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文藝誌 ジャパリ文學(SS総合投稿スレ) / 259

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亡き人 2018/07/19 (木) 22:55:07

悪魔と奇跡とハンターを 第10話
〈ケセラセラ〉

ヒグマ「す……すみませんでした!!」

ロビーにて、私は頭を下げた。
何も話をしていないが、まずいことをしてしまったことには変わりない。

毒牙「いや……今回はクマデが悪いと、わしは推測しよう」

リカオン「ミカさんが、武器に引っ張られていたって言ってたっすよ」

クマデ「はぁ?だからなんだってんだよ」

如意棒「だからもクソも、まずいことになったと、言っているんだ」

キンシコウ「敵のアジトに乗り込むのはもう少し情報を手に入れてからです」

完璧にクマデが責められている。
本当は私が原因なのに……

ヒグマ「ちょ……ちょっと……」

その言葉を言い出せず……
恐怖がこみ上げてきた。

リカオン「アホ」

毒牙「カス」

キンシコウ「おバカさん」

如意棒「能無し」

クマデ「小学生かお主らは」

クマデばかり責められ、
私はそれを見ているだけ……
罪悪感しかないし、いい気分じゃない。
あんなに普段はいらない存在なのに

ヒグマ「ちょ……ちょっと待って!!!」

大声で私は待ったをかける。

一同「ん?」

ヒグマ「本当はな……」

一同「うん」

ヒグマ「これ全部私のせいなんだ……」

一同「へぇ…」

ヒグマ「だから!本当にすみませんでした!」

一同「要するにクマデのせいね」

ヒグマ「ファッ!?」

クマデ「ファッ!?」

ヒソヒソ
リカオン「ヒグマさんが……度重なるクマデのストレスのせいで……おかしなことを……」

毒牙「まさかクマデを庇ってるのか?何か弱みで握られているのか……」

ヒソヒソ
キンシコウ「これは間違いなく、クマデに騙されてますね……」

如意棒「あいつ……何で釣ったのか……?はちみつか……?」
ヒソヒソ

クマデ「こいつらどんだけ俺のこと嫌いなんだよ」

ヒグマ「い……いや……本当だから……」

毒牙「つかぬ事を聞くが……」

ヒグマ「は……はい……」

毒牙「もし、原因がお前なのだったら、なぜこのようなことを提案した?怒らないから正直に答えてくれんかのぉ」

正直……
恥ずかしいから嘘をつこうとは思ったものの、正直な答え以上に怒られなさそうな答えはなかった。

ヒグマ「その……ま……魔装が……したくて……」

一同「は?」

ヒグマ「ま……魔装がしたかったんだ!!かっこいいし!強そうだからぁ!!」

一同「たったそんだけ?」

私は頷いた。
顔はもう真っ赤。
こんな恥ずかしいこと……
するとみんなが笑い出す。
大声で、みんな、
もちろんクマデも。

毒牙「あはははは……お主のその子供みたいなところ……やはりクマデとは違うな!」

如意棒「ふふふ……これじゃ、大丈夫ですかね?」

ヒグマ「え?怒らないのか……?」

毒牙「当たり前じゃろ、怒らないといったからな」

如意棒「大丈夫ですよ。なるようになるさ」

クマデ「そうだぞヒグマ、気にすることじゃない」

毒牙&如意棒「オメェは黙ってろ」

クマデ「仰せのままにー」

またみんなが笑う。
私もつられて笑った。
あはは
あはは……

如意棒「まぁ、こうなったのがヒグマのせいであったのなら……」

ヒグマ「え?」

一同「ここから先はあなたの責任ですよ」

クマデ「おいおい、ヒグマ、お前ここから先はとか決めてないだろ、どうすんだよ」

私は黙る。
自然と仲間が大きく見えた。

ヒグマ「……もちろん、決まってるだろ……」

それはプレッシャーに近く、何も圧の感じない、不思議なものだった。

クマデ「なんだよ、めちゃくちゃ怒ってんやん」

第11話へ続く……

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