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泥の闘技場

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──────此処は何処かの世界、何処かの場所に存在する闘技場。
万夫不当の英雄達が一時的に召喚され、己が鎬を削り合う場──────

その勝利に報酬はなく、その敗北に汚辱はない。
其処に在るのはただ、名高き者達の力の衝突のみ。
さあ、"我こそは"と望むものは、実力を以て今一度、人理に其の名を知らしめるが良い。

戦え!

(鯖同士のタイマン・複数人対戦を想定したスレッドです。)

kagemiya
作成: 2019/12/10 (火) 03:23:02
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6

/1つじゃないとだめなのか! 次お願いします!

7

ロスタムはただ広場に泰然自若と立ち、これより刃を交える相手ふたりを見据えた。

>> 3
ひとりは清潔とは言えぬ甲冑に身を包んだ、小柄な男であった。
ロスタムに比せばその背丈から頑健さにいたるまで、非常な差が存在していることは誰の目にも明らかだ。
だがこの戦いにおいて、体格の差などさしたる問題にはならない。それは誰もが、そして何より、当のロスタム自身がよく理解している。
眼前に立つこの男、あるいは彼もまた、歴史に名を残せし"英霊"の一に他ならない。
いかなる人の身たる小さな体躯の中に在っても、そのうちには大力を宿す。それこそが人類、それこそが英雄。
だからこそロスタムは────眼前の男を、背丈をもって蔑するような蒙昧たる真似はしない。ただ満足げな笑みと共に、眼前の男を見据えていたが─────

「あんた─────何をしてる?!」

その表情が一瞬、酒を頭から被り始めた男の奇行を見、驚愕へと変貌した。
これより戦いを始めようというときに、酒を上から被る人間など─────それはおよそ、ロスタムの生きたあまりに長い人生のうちでも、ありえざるものに他ならなかった。
だが、だからこそ、ロスタムの表情はすぐに再び、笑みへと変わる。

「──────────面白え!!こんな奴と戦うなんざ初めてだ!!世界にゃやはり、とんでもねえ奴がいるもんだ!!」
「その名覚えたぞ、アレクサンドル・スヴォーロフ!さあ、始めようじゃねえか───────────────────」

────────────────────その時、すぐ近くに迫りくる、余りにもおぞましい魔力に気づいた。

>> 4
「────────────────────ほう」

今度ロスタムがその暗い魔力の波濤に対して見せたのは、一転して険しいものであった。
だが、先のような驚愕はそこにはなく。常人ならば身がすくむような凄まじい悪しき魔力の奔流を前になお、物怖じすることなく、ロスタムはそちらへ向き直る。
槌矛を肩に担ぎ、きっと睨みつけた。

「闘いに私情は無用。──────────だがな。俺としても、お前みたいなのを見ると血がさわぐ」
「こいつは、俺に課せられた使命みたいなもんなのかもな。……ああ、分かってる。何でもありなんだ、こういうのも居るって事はな─────────」

ロスタムが身構える。そこに在るのは明らかに──────────敵意。

「俺は善をなすため生きてきた。お前は、おそらく──────────”その逆”だろう?」
「魔性、悪魔(ダエーワ)の類を見るとな──────────」

瞬間。ロスタムの獅子のごとき巨躯が、まっすぐに、かの恐るべき魔物へと発射されていった。

「俺も、やるしかねえだろうよ!!」

牛頭の槌矛をもって、その身に一撃を与えようと攻撃を繰り出した。スキル『魔性殺し』が働けば、ただでは済まないだろうが──────────

8

/魔性殺し→神秘殺しのミスです

9
アレクサンドル・スヴォーロフ 2019/12/13 (金) 20:52:13

>> 4
「ほほう、英雄だけの戦いかと思っていたが…怪物も参加できるのであるな、驚きである!」
「我輩、生前は人間同士での戦いしか経験したことないであるが…これは我輩、怪物退治でも無敗の男という称号を得るかもしれないであるな!」
両面宿儺の方へと視線を向け、これは面白いとばかりにケラケラと緊張感なく笑い始める。
男の尋常ならざる気配の前でも態度は変わらず、酒を頭から被り続けていた。

