ギンギツネ
「どれだけリストを繰ってみても、対戦記録が見つからない。
つまりこの抗原は『新型』だわ。
コウタイジャーを作るには時間が必要よ」
リカオン
「そんな… ウィルスリアンの侵攻が進んで重症化してしまいます」
アライ
「なにぃっ!? フェネックが… 肺には、まだフェネックがいるのだ!」
ハシ
「待て、お前が行っても足手まといになるだけだ!」
ミーア
「そうですわ」
マイルカ
「ここは『免疫細胞』を信じようよ」
アライ
「ぐにゅにゅ~
・・・分かったのだ… 取り乱したりしてごめんなさいなのだ」
ドール
「やっぱり心配…だよね」 チラッ
~リンパ節~
ギンギツネ
「しょうがないじゃなぁい。 無いものは無いんだからぁ!
とにかく今は貪食細胞ちゃんたちに頑張ってもらって・・・
ちゃんと炎症物質(サイトカイン)は分泌して誘導しておいてくれた?」
リカオン
「はい」
ギンギツネ
「私も脳に救援信号(サイトカイン:ここでは伝令)を発信するわ」
オイナリサマ(樹状細胞)
「話は聞かせてもらったわ。
総員第一種戦闘配置! 手が空いた白血球を緊急招集するのよ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~大脳辺縁系~
視床下部・脳下垂体
博士「それでは『ヤシマ作戦』を開始します」
助手「!? 大丈夫なのですか? えゔぁのパクリみたいですけど・・・」
博士「運動機能は必要ありません」
助手「小脳への電源カット」
隊長「体がだるい、足元がフラフラする…」
博士「大脳新皮質による高次元思考も必要ありません」
助手「省エネモードに切り替え!」
隊長「頭がボーっとする…」
博士
「胃腸の消化機能も極限まで落とすのです」
隊長「食欲が湧かない…」
助手
「博士!? さすがにそれは やり過ぎでは?
栄養が入ってきませんよ?」
博士
「食べたものを消化→吸収していたのでは間に合わないのです。
体中の電力を免疫系に集めて第5使徒ラミエルアンを撃破するのです」
助手
「やっぱり『えゔぁのパクリ』やん!」
博士
「体内に貯蔵しておいたグリコーゲンや脂肪を分解。
白血球(貪食細胞・T細胞・B細胞など)の製造に回すのです」
助手
「こうなったら開き直るしかないのです。
体温を38~40℃に設定。 そのまま維持!
ウィルスの増殖を少しでも足止めするのです」
オーロックス(筋肉)
「うおぉーー! 気合だ、気合いだーー!」
博士
「ウィルスは平熱で一番増殖力が高まり、高熱になると増殖能力が弱まるのです。
ウィルス=スズメバチ、ヒト=ミツバチに例えると分かりやすいでしょう」
助手
「汗をかくと風邪が治るというのは迷信。
発熱→上がり過ぎる体温を下げるために発汗
→免疫系の働きにより病気が治る→発熱の必要が無くなる、だけなのです。
博士
「同様に、不快とされる『症状』は、病気が引き起こすものではなく、
病気に対抗するために『体が作り出している』と言えるのです。
高熱が続き過ぎるのは問題だが、早すぎる解熱剤投与は逆効果の場合があるので注意するのです」
助手
「因果関係を間違えて覚えると、かえって寿命を縮めかねないのです」
ギンギツネ
「やった!
やっと出来たわ。 名付けてコウタイジャーブルーXZ!」
リカオン
「相変わらずのネーミングセンスぇ…」
オイナリサマ(樹状細胞)
「ほんとにね…
まあいいわ。 セルリアンをぱっかーん!するわよ」
リカオン
「オーダー了解です」( ̄ ^ ̄)ゞ
オイナリサマ
「さあ、ギンギツネ、変身よ!」
ギンギツネはヘルパーT細胞とキラーT細胞に分化した。
キンシコウ(ヘルパーT細胞)は髪を数本抜くと息を吹きかける。
それらはたくさんのキンシコウになり、同時にリカオンも増員する。
オイナリサマ
「セルリアンハンター出撃!」
ヒグマ(キラーT細胞) キンシコウ(ヘルパーT細胞) リカオン(B細胞)
「了解!」 ( ̄ ^ ̄)ゞ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~患部~
リカオンとキンシコウは「コウタイジャーレッドA1」を使い、ウィルスリアンの動きを止める。
そこにパフィン&サーバル(貪食細胞)が飛び掛かり、食べ尽くす。
一方のヒグマは、ウィルスリアンに乗っ取られた細胞を次々に破壊する。
そこにもパフィンとサーバルが群がり、食べ尽くす。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~大脳辺縁系~
助手
「博士、大変です。 患部での戦力が足りません。
パフォーマンスも落ちてます」
博士
「うーむ… ではこうしましょう。
一旦、微熱まで下げ、栄養を取らせるのです」
助手
「非常事態宣言解除! 但し警戒態勢は崩すな!」
隊長
「お腹空いた…」
ドール
「あ、何か食べますか?」
マイルカ
「ジャパリまんでいいかな?」
ミーア
「もっと消化のいいものになさい。 お粥とか…」
隊長
「熱も下がったし、仕事に戻るよ」
ドール
「ダメです! まだ微熱が残ってるじゃないですか」
ミーア
「そうですわ。 今は完治するまで寝てるのが仕事です」
マイルカ
「持ってきたよぉ!
