悪魔と奇跡とハンターを 第11話
〈大間違い〉
響く銃声。
響くサイレン。
響くヘリの音。
ドクター「しっかし……名刺に電話番号と住所を書いたのは間違いだったようだなぁ……」
廃墟の中、漏れる空の光に手を重ねた。
パッカァーーン!!!
半角じゃ表せないほどに大きいセルリアンをハンターたちはバッタバッタ倒していった。
ドクター「あと何体でなくなるだろ……?あと……3体くらい?」
パッカ-ン
パッカ-ン
ドクター「やっぱ1体くらい」
前回から時間をおいて、一週間後。
ヒグマ率いる「チーム・ハンター」は、今もなお戦っている。
観察班「30メートル級……すごい大きさです!」
信号が入る。
ビルのようなデカさ。
少しばかし怖いような……
大量のヘリ、戦闘機をセルリアンが次々と飲み込んで行く。
ドクター「おお!!さすがだ!あれは手なずけるのが困難だったからなぁ……」
パァァッッカァァァァン!!!
ドクター「こいつは驚いた。あれをやっつけちまうとはなぁ……だ・け・ど……」
それを倒す頃にはヘリも戦闘機も、何もかもが飲み込まれ、ハンターぐらいしか残っていなかった。
倒したと同時に飲み込まれたものは解放されたものの、戦う気なんぞ残ってないかったのである。
ヒグマ「ミカ!!大丈夫か!?」
煙に包まれる森、
穴の空いた死体が地面を埋める。
ミカはその中に紛れ、倒れていた。
ミカ「大丈夫です……プロテクターが重くて……」
ヒグマ「よし……おぶってやるから…一気に行くぞ…!」
ミカに私が手を差し出す。
リカオン「ヒグマさーん!行きますよ!!」
ヒグマ「わかった!!」
ミカを背負い、私は例の場所へ行く。
走り、走り
こけることもなく、
先ほどの戦いで傷だらけだったが、
ドクター「あばーれあばーれ、あーばれーまくーれ」
ゲッダォォォォン!!
まるで歌詞に合わせるように廃墟の壁が壊れる。
ヒグマ「追い詰めたぞ……ドクター!!」
ドクター「なんだその言い方。まるで因縁の敵みたいじゃないか」
ヒグマ「たしかに一回くらいしか会ったことないけど!」
リカオン「たしかに一瞬見たくらいだけど!!」
キンシコウ「私に限っては会ったことすらないですけど!!!」
壁を破ったのはハンター三人。
逆光のおかげか光って見える。
ドクター「まぁ、来たということは決断は出来たということだな?」
ドクターが手を差し出す。
ヒグマ「ああ、ミカ、アレを出してくれ」
ミカがズボンのポケットからUSBを取り出した。
ドクター(あれ?USB?じゃあさっきのはなんだったの?)
ドクター「ほほぉ〜ん……自己防衛に入ったか…」
ミカ「違う!よく見ておけ!!この木偶の坊!!」
ドクター「んん?こんなキャラだっけ?…っておい!!」
ミカはUSBを落とし、自分の足で踏んづけた。
3回ほど地団駄を踏み、USBは再生不可能なところまでボロボロになっている。
ドクター「あ……あわわわ……あわわわわ」
ヒグマ「見たか!?これが私たちの決めた未来だ!殺すならどうぞお好きに」
ドクター「あわわわ……あわわわわ」
ヒグマ「なんなら、USBの残骸でもどーぞ」
ドクター「あわ……アハ……アハハハハハハ!!」
ヒグマ「ん……?」
ドクターは前髪をかきあげ、
ドクター「サイコーだよぉ!!お前らぁ……私の……私の期待しか裏切らないぃ!!!」
クマデ「失せろ!!攻撃が来る!」
太く、青い触手はハンターの方へまっすぐと……
第12話へ続く……