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文藝誌 ジャパリ文學(SS総合投稿スレ) / 206

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亡き人 2018/06/25 (月) 23:50:47

悪魔と奇跡とハンターを 第1話
〈事故契約〉

(推定OP・シリウス)

それは実に偶然で事故だった。
まず、君たちは「悪魔」の存在を信じるだろうか?
無論、私自身も信じてはいなかった。
だが、これは過去の話。
今は………

《少女「助けて!ヒグマ!お願い!!」

業火の中、私を呼ぶ声がする。

ヒグマ「じ……時間が……もう……でも!」

救助隊「やめろ!早く逃げるんだ!ここは危ない!!」

涙を流し、手を伸ばしてるのが見えた。
私に対して、

ヒグマ「ふざけるな!あの子を見殺しにするのか!!??」

救助隊「大丈夫だ!!あの子は必ず助け出す!だから早く避難しろ!!」

少女「助けて!!助けて!!」

私は指示に従い、救助ヘリに乗った。
救助隊を信じて、助けてくれると……

私は見た。
灰になった少女の姿を、
涙を流し悔いやむ親の姿を、
そして感じた。
その灰が私の首を絞めていることに。》

ヒグマ「はぁっ!!……はぁ……はぁ……」

夢……か……

???「だ……大丈夫か!?ヒグマ!?」

声がする。
ここは警察寮、私だけの部屋。
とりあえず話を戻そう。
多分だが皆、悪魔の存在を信じてないと思う。
だが私の目の前には悪魔ではないが、
魔具
つまり悪魔の力が込められた武器がある。
私はそれを使っている。
勿論だが、これは警察から配布されたものではない。
少し前、リカオンの専用の武器?プロテクターみたいなものを買いに行った時、怪しい店に立ち寄ったんだ。

そこでは私たちが使ってる武器に似たようなものがあり。
私たちがその武器を手に取った瞬間、私たちは外に出ていた。
店も消えていて、だけど武器は持ってる。
そしてそれがたまたま魔具だったわけ……
私が取ったのはクマデという魔具だったらしい。

ヒグマ「ああ、クマデか……なんでもない」

無論、こいつは喋る。

クマデ「変な夢でも見たのか?水でも飲んで気分を落ち着かせろ。さもないと俺がねれない」

そしてこいつは性別上、女らしい。
(女には見えないぞ……)

ヒグマ「あってるけど…水はいい」

クマデ「そうか、ならさっさと寝ろ。明日も仕事なんだろ?俺もあんたといっしょに行動しなきゃならんのだから、俺のことも配慮しろバカ」

ヒグマ「はいはい……」

こいつ、博士たちよりタチが悪い。

クマデ「あんたが起きたら俺も起きるし、あんたが疲れたら俺も疲れるんだよ。全く、こんな出来損ないと契約した俺がバカみたいじゃないか」

凄いくらいこっちのセリフ。
ちなみに契約をしたのは私からじゃない。
あっちからだ。
手に取った瞬間に契約だってよ。
もはや事故、ただの事故だよこんなの。
こいつも自分の心配しかしないクズ……ドクズ…

クマデ「はーやーくー!!寝ーろー!!!」

ヒグマ「わかったから!!」

私たちハンターの3人が取った魔具の中で一番クソ。
ていうかリカオンとかキンシコウの魔具なんざおしゃべり相手になってくれる。
家事を手伝ってくれたりもする。

布団に横たわった私はそっと目を閉じた。
疲れてるし、怒ってはいたがすぐ寝れた。
クマデは壁に立てかかっている。
起きてるのがバレなかったらこいつを折って捨ててやるのに、

今の生活が嫌いだ。
だけど自殺をしてはならない。
どんなに苦しくても、
あの時の…あの夢の痛みが消えるまで。

第2話へ続く……

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