>> 4
>> 5
「フハハハ!戦いとは機動と速攻、即ち速さである!!」
スヴォーロフがそう叫ぶや否や、彼の甲冑…いや、彼の肉体から炎が吹き出す。
彼の常時宝具である『永遠なれ戦士の炎』(ヴィーチヌィ・アゴーニ)が発動した。

もちろん生前のスヴォーロフに炎を操る能力などない。
彼の死後軍神マルスを模したスヴォーロフの像とロシアの兵士の魂を鎮める永遠の火の信仰が習合し、この宝具を得たのだ。
彼が纏う炎は、戦死者達の無念、怒り、愛国心などが炎として具現化した物。兵士たちの魂は、スヴォーロフに力を惜しみなく貸しているのだ。
そして彼が身に付ける甲冑も軍神マルスが部分的に習合し、得た能力である。

「早速ではあるが喰らうのである!」
宝具で生み出した炎を、スキル『魔力放出(炎):C』を使い、それぞれロスタム、両面宿儺の両名へと目掛け、放出した。
強烈な炎はまともに受ければ大ダメージになるだろうがーーー

10

>> 7
>> 9
「ハッ 急くな急くな。底が知れるぞ人間(ムシケラ)共」

ゾワリ、と怖気立つ気配が広がる。それは錯覚ではない
両面宿儺の両腕が、幾百、幾千にも細かい腕に分岐し、それぞれ牛頭の槌矛を受け止め炎を寸断する壁となる。

「群勢変性……もとよりこの身、数千という人の命を捨て去って作り出された人造魔性」
「魔性特攻は僅かしか効かず、されとて炎で焼かれるほど脆弱ではない。さぁどうする、人間(ムシケラ)共」

トン、と地面を蹴り、両面宿儺は天高く飛翔する。

「とはいえ、早速面白いものを見せてくれた礼だ」
「耐えて見せろ」

ブチィ、と両面宿儺は己の腕を容易く引き千切り、そして勢いよく投げつける。
するとどうであろうか。その千切った両腕はすぐさまに再生し、そして投げつけた腕はと言うと、
おびただしい数の毒虫と化してロスタムとスヴォーロフの両者へととびかかった!

「呪術の応用だ。俺の生きた時代では基礎の一つだが、さぁどうよける?」

当たれば汚染された魔力による被害は甚大だが────

11

>> 9
「宝具!?」

とっさの本能的に駆け出し、もとより両面宿儺だけを狙っていたロスタムには、スヴォーロフの攻撃は意思より外にあった。突っ込んで行ったロスタムのには当然、勢いよくまともに直撃し、彼の影はそのまま炎の中に消えるが─────────

「熱っちぃな──────────今のは効いたぞ!!」

炎の向こう側から姿を現したのは、火傷を負い、衣服を焦がされながらも変わることのない、ロスタムの姿。
なおもロスタムはその攻撃の勢いを失うことなく、両面宿儺へ突き進んでいく。
それはまさしく、彼の生命力の高さ、しぶとさを表すもので。
そのまま彼の肉体は、放たれた弾丸のごとくに、魔を討たんと突き進み──────────

>> 10
─────しかし、すんでのところで彼の一撃は防がれた。
見るもおぞましい光景。細かく幾本にも分かたれた腕の数千本でもって、彼の渾身の殴打は防がれたのだ。
彼はその事実に半ば驚きを覚えながらも、突撃の勢いを殺して次に備える。

「"人造"……?」

眼前の魔性の言葉に僅かな疑問を覚えつつ、ロスタムは上空へと飛翔するその肉体を目で追う。
両腕を千切った両面宿儺の姿に、早くも悪い予感を察知したのか、ロスタムはすばやくその身を引く。
次の瞬間、投げつけられた両腕が毒虫と化すのを眼前で目の当たりにした。

「なんてもん使いやがる─────アジ・ダハーカの真似事のつもりか!?」

毒虫を踏みつぶし、ロスタムは上空に逃げた両面宿儺を見据えた、次の瞬間。
膝を折り曲げれば、自慢の驚くべき筋力をもって、地面を蹴り砕き──────────人の身で、天に在る体に追い付いた。

