未確認なスーパーヒーロー 後日談
〈共食い〉
スナネコが死んでから3週間が過ぎた。
俺は病院を退院し、清々しい毎日を送っている。
いや、実際はそう行かなかった。
あまりの残念さに俺は少しの間、幻覚症状に悩まされ、精神科にもお世話になってたもんだ。
お陰で今はそこまで辛くなくなった。
今日は久々に表町に行こうと思う。
なんせ職を失ったからな……
職探しとお買い物。
たまには自炊しないとな、
それとスナネコの遺体は研究のため引き渡されたんだって、
かの有名な(カコ)って言う博士にな。
それはいいとして、ゴーストタウンから表町に行くためには長い細道を通らなければならない。
ほんと長ーい。
曲がりくねってるからね。
軽く100mはあるんじゃないかな?
ただ今道に入りましたー……
ツチノコ「気……つけないとな……強姦なんざされちまったらたまったもんじゃない」
そう、いくら表町への道とはいえ、ね?
いるんだよそう言うやつ。
?……
何かいる。
小さな女の子がちょこんと向こうを向いて何か……
ガキャリ……
何か食べている!?
服装は白衣……
そして頭になんかピラピラとしたものが乗ってる。
セルリアン?
いや……分からん……もしかしたら最近の女子の変なコーデなのかもしれない……
グキャ……
音が止んだ……
???「そこの君……」
ツチノコ「!?……な…なんだ……?」
その子が後ろを向く…
怖くて汗が出る。
食べてた。
食べてたんだ。
セルリアンを……!
ツチノコ「は!……ヴァァァ!!」
???「人の顔を見てそんなになるかね……?」
ツチノコ「だ……だって……お前!!??」
???「ん?これかい?」
その子は立ち上がり、俺に食べていたセルリアンを見せる。
コアを何度かかじられた跡……そして目ん玉が無残に食べられていた……
ツチノコ「なんなんだよ!!お前!!」
???「僕のことかい?これはね、ちょっとお腹が空いたから食べたんだよ……
そこらへんの奴だからそんなに美味しくないがおやつ程度なら……」
…………
???「僕の名前を知りたいかい?」
ツチノコ「……し……知りたい……です……」
俺は思わず敬語になる。
???「僕の名前はね……」
震えが止まらない。
アークセルリアン「《アークセルリアン》って言うんだ」
セルリアン、その単語を聞いた途端。
俺は叫びながらゴーストタウンの方へ走っていった。
アークセルリアン「全く……うるさいフレンズだねぇ……」
全ての最後へ続く……