>> 11
「チッ…再生が間に合わぬか────────ッ」
腕を瞬時に再生させ応戦を試みるが、相手は神代の大英雄。
再生しきる前に即座に一撃を喰らわせにかかる。面白い、と心の内では感じるも、これがなかなかに恐ろしい。
先ほど「魔性殺しは効かぬ」と謡ったはいいものの、それも複数、しかも神代の英雄の一撃を喰らい続ければ、
さすがの両面宿儺も命に係わる。
確かにその身は魔性。されど
身をその大降りに合わせる形で曲げ、内部の骨格、筋線維、その総てをダメージを受け流すように瞬時に作り替える。
が────────────
>> 12
「近代火器と来たか!!」
着地と同時に、迫るは銃剣の切っ先。
これにはさすがの両面宿儺も対処は出来ず、まともに喰らった。
加えて槌矛の一撃のダメージも、全てを受け流せず地面へと堕ちる始末。
「なかなかどうして、面白いな。何時の時代も……
口から血と、臓物を吐き捨てて魔性は笑う。
「いやはや強いな。ああ、強い強い。 本当に強い。 それに比べて俺は何という弱さだ」
明らかに、そう考えていない口調であると分かる、軽薄な声。
わざとらしく宿儺は両腕を拡げて、周囲を見渡した後に2人の英霊を見やる。
「さぞや名の立つ英霊なのだろうよ! 比べて俺は飛騨の国で化け物と嘲笑われた矮小なる化け物の身だ! 弱い事この上ない!」
だから、と続けて邪悪に宿儺は笑う。
「弱い身だからな、こういう手も平気で使わせてもらおうか!!」
そう言って、まるで空中のゴミを掃うかのように軽く手を払う宿儺。
同時に、衝撃波────否、呪詛を纏った魔力が、観客席へと向かう!!
「防いでみせろよ、英雄なんだろう?
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