「…食らえ!」

そして槌矛の一撃を、再び以て加えようとする。
今は両面宿儺に腕はない。先のような防御手段は無いだろうが

12
アレクサンドル・スヴォーロフ 2019/12/13 (金) 21:21:28

>> 9
>> 10
「なんと、今のが効かないであるか我輩ビックリ!」
ロスタム、両面宿儺両名に炎が効いてないことを確認すると、すぐさま次の攻撃手段を考える。
そしてここは先に両面宿儺を倒すべきだと判断し、行動に移した。

>> 10
「フハハハハハ遅い遅い!その程度の速度では我輩を打ち破ることなどできないであるぞ!」
敏捷Aのステータスに恥じぬ速度で襲いかかる毒虫を避け、『永遠なれ戦士の炎』(ヴィーチヌィ・アゴーニ)の炎を放出しながら焼き払う。
「しかしなんとも奇妙な肉体であるな、我輩ゾクゾクして背筋が寒くなってきたぞ!しかしロシアの川ほど寒くはないな、カカカカ!」
両面宿儺が出す恐るべき気配を強く感じ、背筋が凍るような感覚を覚えつつもこれでもロシアの大元帥。そんなことは気にせずいつの間にか取り出したライフル銃を構え、両面宿儺へ弾丸を発砲しながら襲いかかる。
ライフル銃の先端には銃剣が取り付けられており、『永遠なれ戦士の炎』(ヴィーチヌィ・アゴーニ)の炎を纏わせている。
遠距離からではなく近距離で直接内部から焼き尽くすつもりなのだろう。
両面宿儺に銃剣が迫る────

13
アレクサンドル・スヴォーロフ 2019/12/13 (金) 21:28:14

>> 9じゃなくて>> 11の間違いでした

14

>> 11
「チッ…再生が間に合わぬか────────ッ」

腕を瞬時に再生させ応戦を試みるが、相手は神代の大英雄。
再生しきる前に即座に一撃を喰らわせにかかる。面白い、と心の内では感じるも、これがなかなかに恐ろしい。
先ほど「魔性殺しは効かぬ」と謡ったはいいものの、それも複数、しかも神代の英雄の一撃を喰らい続ければ、
さすがの両面宿儺も命に係わる。

確かにその身は魔性。されどかつては人間だった彼(・・・・・・・・・・)にこれは応える。
身をその大降りに合わせる形で曲げ、内部の骨格、筋線維、その総てをダメージを受け流すように瞬時に作り替える。
が────────────

>> 12
「近代火器と来たか!!」
着地と同時に、迫るは銃剣の切っ先。
これにはさすがの両面宿儺も対処は出来ず、まともに喰らった。
加えて槌矛の一撃のダメージも、全てを受け流せず地面へと堕ちる始末。

「なかなかどうして、面白いな。何時の時代も……人間(ムシケラ)というものは」

口から血と、臓物を吐き捨てて魔性は笑う。

「いやはや強いな。ああ、強い強い。 本当に強い。 それに比べて俺は何という弱さだ」

明らかに、そう考えていない口調であると分かる、軽薄な声。
わざとらしく宿儺は両腕を拡げて、周囲を見渡した後に2人の英霊を見やる。

「さぞや名の立つ英霊なのだろうよ! 比べて俺は飛騨の国で化け物と嘲笑われた矮小なる化け物の身だ! 弱い事この上ない!」

だから、と続けて邪悪に宿儺は笑う。

「弱い身だからな、こういう手も平気で使わせてもらおうか!!」

そう言って、まるで空中のゴミを掃うかのように軽く手を払う宿儺。
同時に、衝撃波────否、呪詛を纏った魔力が、観客席へと向かう!!

