③(未記載分)
もしひと時代前の先輩が目の前にいたら、ワシならとっくにお茶を用意したり、肩や背中を叩いたりして、あれこれ聞こうとするのじゃろう。ふむ…そんな好奇心が強くて物分かり良い学生は、この時代にはおらんのかのう? 多くの後輩にとっては、ワシも「伝説の人物」と言えるんじゃぞ。妙論派の教材にも、ワシの経歴が載ってるほどじゃ。じゃが、みな「伝説の人物」が自分の生活に現れるのにあまり慣れておらぬようじゃな? 誰もワシの講義を選択せんし、論文テーマに注目する者も一切おらん。研究経費もなかなかもらえぬ…
通報 ...