余談
サーバルとの一件から早、四週間がたった。
夕方になり、僕とサーバルは家にいた。
もう夕食の時間、二人は準備にかかる。
サーバル「かばんちゃん!電話だよー」
かばん「電話?誰だろう?」
スマートフォンを手に取り、電話の相手を確認する。
かばん「カコさん!?どうしたんだろう……?」
カコ、彼女は僕の友人
彼女は僕に動物、そしてフレンズ、そしてヒトを教えてくれた。
フレンズには、明確な成人や未成年というのは存在しないが、僕は今年で16歳
もちろん、フレンズとして生まれてからね
フレンズには[フレンズ社会検定]というものがあり、それをやることは義務付けられてる。
A+からDまで、ランクがつけられ、それによって就職できる職業や人生が決まる。
A+を取ったフレンズはまだ二人しかいない。
僕はその内の一人だった。
かばん「もしもし?カコさん?」
カコ「久しぶりだね、【ミライ】」
かばん「え………あっ!はい……」
カコ「プッ……かばんの方が良かった?」
かばん「いえ…はい、大丈夫です」
言い忘れていたが、僕の場合は特別だった。
フレンズ一人一人に戸籍がある。
フレンズは同じ種類がフレンズ化することは少ないこともあり、戸籍には動物名が記される。
だが、僕の場合はヒトであり、フレンズであるため、戸籍上の名前はヒトでない。
そう、それが【ミライ】だったんだ。
ヒトのフレンズは前代未聞、初めての出来事であったため、「人としての知識を持ち、未来に新たな歴史を作る」という意味で【ミライ】になった。
カコ「最近、お仕事はどう?」
かばん「え……?だ…大丈夫ですよ……」
カコ「……無理はしないでね」
かばん「大丈夫ですよ、今は」
カコ「え?何かあったの?」
かばん「いえ?何もないですよ。ところでカコさん、今何してるんですか?」
カコ「今?ああ、もちろん研究に専念してるよ、ジドって言う人と一緒にね」
かばん「え?ジド……」
カコ「知り合い?」
かばん「いや、知りませんね……」
あ、そうそう、言い忘れてたけど、かばんってのは名前が決まるまでのあだ名だったんだ。
だけどみんな名前が決まるまで時間があったから、こっちの名前が定着したみたい。
カコ「あと……」
かばん「え?」
カコ「近い将来……何かが起きる、その時はもしかしたらこの国の終わりかもしれない……」
かばん「あ………」
カコ「その時は、絶対逃げてね……絶対だからね」
かばん「…………」
カコ「ん?聴いてる?」
かばん「逃げませんよ……絶対……」
カコ「え!?なんで………?」
かばん「だって………守りたいものがありますから……」
カコ「……そう、そうか……だったら、少しあの人に聞いてみるね……今日そんだけだから」
かばん「……わかりました。」
僕は電話を切った。
サーバル「誰からだったー?」
かばん「んー?友達からだったよ」
僕は料理に取り掛かった。
今日が終わり、明日はどうな日になるだろうか?
楽しみであるが、
心配でもある。
明日は本当にあるのか……と、
だから、信じないといけない
自分の【野心】を
サーバル「ねぇ…?かばんちゃん……これってピーマン?」
かばん「大丈夫だよ、それはパプリカだから」
さぁ、明日はどうな日になるだろうか?
余談終わり。