チーター
「こんな所に呼びつけて何の用?」
プロングホーン
「知れたこと。
うやむやに終わったあの日の決着を付けようじゃないか。 今度こそ」
チーター
「しつっこいわね! なんでそんなに私に構うの!?」
正面切ってそう言われると、
初めてチーターを見た時に感じた「自分と似た思いを抱えているんじゃないか…」
あれは勘違いだったんだろうかと思ってしまう・・・
プロングホーン
「そうは言うが、ココに来てくれているということは受けてくれるのだろう?」
チーター
「・・・っ!」
チーターは俯いてしまった。
G・ロードランナー
「なんだ、黙り込んで。 怖気づいたのか?」
そろそろ潮時かもしれないな。
・・・それなら今日は悔いの無いように走らないと…
チーター
「違うわよ! いつも何かと言うと煽ってきて・・・」
プロングホーン
「おい、お前も走るんだぞ」
ロードランナー
「え…?」
プロングホーン
「博士たちに聞いたぞ。 G・ロードランナー。 またの名をオオミチバシリ。
お前の走りっぷりも見てみたいから・・・今度は飛ぶのは禁止だぞ?」
サーバル
「私も走るよ。 二重の意味で「りべんじ」なんだから!」
チーター
「二重?」
ボス
「ボクも『りべんじ』だヨ
チーター
「ちょ… なによそれ!?」
ロードランナー
「りべんじの意味も分かんないぞ!」
アオカゲ
「それはコレを見てもらえば分かる」
チーター
「・・・『事情』は分かったけど、どんどん参加者が増えるわね」
プロングホーン
「賑やかでいいじゃないか」
チーター
「私は独りでいいのに・・・
プロングホーン
「・・・」
アオカゲ
「今回は、この1周約2081mの芝コースを用意させてもらったよ」
プロングホーン
「良い舞台だ。 ここなら障害物も無いし、セルリアンの邪魔も入らないだろう」
チーター
「それはいいけど、短距離が得意な私には圧倒的に不利じゃない?」
サーバル
「私も直線コースなら自信あるんだけどなあ・・・」
アオカゲ
「なるほど。
それならカーブの少ない、右上スタートの1600mコースにしよう。
更に、私は200m下がってスタートするよ」
プロングホーン
「ハンデ戦か… そういうのは考えたことがなかったが、良い案だ。
じゃあ私もそうしよう。 チーター、それでいいか?」
チーター
「・・・分かったわ。
言っとくけど、それで私が勝ったからって文句は無しよ」
プロングホーン
「もちろんだ」
かばん
「では位置に付いて・・・」
クリゲ
「アオカゲ、負けるなー」
シロゲ
「みんながんばれー」
かばん
「サーバルちゃん、がんばってね」
サーバル
「うん!」
かばん
「ラッキーさんも・・・ムリしないようにね」
ジャパリボス
「マカセテ」
動物だった頃は群れの中で私が一番早かった。
だが生き延びるために走っていただけで、決して気持ちの良いものではなかった。
「早かった」
そう言ってくれた仲間はどんどん減っていったから・・・
「早いね」
一緒に走りながらそう言ってくれる仲間が私は欲しかった・・・
チーター
「なにブツブツ言ってんのよ」
かばん
「用意・・・」 🔫パン!
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チーター
「もう追い付いてきたの? 早いじゃない」
プロングホーン
「お前こそ・・・ すぐに抜けると思ってたぞ」
チーター
「だてに鍛錬してきてないからね」
プロングホーン
「そうか。 ふふ… やっぱり一緒に走るって楽しいな」
チーター
「ふん! そんな余裕かましてていいの? 私はまだ本気を出してないんだから」 …走
プロングホーン
「ぬ… 逃がすか!」
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ゴーーール!
ロードランナー
「誰が一番だった!?」
かばん
「すみません、速すぎて分かりませんでした・・・」
サーバル
「そっかー」
ボス
「アワワワ… ボクが録画すればよかったネ。
ついムキになっちゃって・・・」
プロングホーン
「接戦だったな」
アオカゲ
「みんな合わせても一馬身くらいしか差が無かった・・・」
チーター
「ちょっと! これじゃ誰が勝ったか分からないじゃない!」
かばん
「そうですね。
今度はカレンダさんとフリッキーさんも呼んで写真判定をしてもらいましょうか・・・」
プロングホーン
「そうか! じゃあ、またこのメンバーで走れるな!」
チーター
「だから! アンタってホントしつっこいだから!」
顔を背けながらチーターは言った。
見ると耳が赤い気がする…?
単に走った後だからかもしれない。
サーバル
「じゃあ、いつやる? 明日?」
かばん
「さすがに明日はちょっと・・・」
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~帰り道~
ロードランナー
「さすがプロングホーン様ですね。
サラブレッドにも引けを取らないなんて」
プロングホーン
「お前もなかなかのスピードじゃないか」
チーター
「・・・」
プロングホーン
「どうした。
楽しくなかったか?」
チーター
「また有耶無耶で終わったんだからモヤモヤするわよ」
プロングホーン
「・・・じゃあ次のレースが楽しみだな」
チーター
「・・・
そんなの待ってられないわ!
あの木まで競走よ!」 …走
ロードランナー
「あ、ズルいぞ!」 …走
プロングホーン
「おっと、そういうことなら負けてられないな」 …走
いつかチーターに「楽しい」と言わせてみせる。
それまで追い掛け続けてやる!
俺たちの戦いはこれからだ!
決着がつく日はくるのか
勝った→負けたままで悔しくないのか?
負けた→勝ち逃げは許さんぞ?
何度でも走れるさ
うーんスポーツの秋👍好敵手との切磋琢磨、よいですね