「防いでみせろよ、英雄なんだろう? 人間(ムシケラ)共」

15

>> 12
奇しくもスヴォーロフと共闘のような形となったロスタムは、心のうちでかすかに逡巡していた。

「(囲んで殴るのは趣味じゃねえが、しかし────)」

それでも、眼前の存在が魔性であるというならば。生前からずっと、倒すべきであった敵であるというのならば。
そちらを無視してスヴォーロフへ襲い掛かることができるような性根は、また、ロスタム自身持ち合わせていなかったのである。

「(俺もまだまだ、青いもんだぜ。情に任せちまう。本能に任せちまう。心が、肉体が、「奴を倒せ」と叫んでやがる)

─────だが。ロスタムはこの後、このように逡巡することが。
魔性に対して”情”など抱く事。それそのものが決定的な間違いであったのだと”思い出した”。

>> 13
「良し、撃ち落としたか─────!」

空中で一撃を加え、ごしゃりと嫌な音を立てて地に墜落する両面宿儺を見据え、彼も少し遅れて地面に落ちる。
若干体勢を崩しながらも、その瞳は両面宿儺の次なる行動を見据えたままで。

────しかしながらロスタムは、またしても嫌な予感を感じていた。
魔の者が発する特有の感情を、ロスタムは肌で感じていた。
両面宿儺が語る言葉に含まれる、明確な”悪意”を─────

「!!」

ゴミを払うように、両面宿儺が腕を空へ薙ぐか薙がないか、そんな瞬間であった。ロスタムはこの眼前の魔性が成さんとする、まさに恐ろしい行動に気が付いた。

その後は、考えるより先に。感情を抱くよりも先に。
ロスタムは、その呪詛を多分に含んだ非常な魔力の衝撃波のうちに身を投げ──────

─────全身をもって、その”悪意”を受け止めた。

空へと投げ出されたロスタムの巨躯が、さらに上空へ吹き飛ばされる。
魔力を食らった部位は黒変し、見るもおぞましい痣となってロスタムの身を焼いている。
呪詛。清く気高い心を持ったロスタムにとって、その威力は計り知れぬ毒にほかならない。

まともに食らったロスタムはあえなく地面に倒れ伏し、しかし──────
未だ、呪いによって黒く染まった血反吐を吐き。地より立ち上がらんと、蠢いた。

「───嗚呼。防いでみせるぜ。」

「俺は大イーラーン全土を救う者。王座を守る騎士。……なれば、あそこで俺たちの戦いを見ているだけの無辜の人々数十人、守れねえで何が王騎士だ。────笑わせる。」

よろける足で立ち上がる。震える足で踏みしめる。
既に命の数個程度、燃やされたであろう身でありながら─────
なおも立つにのは、ロスタムのしぶとさだけではない。
そこには確たる理由があった。眼前の魔性は、どうあっても、”倒さねばならぬ”と!

「ああ、倒してやる。……倒してやるぜ、てめえ。人に仇なさんとする者は、おしなべて俺の敵だ。…少なくとも、今の俺にはな。」

彼はいつのまにか、手綱を手に持っている。
ロスタムはおもむろに、ただ眼前の魔物を見据えながら、それを空へと投げる。

両面宿儺は少なくとも、今の行動によって───ロスタムの、”譲れぬナニか”を刺激した事は、確かなる事実であった。

手綱を投げた中空が割れ、会場に凄まじい爆音で、馬のいななきがこだまする。
──────今ロスタムがしている行動を止めねば、少なくとも両面宿儺にとってやっかいな結果をもたらすであろう事は、確かな事実だろう。

16
アレクサンドル・スヴォーロフ 2019/12/13 (金) 22:03:48

>> 14
「ヌゥこれはマズイである!」
彼の脳裏に浮かんだのはこのまま両面宿儺を燃やすか、観客を守るか。
ロスタムと名乗るこの英雄が観客を守るだろうと言う予測が付いたため、彼にだけ任せるかほんの一瞬だけ悩んだ。
しかし腐っても英雄であり軍人。すぐさま観客を守る行動へと移り、炎をジェット噴射の要領で両面宿儺の方へ放出しながら呪詛を纏った魔力をその身で防ぐ。
もちろんそのまま受ければスヴォーロフもただではすまないが当たる瞬間、自身の纏う炎を一瞬だけ彼自身を全身覆うほど出力を上げた。
これにより直撃は避け多少のダメージを防ぐことができたが、呪詛をその身で受け止めたダメージは大きい。
彼の甲冑にヒビが入り、身に纏う炎は勢いが落ちている。ダメージを受けていることは誰の目から見ても明らかだった。
「ぬぅ、流石に効いたである」
しかし、そんな様子でも彼の口ぶりは軽く、酒瓶を取り出しふたたび酒を浴びながら飲んでいた。

