キタキツネ「人間性を捧げるんだよ」
キタキツネ「ギンギツネ、これ持って」スッ
ギンギツネ「……?なによこれ?」パシ
ラッキービースト「録画ヲ始メルヨ」ピコン
ギンギツネ「え?」
キタキツネ「じゃあこれからギンギツネがゲームを始めるね…」
ギンギツネ「えっ?ええ!?」
キタキツネ「ほら早く。もうゲーム始まってるから…」
ギンギツネ「なになに!?どうすればいいの!?」カチャカチャ
キタキツネ「人間性を捧げるんだよ」
ギンギツネ「ワケわかんないわよ!」
キタキツネ「おちついてギンギツネ…まずは鍵を取って」
ギンギツネ「鍵?」
キタキツネ「そう鍵…今牢屋の中にいるから…」
ギンギツネ「なんで牢屋の中にいるの?悪いことしたのかしら?」
キタキツネ「そういう設定だから…鍵をとって牢屋からでて冒険するんだ…」
ギンギツネ「え、でも勝手に出ちゃったら怒られるんじゃない?」
キタキツネ「じゃあずっとこの牢屋の中でだらだらする?」
ギンギツネ「それも嫌ね…。えっと鍵……はどこにあるの?」
キタキツネ「ギンギツネの後ろ」
ギンギツネ「後ろ?」プイッ
キタキツネ「じゃなくてゲームの…」
ギンギツネ「あぁゲームの話ね…ええっと……」ポチポチ
キャラクター『……』
ギンギツネ「動かないわよ?壊れちゃった?」
キタキツネ「押してるボタンが違うよ。そのスティックを動かすの…」
ギンギツネ「スティック……これ?」クルン
キャラクター『( <※> A <※> )』ズンッ
ギンギツネ「きゃあっ!?」ビクウッ
キタキツネ「これホラーゲームじゃない……」
ギンギツネ「ここここっちを見てるわよ!?」
キタキツネ「違うよ…ギンギツネの操作でこっち向いただけ」
ギンギツネ「そ、そうなの?これが生きてるってわけじゃなくて?」
キタキツネ「ゲームだもん、生きてるとか死んでるとかないよ…だから安心して…」
ギンギツネ「ふぅ…それなら良かった…。というより、もうちょっと可愛いキャラクターにしてくれてもいいじゃない…」
キタキツネ「可愛くしたつもりだもん…でも今は訳あってこの状態なの…」
ギンギツネ「あ、本当の姿は可愛いんだ。なんでこうなってるの?」
キタキツネ「死んでるから…」
ギンギツネ「生きてるとか死んでるとかないんじゃないの!?」
キタキツネ「そういう設定だから気にしないで。それより早く進めて…」
ギンギツネ「わ、分かったわ……なにするんだっけ?」
キタキツネ「鍵を取ってここから出るの…」
ギンギツネ「ああ、そうだったわ…ええっと……」
キタキツネ「左スティックでキャラクターが動いて、右スティックで視点が動く…」
ギンギツネ「ややこしいわね…」カチャカチャ
キャラクター『……』テクテク
ギンギツネ「あ!動いた!……でもこれ、やりにくくない?」カチャカチャ
キタキツネ「左手も使っていいんだよ…」
ギンギツネ「あ、左手使うと大分楽ね!」カチャカチャ
キタキツネ「コントローラの持ち方にも慣れてきたね…」
ギンギツネ「鍵…鍵…」
キャラクター『……』キョロキョロ
ギンギツネ「…ないわよ?」
キタキツネ「あるよぉ…その白く光ってるやつ…」
ギンギツネ「あ、これ鍵なの?」
キタキツネ「そうだよ、アイテムはこうやって表示されるんだよ…」
ギンギツネ「雪玉が浮いてるのかと思ってた…」
キタキツネ「そんなわけない…ここ牢屋の中だし…」
ギンギツネ「言われてみれば確かに……えっと、これを取ればいいのね」ポチ
キャラクター『っ!』コロンッ
ギンギツネ「ええ!?突然転がりだしたわよ!?」
キタキツネ「雪じゃないってば…頭突っ込もうとしちゃだめだよ…」
ギンギツネ「ち、違っ!そういうわけじゃ!」
ギンギツネ「なんで突然転がりだしたのかしら…」
キタキツネ「ボタンを押し間違えたからだよ…×のボタンで転がる…」
ギンギツネ「×のボタンを押すと転がるのね…えっと、じゃあ鍵を取るにはどうしたらいいの?」
キタキツネ「〇のボタン」
ギンギツネ「丸…丸…これね」ポチ
【地下牢の鍵 1】
ギンギツネ「なにかでてきたわ」
キタキツネ「アイテムを取るとこうやって表示される…」
ギンギツネ「でも…なんて書いてあるか全然わからないわね…」
ラッキービースト「地下牢ノ鍵、ダネ」
ギンギツネ「わぁ!?ボスッ!?」ビクッ
キタキツネ「最初からいるよ…?」
ギンギツネ「いや…いきなりしゃべりだしたからつい…」
キタキツネ「こーゆうのがでてくるとボスが教えてくれる…」
ギンギツネ「それは助かるわ!ねぇボス、鍵を取ったら次はどうすればいい?」
ラッキービースト「……」
ギンギツネ「あ、こっちからの質問には答えてくれないのね…」
キタキツネ「進め方はボクが教えるから、とりあえずそこの扉からでて…」
ギンギツネ「わかったわ、えーと……」ジー
キタキツネ「〇ボタンで拾った鍵が使える」
ギンギツネ「ありがとう」ポチ
【地下牢の鍵を使いました】
ガチャ……
ギンギツネ「うわっ、不気味な通路…せっかく牢屋からでれたのに…」
キタキツネ「この通路は一本道だからそのまま進んで…それと床にあるオレンジで〇ボタンを押すとメッセージが見れるよ…」
ギンギツネ「床のオレンジってこれのこと?」ポチ
メッセージ[ 右スティック:カメラ操作 ]
ラッキービースト「地下牢ノ鍵ヲ使ッタヨ」
ギンギツネ「え?鍵って今使ったの?」
キタキツネ「ボスがちょっと遅い…」
ラッキービースト「右ノスティックデ カメラ操作ガデキルヨ」
キタキツネ「多分今のがメッセージの内容…」
ギンギツネ「あれ?さっきキタキツネが同じ事言ってなかった?」
キタキツネ「最初だから床に操作を教えてくれるメッセージがあるんだよ」
ギンギツネ「親切ね。私達読めないけど…」
キタキツネ「とりあえず先に進んで…この通路をまっすぐ」
ギンギツネ「あ、待って。その前に…」カチャカチャ
キャラクター「……」ウロウロ
キタキツネ「…なにしてるの?」
ギンギツネ「暗いから、明かりのスイッチを探してるの」
キタキツネ「あるわけない…」
ギンギツネ「ええ!?ないの!?」
キタキツネ「松明で我慢して…」
ギンギツネ「火はちょっと…」
キタキツネ「ゲームだから大丈夫…ほら進んで」
ギンギツネ「わかったわよぉ…」カチャ
キャラクター『……』テクテク
攻撃してこない敵『………』
ギンギツネ{ネェチョット ムコウニ誰カイルワヨ?}ヒソヒソ
キタキツネ「なんで小声なの…?」
リサイクル用