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文藝誌 ジャパリ文學(SS総合投稿スレ) / 280

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亡き人 2018/07/30 (月) 16:44:59

ヒグマ「逃げてなるもの……かぁ……」

ドクター「ん?」

ヒグマ「こんな場所で……こんな死に方で……この【今】から……逃げてなるものかぁ……」

私は両手を広げる。
可能な限り、ビシッと
強く、大きく。

クマデ「ヒグマ…………お前……」

痛い
痛い。
触手が深く刺さってくる。
血が止まらない。

ヒグマ「ほら……まだ死んでないぞ……やれよ……もっとやれよぉ!!………足らねぇぞ?」

ドクター「やってる途中なんだけどなぁ……仕方ない、特大なのをくれてやる」

視界がぼんやりとした中でも、その大きな触手はくっきりと見える。

私は目を閉じニヤリと笑った。

まだ終わりじゃない……と、強く願い。

パッカァァァァァーーーン!!!!

何が……起きた……?
私はゆっくり目を開ける。

ハァァ!!お前……

ヒグマ「クマデ……?」

勝手に動いて、勝手に倒している。
ありえない光景。
驚きしかなかった。

クマデ「なんだよ…ヒグマ、お前めちゃくちゃかっこいいじゃねぇか……」

ヒグマ「え……?」

クマデ「俺を手に取れ、お前の首を締めてた灰を全部壊してやるから」

ヒグマ「でも……お前……」

私は怒ると思ってた。
手に取れって言ったのに一向に取らない自分を。
だが、違った。

クマデ「いま、お前がミカの手を取るために必要な手はあまりにも貧弱すぎる。だから、俺がお前の手になる。お前がお前の力で俺の手を使ってくれ、そして、アイツという恐怖を笑いに変えてしまえ。契約したろ?」

こんな……都合のいい時だけ契約とかいうのは悪い癖だ。
だが、悪くない。
私は両手で目の前のクマデを掴んだ。

クマデ「行くぞ……ヒグマ!!」

ヒグマ「……ああ……クマデ!!」

ドクター「なんだと……?」

私の周りを黒いオーラが包む
いつしかそれはうっすらと服のような形になっていった。

ヒグマ「魔装!!!!」

クマデ「邪熊ノ手(じゃくまのて)!!!!」

最終話へ続く……

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