>> 15
「やはり防いだであるか。いやはやまさに英雄であるな」
酒を飲みながらロスタムの行動を賞賛する。
そして、彼が宝具を繰り出そうとしている様子を見るも、スヴォーロフはそれを止めようとはしない。
むしろそれを肴に酒を飲んですらいる。
「おお一体何が出てくるであるかな、楽しみである!」

17

>> 15
「人に仇なす────────か」
ロスタムの闘気を受ける宿儺の表情は、恐怖ではなかった。
されど先ほどとは違う、歓喜とも邪悪なる笑みともまた、違った。

「お前、人に仇なす存在が俺のような魔性だけだと思っているのか?」

フン、と吐き捨てるように、地面に吐き捨てられた血反吐を見やりながら言う。

「無辜なるものに害成すものを許さぬというのなら、そこら中に転がっているだろう」
人間(ムシケラ)は弱い、弱すぎる。先ほどの俺なんぞよりもゴミのように弱い。お前たちに比べれば、滓のように弱い」
「だからこそ────────────────────────」

ぼごり(・・・) と嫌な音がした

「だからこそ人間(ムシケラ)共は他者を踏み躙る。人間(ムシケラ)共は他人を利用する」
「寺を建て、道を開いた恩を忘れ咎人と後ろ指を指す。ひもじいと泣いている餓鬼どもを見捨てて生贄にする」

ぼごり、ごぼ…ぐちゃり…と、不気味な音と共に、両面宿儺の全身の肉が沸騰する。

「貴様の言う"人に仇なさんとする者"なぞ、数多に或るという事を教えてやろう!!!」

>> 16

「面白いものが見たいと言ったな、ならば我が身を見て嗤うがいい! 後ろ指を指して化け物と侮蔑するがいい!!」

肉が沸騰する。怨念がこだまする。
両面宿儺の肉体はみるみるうちに巨大化し、そして異形へと変化する

「これぞ朝廷より侮蔑され、飛騨にて化け物と石を投げられた者の末路だ!! 我が身、我が魂、その総てにこびりついた、数多の死した者たちの亡骸の怨念だ!!」

その肉体は腕、脚、骨、肉、臓物が複雑怪奇に絡まり合い、
その頭部は幾千幾万の怨念のこえを束ね挙げたかの如くに醜悪に染まり2つに分かれる。

伝承に語られし、二頭四腕の怪物が、そこにいた

「来るがいい!! その身を英雄と謡うのならば!! これこそが我が宝具! 我が伝承!! 臥魔召譚・豪俗群変勢(てんちにみちよ、ましょうへんぜい)なりぃ!!」

/遅れましたごめんなさい!

18

>> 16
「ハ、ハ……呑、気に……酒なんか、飲みやがって……」

「だが……嫌いじゃ、ねえ。あんたらしいぜ……もとより、俺が譲れないってだけの戦いなんだ、これは──────」

ちらりとスヴォーロフの方を一瞥したロスタムは、呪詛によって侵されたダメージの影響から、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
それでもなお、ロスタムは彼を見て笑うのだ。ああ、これこそがあるいは、人のあるべき姿なのかも知れないと。

「笑わせてもらった、礼だ。あんたには、特等席で見せてやるよ。俺の相棒を。生涯を駆け抜けた友を────────────」

>> 17
ロスタムは両面宿儺に目を戻す。手綱の先にいる"何か"を手繰り寄せんと、肩に力を籠める。腕を怒張させる。足を踏ん張る。歯を食いしばる。
呪いによって今も深刻に命を侵し続けるダメージを感じながらなお、肉体の力総てを引き摺り出してでも、手綱に力を込める。足をその地にめり込ませながら、ロスタムはその力を振り絞る。

「嗚呼、そうだな──────」
「人は、弱い。」

ロスタムはしかし──────両面宿儺に対して、その瞳から光だけは失わせないままで。
手綱を手にしたままに、その言葉を聞き、そして、その言葉を心中で噛みしめ、反芻するように言葉を返す。

