フェネックが裏に行くとシートで被せられたなにかがあった。
ギンギツネはシートをめくった。それは1944年型の軍用ケッテンクラートだった。ボディーカラーは少しシ
ルバーに近い色だった。
フェネック「これはなに?」
ギンギツネ「それが、私にも分からないんだわ···。倉庫の掃除をしていたら裏の小さい倉庫にあったの。」
フェネック「へぇ~。」
ギンギツネ「前にイスがあるから多分そこで操縦するのだと思うわ。一回乗ってみてよ。」
フェネックは少し登って操縦席に座った。
ギンギツネ「どう?」
フェネック「う~ん···痛くもないし普通の座り心地だね。」
ギンギツネ「そう、ならよかったわ。」
フェネック「ところでこの鍵を差し込む所はどこなの?」
ギンギツネ「少し真下を見ると差し込む所があるはずだわ。」
フェネックは下を見て眼で見て探した。確かにあった。
フェネック「あったー。」
ギンギツネ「じゃあ動かしてみて。」
フェネック「はいはーい。(ガチャ)」
シュトトトトト、ドゴドゴドゴ··。エンジンがかかった。随分と放置されていたわりには一発で動いた。
フェネック「この棒でバックしたり進んだりするのかな。(ゴトッ)」
レバーを動かしたがケッテンクラートはびくともしなかった。
ギンギツネ「動かないわね···」
フェネック「あれ?足元になにかあるけどこれはペダルかな?(グィッ)」
ドゴォン!··ただたにエンジンが吹かして唸るだけだった。
フェネック「あれー···おかしいな~···」
キタキツネ「ハンドルに付いている黒いのを捻るんだよ。」
フェネック「なるほどー」
捻るとケッテンクラートは前に進んだ。
フェネック「おおー!動いたー!」
ギンギツネ「どこでその操作方法を知ったの?!」
キタキツネ「まんがで呼んだんだよ。」
ギンギツネ「貴方って本読むんだ··。」
キタキツネ「ギンギツネが知らないだけだよ。ゲームの休憩時間とかに読んでるんだよ。」
ギンギツネ「そ、そうなんだ··」
フェネック「なんとなく動かし方が分かったよ。」
ギンギツネ「それはよかったわ。」
キタキツネ「あと荷台に箱とらいふると左右にラックを付ければ完璧だよ。」
ギンギツネ「それは漫画の中ででしょ!」