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「ハッ 急くな急くな。底が知れるぞ
ゾワリ、と怖気立つ気配が広がる。それは錯覚ではない
両面宿儺の両腕が、幾百、幾千にも細かい腕に分岐し、それぞれ牛頭の槌矛を受け止め炎を寸断する壁となる。
「群勢変性……もとよりこの身、数千という人の命を捨て去って作り出された人造魔性」
「魔性特攻は僅かしか効かず、されとて炎で焼かれるほど脆弱ではない。さぁどうする、
トン、と地面を蹴り、両面宿儺は天高く飛翔する。
「とはいえ、早速面白いものを見せてくれた礼だ」
「耐えて見せろ」
ブチィ、と両面宿儺は己の腕を容易く引き千切り、そして勢いよく投げつける。
するとどうであろうか。その千切った両腕はすぐさまに再生し、そして投げつけた腕はと言うと、
おびただしい数の毒虫と化してロスタムとスヴォーロフの両者へととびかかった!
「呪術の応用だ。俺の生きた時代では基礎の一つだが、さぁどうよける?」
当たれば汚染された魔力による被害は甚大だが────
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