「聡明なる全能の王がいた。傲慢によって玉座を追われ、悪によって殺された」
「賢明なる有能の王がいた。間隙によって悪意(アンラ・マンユ)に絆され、善によって弑された」
「てめえの言う通りさ。人ってやつは──────余りにもたやすく、悪に堕ちる。」

千切れそうなまでにぴんと張り詰めた手綱を引き、なお、ロスタムは鋭く告げた。

「──────だがな」

ロスタムは、改めて両面宿儺に対して足を踏み込んで言う。

「そいつを乗り越えることが。そいつを拒むことが────────────人の、強さだ。」
「確かに、な。できねえ奴の方が、世には多い。……それでも、それでもだ。」

「それでも、てめえら(・・・・)は”人”だ!!化け物に成り下がる筋合いはねえ!!」
「俺の身を焼くこの呪いこそが、そう言っている!!」

そしてロスタムはついに、手綱を穴より手繰り寄せ──────

「来い、ラクシュ。それでも、まだてめえらが、化け物として立つんなら────────────」

其処に在ったのは、巨嶽のごとき馬。

「──────俺が引導を渡してやる」

美しく流麗で、しかし力強く聳える馬を穴より導き出したロスタムは、馬に騎乗する。
そして力強く腹を蹴り、眼前に高く迎え撃つ怪物に対して、真っ向から。
槌矛を大きく振りかぶり、幻想の巨馬とともに、地を砕きながら。
”蹂躙走法”でもって、すさまじい破壊力と共に突撃する──────────!!

『地平嘶く巨嶽の竜馬』(ザーブリスターン・スプリーム)ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」

/めちゃめちゃ時間かかってすみません!!

19
アレクサンドル・スヴォーロフ 2019/12/13 (金) 22:57:36

>> 17
「なるほど、貴殿は人間の業が生み出した怪物であったか!いやはやこれはなんとも…実に惨たらしい姿であるな。ならば我輩も全力で貴殿と打ち合おう!」
スヴォーロフは手に持っていた酒瓶を投げ捨て、ライフル銃の銃床を地面へ向かってコツンと音を立てて当てる。
「凱旋の準備を始めようではないか!」
それに呼応するようにスヴォーロフを中心に無数のライフル銃が召喚される。
召喚されたライフル銃はどれも銃剣が付いており、銃口は全て空へと向けられている。
「これこそ我が戦術の真骨頂!これより行うは我がロシア帝国軍の先鋭部隊による蹂躙!我が戦術の前に敵はなし、これが不敗の戦いである!」

>> 18
「流石にそれほどの深手では貴殿だけでは心もとないであろう!我輩も付き合おうではないか!」
両面宿儺のあまりに肥大化したその姿を見てもそうだが、ロスタムのあまりにも眩いほどの英雄の姿に、思わず自身の内なる衝動が刺激される。英雄としての本能とでも言うべき衝動。
そのような衝動に自身も刺激され、スヴォーロフの宝具を発動させる。
「人の業が生み出した存在、悪性が生み出した怪物。それを退治しようとするとはまさに英雄的行為であるな、フハハハハハハ!」
今、召喚された無数のライフル銃は両面宿儺へと向けられた。乱れ一つ無く横並びに整列された姿は、訓練された兵士の姿を幻視するほどであった。
「『大元帥の凱旋踏破(ピリホッド・チェレズ・アルプ)』! 」
号令とともに、全てのライフル銃は発砲され、そのまま一直線に目標へと一直線に突撃する────────
/時間かかって申し訳ない!

