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文藝誌 ジャパリ文學(SS総合投稿スレ) / 254

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亡き人 2018/07/16 (月) 21:42:22

悪魔と奇跡とハンターを 第9話
〈噛み合わない破壊〉

森を抜けると、そこには廃墟のビルがあった。
光が漏れていて、幻想的な感じを出している。

クマデ「ここか………」

ヒグマ「ここだったんだ………」

想定していた数倍近かった。

クマデ「俺とお前ならいける!じゃあ行こうか!」

ヒグマ「……全く……調子がいいんだから……」

正直な話、このままいくことに対し、少しの罪悪感があった。
このまま行って、もし負けたら
あのボロボロな仲間たちは助けに来るだろうか
本当にこいつを信じていいのか
こんな勝手なことをして仲間は許してくれるのか

クマデ「大丈夫だって、安心しろよ」

ヒグマ「……まぁ、言い出しっぺは私だし……」

クマデ「なんだ?嫌なのかよ」

ヒグマ「まぁ、冷静に考えたら嫌だな」

クマデ「嫌じゃないならそんなこと言うな」

ヒグマ「嫌なんだよなぁ……」

私は呆れながらも前を向き、足を前に出した。
こいつを信用すれば、本当に魔装はできるのだろうか?
魔装なしで勝てるのだろうか?

クマデ「ヒグマ!後ろだ!後ろにいる!!」

ヒグマ「え?……ってうわわわわぁ!!」

クマデが勝手に動き、後ろにいると言っていた敵に攻撃を加えようとする。
私はとっさにしゃがみ、攻撃を回避した。

ガンッ!

それは明らかになにかを弾く音。
相手は移植体……?
うっすらと男の姿が見える

クマデ「お前は誰だ……?」

男「勝手に入ってきて、それはこっちのセリフだよ」

男はそれをクマデではなく私に言う。
私はクマデを指差す。

ヒグマ「あ…こっちです……」

男「はぁ?こっちは武器じゃないか」

男がクマデを見たところで私は思いっきり股間を殴った。
メリケンで、

男「グアッ!!ぶぐぅ!」

クマデ「ナイスだヒグマ!一気に行くぞ!」

私はクマデを手に取り

ヒグマ「バカ!逃げるんだよ!!」

クマデ「はぁ!?どうして!?」

私はクマデを持って逃げようとするが、クマデはその真逆の方向に進もうとする。

ヒグマ「あいつはまずいって!って!うわぁ!」

手が刃物のように鋭くなっていたのを私は見た
男は高くジャンプし、私の方へ斬りつけようとする。
私はとっさにクマデでガードした。

クマデ「痛い痛い!!なにするんじゃあ!!」

男「ガードしているだろ!!」

私は男をはじき返し、吹き飛ばした。

ヒグマ「こうなったら仕方ない……クマデ!魔装だ!」

クマデ「は?やだよ」

ヒグマ「えぇ……どうして……」

クマデ「お前いつも汗かいてんじゃん」

ヒグマ「はぁ?今に始まったことじゃないだろ……」

クマデ「それに汗くっさいし」

ヒグマ「お……お前!わ……私は女だぞ!!」

クマデ「俺も女だし!!!」

しばらくクマデと睨み合いをしていると

男「……フッ……フハハハハハハハ!!なんだ?お前?面白いぞぉ!」

一人笑い笑っている。
転げてしまいそう。
少しふらついているし、

男「紹介遅れた。私の名は政府非公認セルリアン研究財団【セルリアンズ】賢者称号所持者の………ドクタァーー……セルリアンッだぁ!!」

クマデ「溜めたしダッセェ名前」

ヒグマ「安直だなぁ……」

ドクター「先程お前は、私のことをまずい、と言ったな?それは正解だ。私を敵に回すことはオススメできない……ましてや、お前のようなフレンズには特にだ!なんせこの私の体内には13体ものセルリアンが移植している」

クマデ「だからなんだってんだよ」

ドクター「この私の顔に免じて許してやろうと思ったが、この私の存在および、この集団の存在がバレたのなら話は別だ。どうあがいても無駄だ、私を殺すか自分を殺すか、二択だが…どっちを選ぶ?」

クマデ「見ろよあいつ、少年漫画で序盤の方に死ぬやつみたい」

ドクターが指を二本立て、こちらにかざす。

ドクター「あ、もう一つ、渡辺の研究データを持ってきたら、殺すのはやめてやろう。もちろん、偽造や変な細工をした時点で死は確定だ」

ヒグマ「!?……なんでそれを知っている……」

ドクター「そんなもん簡単さぁ、お前の職業、そしてここの名前、我々の目的、最近の部下のヘマ、それらから推定するとこうなるわけ、ね?簡単でしょ?」

私は退き、逃げる体制に入る。

ドクター「そうか、それなら仕方ない」

目に見えない速度、私の方へ急接近する。
クマデでガードする暇もなかった。
死が私の脳をよぎる。

ガンッッ!!!

またもや弾く音……

クマデ「親方!空からリカオンが!!」

ヒグマ「り……リカオン!?」

それはリカオンだった。
彼女はドクターの腹部を殴り飛ばした。
リカオンはこっちにきて、

リカオン「ヒグマさん、これは正露丸の分ですよ……!」

毒牙「よくつかまっとけ!」

リカオンが右手を前に出すと、煙が勢いよく出た。
煙がなくなるとそこはもう、警察寮の近くだった。

ヒグマ「うわぁ!……え?ここは……」

リカオン「ヒグマさん、早く来てください。話があります」

魔装をしていたためか、怒っているのか怒ってないのかわからなかったが、ヒグマは怒っているに一票を入れた。

クマデ「あっちゃぁ……めんどくさいゾォ……」

第10話へ続く……

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