アライさんがジャパリまんを洗って、ぐっちゃぐちゃにしてくれたの」
アライ (`・∀・´)エッヘン!!
ドール・ミーア「・・・」
隊長「ありがと…」
ハシ
「食べやすそうではあるが、食欲は失くすな…」
アミメ
「あの手際… ヤギね!」
再び熾烈な戦いが再開され、やがて・・・
チベスナ(サプレッサーT細胞)
「そろそろ攻撃をヤメてもいいと思いますよ」
見ると、被害は甚大だがウィルスはほとんど片付いていた。
ヒグマ
「その…ようだな・・・ では、撤収…」
キンシコウ
「はぁ、はぁ… 後は・・・よろしくお願いしますね…」
リカオン
「オーダー・・・了解です。
では抗原提示を解消。
通常パトロールに戻りますね…」
サーバル
「いやぁ大変だった、ねぇ…」
パフィン
「ひょいぱく」
喉粘膜では痰、鼻粘膜では鼻ksとして、
沢山のブタが外に運び出そうとしていた・・・
隊長
「いやぁ心配かけたね…」
マイルカ
「隊長が元気になったぁ! わっふーい!」
ドール
「もう! 心配したんですよ!」
ミーア
「まったく… これに懲りたら健康的な生活を心掛けることですわ」
ハシ
「やつれたな」
アライ
「それでも無事で良かったのだ」
アミメ
「ヤギのおかげね!」
このSSシリーズは言わずと知れた『新型コロナ騒動』を念頭において書き始めました。
基礎知識だけでも覚えて帰って下さい。 (サンドウィッチマン風)
「新型」と言うと「未知」であることは確かで、不安に感じるのも仕方ありませんが、
「ワクチンが無い」「体内に抗体が出来ていない」だけで「不治の病」という訳ではありません。
フェイクニュースやデマには踊らされないようにしましょう。
アビガンというインフルエンザ薬が新型コロナにも効果があるかも? ーという情報があります。
タミフルもそうですが、ウィルスそのものに作用する訳ではなく、
あくまで「増殖を抑える」のであって、最後は免疫細胞による貪食が不可欠と言えます。
たまたま今回は新型コロナが特段の注目を浴びていますが、
病気は他にも沢山あって、目に見えないだけで
体はいつもそのリスクにさらされ続けているのが日常です。
どんな病気も罹らないに越したことはありませんが、もし罹ったとしても軽症で済むように、
完全排除(のけもの)ではなく、共存(リスクを抱えて生きる)を考え、
免疫力・体力の維持に努めることが一人一人に出来ること、ではないでしょうか。
病気と言う文字の示す通り『病は気から』
そういう意味でも「気の持ち方」は重要です。
[喜怒哀楽]
哀・・・落ち込んでいたり、気持ちがふさがっていると、そこに病気は付け込んできます。
怒・・・病気に打ち克つには闘う心構えも時には必要ですが、体力消耗が激しいのでほどほどに…
気楽・・笑う門には福来ると言います。 笑い=免疫力アップに繋がる、という研究結果もあります。
フレンズ達の力があればコロナウイルスも楽々撃退!
色々言われるけど日本はまだうまくウイルスを制御できている方ではないかと感じますね早くおさまって欲しいです
サーバル
「絶対負けないんだからぁーー!」
個人的には、日本は というより日本人は ですね。
SSでも書きましたが、最後に自分の身を護れるのは自分自身です。
たまには「誰かに頼ってもいい」と思いますが、
「自分の力で生きる」ことを忘れたくないですね。
体内でフレンズ達がセルリアンと戦っていると想像すると少し和む気がしますw
今回のウイルスは不必要に怖がり過ぎるのも危険ですが、潜伏期間が長くて感染が分かりにくいので緊張感なく行動しすぎるのもまずいという極めて対応の難しいウイルスですね
心身ともに疲弊しすぎないように気を付けつつ予防に当たりたいものです
専門用語が並ぶと取っ付きにくいですが、フレンズに置き換えると分かりやすいかなと。
けもフレはキャラの個性も豊富なので、啓蒙活動にはもってこいだと思うんですけどね…
メディアはnews(新しいもの)は報道しますが、基本はおろそかにしがちです。
クラスターとかオーバーシュートとかもヤメて、日本語で伝えて欲しいものです。