キングコブラ「ポーズを変えてみるのはどうだ?」
ミナミコアリクイ「え、この威嚇の?」バッ
キングコブラ「あぁ。そもそもなんでそんなポーズをとるんだ?」
ミナミコアリクイ「これはね、両腕を広げて体を大きくみせてるんだよ」ググ
キングコブラ「なるほど……ハッ!」ピコン
キングコブラ「なら腕だけじゃなく両足も広げて、もっと大きくみせてみろ」
ミナミコアリクイ「足も…こんな感じ?」バッ
キングコブラ「横に開くとその分縦に小さく見えるな…つま先立ちでカバーできないか?」
ミナミコアリクイ「えっと…つま先立ち…」グィ スッ
キングコブラ「今腕が下がったぞ、腕は高さを維持しろ!」
ミナミコアリクイ「う、うん!腕…つま先…」
キングコブラ「すこし前のめりになってるな。胸を張ってもっと大きくみせるんだ」
ミナミコアリクイ「うぐぐ…胸を張って…腕は上げて…そしてつま先…」
-<ピキーンッ>ー
ミナミコアリクイ「あsdhふぃあshdぎ!!??」
キングコブラ「うおっ!?」
ミナミコアリクイ(あ、足が…つった…)
キングコブラ「いいぞ!今のうなり声凄くいい!私としたことが少し驚いてしまった!」
ミナミコアリクイ「ぃ、ぃゃ…今のは…」ピクピク
キングコブラ「もう一回やってみてくれ!胸を張って、腕を広げて足を…」
ミナミコアリクイ「ま、まってー!(泣)」
ミナミコアリクイ「はぁ…はぁ…」
キングコブラ「すまない…大丈夫か?」
ミナミコアリクイ「うん、大丈夫…威嚇って難しいなぁ…」
キングコブラ「まったくだ。やはりここはとぐろを巻くしか…」
ミナミコアリクイ「とぐろは違うと思…」
ジャガー「……アリクイに、コブラ?」
ミナミコアリクイ「わぁっ!?」
キングコブラ「その声は、ジャガーか」
ジャガー「変な声が聞こえたから来たんだけど…なにしてるの?」
キングコブラ「アリクイの威嚇練習をしてたところだ。さっきのはその賜物だ」
ジャガー「なんで威嚇の練習であんな声が…」
ミナミコアリクイ「…///」カァァ
キングコブラ「ちょうどいい。ジャガー、お前の声を参考にしたいんだが、吠え声やうなり声をあげてみてくれ」
ジャガー「えぇっ?突然そんなこと…」
キングコブラ「ダメか?」
ミナミコアリクイ「お、お願い!」
ジャガー「そ、そこまで言うならやってみるけど…この体になってやったことないから、うまくできないよ?」
キングコブラ「あぁ、かまわない」
ミナミコアリクイ「ありがとう!」
ジャガー「それじゃあ…」スゥ
キングコブラ「まて、どうせならアリクイと同じ威嚇ポーズを取ってやってみてくれ」
ミナミコアリクイ「こうだよ!」バッ
ジャガー「ポーズまで!?」
ジャガー「こ、このポーズは…なんかちょっと恥ずかしいぞ…」ググ
ミナミコアリクイ(あたしのポーズってこんな感じなんだ…)
キングコブラ「よし、その調子だ。そのまま唸り声をあげてみてくれ」
ジャガー「う、うなり声…」スゥ
ジャガー『グルル…』
キングコブラ「……」
ミナミコアリクイ「……」
キングコブラ「…フフッ」プルプル
ミナミコアリクイ「ウフ…フフフ…」プルプル
ジャガー「えっ、なんで笑って!?」
キングコブラ「す、すまない…そのポーズから本格的なうなり声がでるとちょっと…ククク…」
ミナミコアリクイ「なんか…おかしくて…フフフ…」
ジャガー「でも笑うなよなー///」カァァ
キングコブラ「はぁ…はぁ…すまない。しかしうなり声は良かった。さすがはジャガーだ」
ミナミコアリクイ「うんうん!食べられるかと思ったよ!」
ジャガー「へへーん、まぁこんなもんよ」
キングコブラ「アリクイ、ジャガーのうなり声参考にできそうか?」
ミナミコアリクイ「うん!ちょっとやってみる!」
ミナミコアリクイ(さっきのジャガーを思い出して……)
ミナミコアリクイ「ぐるるっフフフ…」
ジャガー「ちょ、ちょっと!?」
ミナミコアリクイ「ご、ごめん、こっちの印象が強すぎて…フフフフ」
キングコブラ「仕方ない、ジャガーもういっかい、」
ジャガー「しないっ!」
キングコブラ「しまった…せっかくのうなり声を台無しにしてしまった…」
ミナミコアリクイ「怖かったのに…」
ジャガー「いや、凄い笑ってたけど…」
キングコブラ「ジャガー、他に怖い声をだせるような奴を知らないか?」
ジャガー「うーん……あっ」
ジャガー「怖い声というか、すごい声をだせる子なら知ってるよ」
キングコブラ「すごい声?気になるな」
ミナミコアリクイ「誰だろう」
ジャガー「トキっていう子なんだけど、その姿からは想像もできないくらい大きな声をだすらしいんだ」
キングコブラ「へぇ、そいつはどこにいるんだ?」
ジャガー「この山の頂上だよ」ビシッ
【山】
キングコブラ「なっ!?」
ミナミコアリクイ「ええ!?高いよ!」
キングコブラ「クッ…地道に登れば…なんとかなるか…?」
ミナミコアリクイ「登るのコブラ!?こんな高いのに!?」
キングコブラ「一度受けた依頼は完遂する。アリクイ、お前からの依頼は絶対にやめたりしない」
ミナミコアリクイ「コブラ…」
ジャガー「登るなら、ちょうどいいのがあるけど」
キングコブラ「あぁ、分かってる…ジャガー、頼む」
ジャガー「いや、私じゃなくて…川専門だし…」
~ 山の頂上 ~
キーコ キーコ キーコ…
キングコブラ「ふぅ、ついた…ろーぷうぇいだっけ…?便利だなこれ」
ミナミコアリクイ「ありがとうコブラ!疲れてない?」
キングコブラ「これくらいお安い御用だ。まかせておけ」
ミナミコアリクイ「頼りになるなぁ」
キングコブラ「ジャガーの話だとあの建物にトキがいるらしい。いくぞ、足元に気をつぉあっ!?」ガクッ
ミナミコアリクイ「コブラッ!?」
キングコブラ「す、すまん…ちょっと力が抜けただけだ…」
ミナミコアリクイ「そっか…立てそう?」
キングコブラ「あぁ、大丈夫だ…」スクッ
ミナミコアリクイ(足が震えてる…やっぱりここまでで疲れちゃったのかな…)
ミナミコアリクイ「疲れてるでしょ?帰りはあたしにまかせて!」
キングコブラ「いやまて、疲れてなんか」
ミナミコアリクイ「足震えてるよ?あたしにさせて!お願い!」
キングコブラ「…まぁ…そこまでいうなら…」
ミナミコアリクイ「よし!帰りはゆっくり休んでね!」
キングコブラ「あぁ(力が抜けた理由が、”高くてちょっと怖かったから”なんて言えない…)」