20

>> 18
「ハハ……ハハハ! 面白い……! この俺の姿を見ても尚人と呼ぶか!」

両面宿儺は笑う。だが今までのような、人を蟲と嘲笑うような笑みではない。
それは何処か嬉しそうな、自身のこの醜悪なる姿を見ても尚、人と呼ぶ姿に。
そして、この醜悪に転じた身を前にしても怯まずに立ち向かう英雄の姿に、喜ぶかのような笑みであった。

「ヌゥン!!」

嘶きにより大気を震わせる、霊峰が如き巨躯が衝突する。
負けてなるものか。貴様が善を成すならば俺は悪を唄うもの。
耐えて見せようこの力。そして飲み込んでくれる。人を嘲笑う事こそ、我が本懐!
そう宿儺は、今までにない高揚感を感じていた。

だがそれでも、ロスタムの蹂躙は止まらない。
じわりじわりと、宿儺の魔力を削り、進撃を続けんと歩み続ける。

「ならばぁ……!!」

ならば呪術だ。搦手の前にはなすすべもない。そう考えたその時だった。

>> 19

「ッ……!?」

視界の端に映る無数の近代兵器。それに気づいたときにはもう遅い。
無数のライフル銃より放たれる銃撃は、宿儺の全身を穿ち、そして破壊して往く。

それは確かに、近代兵器による怪物の蹂躙であった。
が、しかし、そこにあるのは怪物という使命からの解放ともいえる、慈悲であった。

「グッ……!? お、の、れぇ……!!」

「この、俺がぁ……!! この俺が…人間どもにぃぃぃぃいいいいいいいいい!!!」

バァン!!! と、 全身が砕ける音が響いた。
ロスタムの蹂躙走行が、乱れ無きライフル銃の一斉掃射によりダメージを負った宿儺を、見事に粉砕する音だった。

「────見事、だ」

その砕け散った肉片は、魔力へと帰り周囲に霧散し、
最後には地面に力無く倒れ伏した、一人の怪物だけが残っていた。

21

/いったんここで死亡で 何かあればセリフは次で返します!

22

>> 19 >> 20
背後で、もう一人の人間(えいゆう)が雄叫びを上げる。
後ろの人間。…スヴォーロフは、自分よりもずっと肉体は弱いだろう。神話に語られる勇猛に比べれば、軍を率いた勇猛とも、確かに見劣る部分もあるかもしれない。

片や神話時代を生きた者。片や、人の時代を軍靴と共に駆け抜けた者。
決して常なら交わる事などない、住む世界そのものが異なった者。

だが、それでも。我らは等しく、”人間”であるのだと───────ロスタムは、このような時であるというのに。
生前は存在すら知り得なかった、弾丸の雨霰がロスタムの横を規則正しく通過していくのを見、静かに目を瞑り。
どこか、哀愁をおぼえていた。

「ああ────────」

そして目を開き、その視線は変わり果てた両面宿儺の姿へ。
無数の赤子、無数の童によって構成された、その恐るべき肉体を持つ異形を見上げ。
その瞳のうちには、先ほどまでの強い敵意などではない。どこか、悲しげな色が映っていた。

「───────見ていけ、てめえら。」
「これが、”人間”だぜ──────」

巨躯と巨躯がぶつかり合う。銃撃の豪雨激しく撃ち放たれ、異形の体を穿っていく。
その場には、周囲の空気さえもが破裂するかのごとき爆音の応酬が行われていたにも関わらず─────

ロスタムには、あまりにも寂しく聞こえた。

────────────
─────────
──────

彼の乗っていた馬が、光となって霧散して消える。後に残ったのはただ、立ち尽くすロスタムと、スヴォーロフ。それを間に挟むようにして、倒れ伏す一匹(ひとり)怪物(にんげん)だけだった。
倒れ伏す両面宿儺に、ロスタムは独りごちるように。あるいは、何かを問うかのように。言葉を紡いだ。

「─────俺たちと、てめえら。」
「あるいは何も、違うところなんざ──────無かったのかも知れねえな─────

風が白い砂塵を舞わせ、物言わぬ両面宿儺のなきがらを包む。
光となって消えゆく中、ロスタムにとって観客席から巻き起こる怒涛の歓声は、ひどく遠いものに聞こえていた──────

──────
─────────
────────────

「……さて。」

ロスタムは改めて、スヴォーロフに向き直る。
その体には、未だに両面宿儺から受けた呪いが残り、今も彼の命を削り続けている。
実のところは、立っているだけで精いっぱいなのだろう。ロスタムは赤い羽根を懐から取り出し、噛みしめ、最後の気力を振り絞るように姿勢を正した。

「もちろん、決着はつけるよな、あんた」

今も激痛に襲われているはずのロスタムは然し、未だ光を灯し続ける目でもって、スヴォーロフを捉えていた。

「……行くぞ!!」

最初の頃の突進よりも、著しく遅い。それでもすさまじいスピードでもって、スヴォーロフへと槌矛の一撃を加えるべく、突撃していった─────!!

