2月27日
2月もすでにもうおわりをむかえてきて、だんだんあったかくなってきたでござる。
シロサイどのとヘラジカさまはとっくんし、アルマジロどのとヤマアラシどのはだんしょうし、
ハシビロコウどのはそとをながめていて、リンクはひなたぼっこをしていてせっしゃは今日はなにがあるのかとたのしみにしていたでござる。
そんななにげなくいつもとかわらないいちにちは、そうぜつないちにちになったでござる。
「しつれいする」だれかがそういってはいってきたでござる。リンクいがいぜんいんおどろいたでござる。
まさかライオンがじぶんからせめにきたでござる。しかもたんきで。
ライオンはヘラジカとけっちゃくをつけたいらしく、わざわざやってきたらしいでござる。
ヘラジカさまは「おもてにでるぞ」とだけいい、そとにでたでござる。
せっしゃたちもあとにつづいてそとにでたでござる。
私「ここだけは音楽つけたい」
ヘラジカさまは「なんのこんたんでそうなったのかわたしにはりかいできないが…おまえのとうしはホンモノとみた」
と、ゆうかんなせんしをむかえるようなこえでそういったでござる。
ライオンは「このままずっとどっちがつよいかきまらないのはまどろっこしいからなァ、それだけのいみさ」
と、れきせんのゆうしゃのようなイセイでヘラジカさまにいったでござる。
いいおえるのをやめるとそこにはせいじゃくがあらわれたでござる。
せっしゃたちはつぎになにがおこるのかりかいできていたでござる。このとうし。
なにかをあいずにしていっきうちのいくさはまくをあけるだろうと。
だけど、せっしゃたちはなにをあいずにたたかいがはじまったのかわからなかったでござる。
はやい。こうげきがぶつかりあったでござる。そしてもう一回、二回。
こうげきがぶつかりあうとどうじにサンドスターもちっているでござる。
おたがいようしゃないこうげき。ひるむことなくこうげきをつづけあうふたり。せっしゃはいきをのんだでござる。
これがヘラジカさまのほんとうのつよさ。ライオンのむはいの力。
こんなにはげしいたたかいはみたこともなかったでござる。
いっしゅんのまばたきもゆるされないたたかいはさんじかんくらいつづき、ようやくけっちゃくがついたでござる。
ヘラジカさまのかちでござる。おたがいいきもあがっていてヘラジカさまもひざをついていたでござる。
ライオンは「みごとだったぞ。これでオレのなわばりはもうおまえのものだな」といった。
ヘラジカさまはくびをふった。ヘラジカさまは
「これはしんのたたかいではない。ほんとうのかっせんでかってこそわたしははじめておまえにかったとおもうべきなんだ」
ライオンは少しだまって、少しわらいながら「それもそうだな」といったでござる。
ふたりのあいだにはゆうじょうというのがせっしゃにはみえたきがするでござる。
ライオンはたちあがると、ヘラジカさまのすみかをあとにしたでござる。