデハマタ新タナ『スタンドセルリアン』ガ必要ダナ…
成功シテイタトシテモ、喰ワレルンジャア意味ガ
ナカッタヨウダガ…
次ハモット上手クヤレソーナヤツヲ…」
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←to be continued… /\┃
下の補足情報は九話を読んだあと開いてください
スタンド名:200キロの旅
破壊力:Eスピード:A射程距離:A
持続力:A精密動作性:E成長性:E
特徴:足の指が長くなった鷲のようなスタンド。
能力:上空を旋回して対象を見定め、急降下して接近し瞬時に継ぎ目の無いカプセルに対象を閉じ込める。
カプセルはこのスタンドが接近しただけで生成されるため防御は困難。
対象を入れたカプセルを足で掴み任意の場所に運べる。
カプセルは衝撃を外に分散するため破壊には工夫が必要。
今回のスタンドはセルリアンが使用していたため自分の上にカプセルを落とすようにしていた。
👍
😇ありがとうございますー!
虫喰いでないフレンズについて
8話(>> 464)にて、ドブネズミのスタンド・『ラット』のヴィジョン説明が誤っていたため修正しました。
内容には影響しないため本文の修正はしていませんが、万が一にも誤解を生むことの無いように気をつけてゆきたいと思います…
(影響しないと言い切る態度が今後に影響しそうだけど)