悪魔と奇跡とハンターを 最終話
〈計画以上で計画通り〉
ヒグマ「傷が……治ってる……?」
クマデ「ああ、俺にはまだ魔力が残ってたもんだからな、魔装時のオプションだ」
心臓部に空いた穴がなくなっていた。
というか、疲労も傷も何もかもが治っていて、いつもより健康な状態になっている。
ドクター「魔装……先ほどより火力が増してるなら注意ものだな」
ヒグマ「クマデ……行けるか……?」
私が慎重に聞く、
なんせいつもなら、慎重に言わないと何も聞いてくれないから、
だけど、今は違った。
クマデ「するなら自分の心配をしろ、魔力に耐えれるかどうかもわからねぇからな」
ヒグマ「クマデ………フッ……わかったよ」
私は少しニヤつく。
ドクター「フレンズが耐えれない可能性を秘めている量………実に強大で恐ろしい響き。だが、三対一ではなく、一対一のタイマンだ。勝率は十分にある。いいだろう、かかってこい」
キンシコウ「そうはいきませんよ…」
ドクター「そうか……なら勝率を下げ………えぇ…(困惑)」
ヒグマ「キンシコウ!それにリカオン!」
クマデ「あれ?死んでたっけ?」
先ほどまで倒れていた二人が起き上がって来た。
毒牙「馬鹿者、理不尽なトマト野郎に置き去りにされてただけじゃ、ちゃんとこれも計画内」
如意棒「……まさかあのクマデと上級契約を果たすとは……」
リカオン「ドクター!見事なくらいに作戦にハマってくれて感謝してますよ!」
キンシコウ「ここからは私たちの番ですよ!!」
二人が私の方を見て頷く、
私は大声で言った。
ヒグマ「みんな!!今夜は食べ放題行くぞ!!」
キンシコウ「え?」
リカオン「ん?」
ドクター「は?」
ヒグマ「へ?」
しばらく沈黙が続く。
毒牙「フッ……最高じゃな!」
如意棒「そうしましょうか」
クマデ「プッ………ブハハハハハハハ!!!」
ヒグマ「な……なんだよ!!」
クマデ「こうなったらやけ食いだな。よっしゃ行くぞぉ!!!尼供!!!」
ハンター「おう!!」
【推定挿入歌・シリウス】
三人が一斉にドクターの元へ走り出す。
まず先にキンシコウが攻撃を加える。
ドクター「一度負けたにもかかわらずなぜ諦めが悪い!?」
その攻撃はドクターの手に防がれたが、
キンシコウ「何を言ってるんですか?私たちは諦めが悪いで評判なんですよ?そんな私たちを敵に回してとても不幸ですね、来世の先まで呪ってあげますよ」
手を弾き、片足で蹴り飛ばした。
ドクター「何をふざけたことを……ぐはっ!」
今度はリカオンが背中を思いっきり引っ掻く。
ドクター「鬱陶しい……!ふざけるなぁ!!」
ドクターがリカオンに対して手を前に出す。
が、何も起こらない
ドクター「な……何故だ!?セルリアンが……反応しない!?」
リカオン「どうやら作戦は成功のようですね」
ドクター「貴様!!私に何をした!!」
毒牙「毒だよ」
ドクター「毒ぅ!?」
毒牙「先程倒れていた時間はお前に効く毒を作ってたんじゃ、セルリアンとフレンズは対になる関係なら、フレンズの血液で作った毒がお前に効かないわけがない、だから、リカオンから大量の血液をもらっていたわけじゃ、つまり今のリカオンは…………」
リカオン「あとは……任せましたよ……」
バタンッ……
倒れた後ろから、私が走ってくる。
如意棒「本当はリカオンが倒れている間、キンシコウが時間を稼ぐ予定だったが、なんか急に飽きたとか言い出すからな……だがしかし!今のお前は……」
キンシコウ「さっきよりも弱い!罪滅ぼしのためにも!オーバーに!!」
ヒグマ&クマデ「ぶっ殺す!!!」
ドクター「うわっ!やめろ!!」
キンシコウがドクターの背後に立ち
キンシコウ「伸びろ!如意棒!!!」
ドクターの背中部分で如意棒を伸ばせ、ヒグマの方まで押して行く。
キンシコウ「ヒグマさん!今です!!」
私も迫ってくるドクターに対して、私も走り近く。
ガッ!!
ヒグマ「うおおおぉぉぉ!!ラァッ!!」
クマデが勢いよく当たり、弾いた。
ドクター「ぐぁはっ!!!」
如意棒は止まり、ドクターは倒れる。
辺りが静かになる。
息を切らす音だけが鳴り響き、
ヒグマ「勝ったの……か……?」
また沈黙が訪れる。
外の音か何かは知らないが、少しずつ、サイレンの音が近づいてきている。
キンシコウ「どうやら、勝利のようですね…」
サイレンの音が鼓膜を揺らす。
振り返ると救急車にパトカー、6台ほどあった。
・
あれから、ドクターは一応病院に搬送されたところ、まだ生きていたらしい。
定期的に毒を打ち込んで、牢屋に入れることが決められた。
(ジトの強い意志からこうなった)
ミカは一応、家なし子な訳だし、当分のないだ警察寮で私たちと一緒に暮らすことになった。
リカオンは貧血のため入院している。
そのため、食べ放題は行けなかったものの、退院したら食べに行くことを約束した。
そして、今
あれから4日が経つ。
ヒグマ「ところでクマデ、食べ放題ってどこがいい?」
クマデ「食べ放題ねぇ……和食さ○とか?」
ヒグマ「それ前行ったろ……」
クマデ「じゃあシュラ○コ」
ヒグマ「それ結構高いだろ……」
クマデ「えぇ……じゃあかっ○寿司」
ヒグマ「たしかに最近食べ放題になったけど……それ昼しかやってないから……」
クマデ「えぇ……ほかにどこあるんだよ……」
キンシコウ「焼肉キ○グとかでどうですか?安いし、いつでもやってますし」
ヒグマ「そうか、それでいいか」
クマデ「俺も文句なし!あそこはうまいぜ」
ヒグマ「え?味とかわかったの?てっきりわかんないと……」
クマデ「わかるわ!」
如意棒「まぁ、穴が開いて、そこに放り込むだけだからな、そう思うのもわかる」
ヒグマ「まぁいいや、じゃあキ○グに決定だな」
クマデ「文句なし!」
キンシコウ「大丈夫ですよ」
如意棒「構わないぞ」
今の生活は、前よりも楽しく、充実している。
それは首を締めてたあの灰がなくなったからか?
わからないが実に幸せだ。
警報のサイレンがなる。
ミカ「皆さん!セルリアンが!」
ヒグマ「おっと、仕事の時間かな?」
キンシコウ「行きましょうか」
如意棒「準備は満タンだ」
クマデ「よっしゃ!行くぞ!!」
一同「おーー!!!」
悪魔と奇跡とハンターを 完