episode1おまけ
タイリクオオカミの怖い話
タイ「さて…今回のお話は引っ込み思案な女の子と、少し意地悪な女の子の話だよ」
『あるところに、人見知りの激しい女の子と、よくその子に意地悪をしてしまう女の子がいました』
『今回は人見知りの多い子をA、意地悪な子をIとしようか』
『その2人には共通の知り合いで、面倒見が良い頼れるお姉さんのような人がいました』
『その人はTとしよう』
『IはTを心から慕っていましたが、Tは周りとうまく馴染めないAのことを心配し、AもTにばかり頼ってしまうようになりました』
『無論、IはそんなAのことを良く見るはずはありませんでした』
『次第に、IはAに陰湿な嫌がらせをするようになりました。心無い言葉もかけたりこともありました』
『とうとう耐えきれなくなったAは、なんとビルの屋上から身を投げてしまいました』
『もともと暗い性格だったし、Iは自分には関係無いと無視していました 』
『しかし、ある日の夜のことでした』
『Iは夜中に奇妙なうめき声がすることに気がつきました』
『最初のうちは空耳ではないかと思っていたものの、その声は日に日にハッキリと聞こえるようになりました』
『そしてそのうち、そのうめき声がAの声であることに気付きました』
『Iは知人を呼んで真偽を確かめてみるものの、I以外の者にはその声は聞こえませんでした』
『それどことか、Iはどこで夜を迎えてもその声が聞こえるようになっていきます』
『Iは肉体的にも精神的にも疲弊していきました』
『ある日、Iは夢を見ました』
『真っ暗な空間にろうそくが1本だけ立っており、それが突然消えたかと思うと、後ろからAが恨めしそうに囁いてきます』
『「なんで…なんで…!」』
『AがIの首に両手を伸ばした瞬間、Iは突然目を覚ましました』
『不思議なことに、朝鏡を見たIの首元には赤い跡が付いていました』
『それからは次々と奇妙なことが続きました』
『Aは毎晩のように夢の中に出てくるようになるようになりました』
『そしてとうとう、日中にAの幻覚まで見るようになってしまいました』
『Iの精神は崩壊寸前でした』
『意識朦朧とし…彼女が気づいたときには、ビルの屋上に立っていました』
『フラフラとした足取りで柵を乗り越え…そしてIが最後に聞いた声は優しく囁くAの声でした』
『「今度は“こっちで”仲良くなりましょうね?」』
※このお話はフィクションです
イタリアオオカミともアードウルフとも一切関係がございません
タイ「っていうお話…どうだった?」
イタリアオオカミ「…」ブクブクブク
タイ「あらら、泡吹いて気絶しちゃってる…さ、スケッチスケッチっと」