23
アレクサンドル・スヴォーロフ 2019/12/13 (金) 23:35:13

>> 20
「これにて怪物退治完了────であるな!」
宝具により召喚されていた多数のライフル銃はその使命を終えて霧散していく。
「貴殿はまさしく強かったである、それこそ我輩たち二人がかりでようやく倒せたのであるからな。フフ、フハハハハ!」
「さらばである、人の業により生まれし怪物。戦いの場でなければ酒を酌み交わすのも悪くはないかもしれん、まぁ無理であるかフハハハハ!」
倒れ伏した両面宿儺を見て、楽しそうに笑う。
そしていつの間にか持っていた酒瓶を取り出し、ふたたび酒を浴びながら飲んでいた。
>> 22
「そうであるな、フフフ……では、来るがよい!」
ロスタムの言葉を受け、向き直る。
手にはライフル銃を構え、凄まじいスピードで襲いかかるロスタムを持ち前の敏捷で避ける────

────ことはできず槌矛の直撃を受け、大きく吹き飛んだ。
限界だったのだ、ロスタムも大きく負傷していたが行動できる。
対してスヴォーロフは、もはやその場を動くことも難しいほど魔力を消耗してしまっていた。
なんてことはない、今の今まで供給される魔力以上に魔力を消耗しすぎていたのだ────

24

/一旦自分はこれにて終了とします お疲れ様でした! とても楽しかったです

25
アレクサンドル・スヴォーロフ 2019/12/13 (金) 23:38:17

/お疲れ様でした!こちらこそ楽しませていただきました!

26

>> 24
/お疲れ様です!

>> 25
───────────────”浅かった”。
薄れゆく意識の中、ロスタムはそう感じていた。
吹き飛ばしこそしたが、最後の最後に、己の中の力が尽きるのを感じていた。
今の一撃はまさに、彼に残された最後の力に他ならなかったのだ。
あの飛び方ではスヴォーロフはおそらく、か細くとも、未だ生きているだろう。そして自分は──────────

「─────見事な戦いだった。初めに炎を喰らっていなければ───────俺は、あんたを今の一撃でやれたのにな」
「そして、─────ああ、俺は─────”時間切れ”か──────────」

ふらり、ふらりと、ロスタムはその場に膝をつく。
まるで電池の切れた人形のように、力なくうなだれ。

「「七個目」が終わった。……楽しかったが─────ここまでか─────」
「──────────次は、あんたと──────────本気で──────────」
「やり合いてえ、もんだぜ─────!!」

光の粒子となって、ロスタムの体が砂塵に紛れて消えていく。
吹き飛ばされ、地面に横たわるスヴォーロフを尻目に─────彼は一人、その場から消えていった。

/これにて僕は終了です。お疲れさまでした!!!

27

/お疲れ様でした!

28
アレクサンドル・スヴォーロフ 2019/12/13 (金) 23:56:53

>> 26
「……う……うぅむ……なんと、まだギリギリではあるが、我輩生きているではないか…!」
吹き飛ばされ、横たわりながらも消えゆくロスタムの体を見る。
運が良かった、と言えばいいのだろうか。先に彼のほうが限界が来てしまったのである。
この結末に、なんとも言えない気分がスヴォーロフの中に巡った。
「…常勝将軍、未だ無敗敗れることなし!…と気分良く言えないのはなんともあれであるな」
「我輩も、今度は全力の貴殿と決着を望むである…まぁそれはそれとして勝利の美酒を味わうとするであるか!」

仰向けの体勢のまま彼は懐から酒を取り出すと、ふたたび酒を甲冑越しに飲む。
「さて、我輩が負ける日はいつであるかな…!」

/スヴォーロフ終了です。お疲れ様でした!

29

/お疲れ様でした! これにて終了となる形でしょうか

30

/これでテストプレイ終了ですね!!長らくお付き合いいただき本当にありがとうございました!!楽しかったです!!