虫喰いでないフレンズ
けものフレンズ×ジョジョの奇妙な冒険クロスオーバー
第一話 ドブネズミは虫喰いでない
「ルームに搬入完了しました」
………………………………………
「精製サンドスター放出準備完了」
……………………………
「サンドスター放出開始まで5秒前」
……………………
「3」
……………
「2」
………
「1」
…
わたしは負けた
わたしは敵に負けた
わたしは自由だった
わたしはもっと自由に生きたかった
わたしは…わたしは…
「わたしは……?」
「アニマルガール化、成功しました」
「ついにアニマルガールを人類が…」
「いや、スタンド使いの方がまだ未解明だ」
「今回もサンドスターという存在を虫が食ったくらいの大きさの穴から覗き見ただけに過ぎん。アニマルガールの意図的な誕生は人類に利益と成り得るのかはこれから調べればよい…」
「アニマルガール・ドブネズミが目覚めました」
黒いヤツがわたしに撃ったものが命中し苦しんだ記憶が蘇る。
周りを見回すとわたしは威圧感のある鋼鉄とガラスの窓(なぜ知ってる?)に囲まれていることが確認できた。
狭いところは嫌いじゃないが自由がないところは嫌いだ。
再び自由を得るために壁をブチ抜いて此処から出ようとした。
「…しかし、なぜこれほどまでに危険な動物の死体しか残っていないのでしょうか?」
「オランウータンやボストンテリアのイヌやハヤブサがいたそうですがいずれも損傷が激しく保存が困難であったそうです。DNAを採取してあるのはこのうちボストンテリアのみで、そのほかは死体の在りかすら不明です」
「しょうがないだろ、スタンド使いの戦いは熾烈を極めるというからな。死体すら遺らないなんてのは人間対人間でもよくあるんじゃないか?」
「サンドスターに負けず劣らず謎だらけなスタンドについて調べるスピードワゴン財団が平和的に我々に協力しているのは奇跡のようなものだ。『セルリアン』の脅威に対抗できるのはアニマルガールとスタンド使いだけだから、あながち分からなくもないが。」
『セルリアン』?
脅威ということは『そいつ(セルリアン)』は敵なのか?
外に『そいつ』がいるのか?
尚更外に出たくなった。
『そいつ』を排除してわたしは自由を得る。
それが当面の目的だ。
まずは出口を作る!
『ラット』!
「おい!アニマルガールがスタンドを出してるぞ!壁を攻撃するつもりか?」
「なんだと!?そいつの攻撃には絶対に近づくな!触れただけでもヤバい!」
ガラス窓の向こうの奴らがなにやら騒いでるがわたしには関係ない。
ラットで弾を円く壁に撃ち込み穴を開けた。
壁は厚かったがわたしにはなんてことはない。
ラットに溶かせない物はないのだ。
壁の向こうは左右に渡る通路らしきところであったが本能の赴くまま反対側の壁も溶かし出口を作った。
実は通路のどちらに行っても奥へ奥へと進み出られなかったのだが、自由を求めるドブネズミには関係なかった。
壁という壁を溶かしつつも追っ手を撒くために関係のない壁も溶かして廻り、元から迷路のような研究所を迷宮へと作り替えた。
やがて建物外と隔てる壁を溶かし外に脱出した。
「ここで奴らを撒くための策を行使するとするか」
『ラット』!
ここでドブネズミはラットの砲身を起こす力だけで飛び上がり壁を超えてまんまと脱出した。
ドブネズミはさらに距離を稼ぐため走りだした。
物陰から自らを観察する者がいるとも知らずに…
←━to be continued…/\┃
二話>> 303
のののののののののののののののののののののの
イギーをフレンズ化する人とかいそうだなーと思っていたら、虫食いがフレンズ化するとは…期待
補足
本作はクロスオーバーですので、ジョジョの奇妙な冒険の第四部に登場するスタンド使いのネズミについての知識を必要とします。
ドブネズミのスタンド・ラットの姿は特に頭に入れておいて欲しい情報です。
読まれる方で原作を知らないという方は解説をお読みください。
気づけていなくてすみません……
お詫びの気持ちを込めまして、一覧用説明のところでしばらく(更新があっても)タイトル名を書かせていただきます。
以後気をつけます……