【けものフレンズ 12.4話 BSTK】
アライ
「どうしてなのだ!?
たった今、アライさんが未来に送ったはずなのだ!」
フェネック
「その通りさ~
『BTTF&BSTK』(Back To The Future & Back Skip The Kouzan)
未来に戻って、そしてまた『こうざん』に戻ってきた、ってわけさ~」
アライ
「ふぇねっくぅぅぅぅーー!?」
フェネック
「いろいろ訊きたいことはあるだろうけど、後にしてくれるかな~
次のワープポイント出現地点の目星は付いてるんだけど、どうせ時間は無いだろうし、
それを逃すと本当に帰れなくなるかもしれないからね~」
キコキコ…
フェネック
「#♪~ 」
アライ
「フェネック、なんだか ご機嫌なのだ」
フェネック
「そうかな~」
アライ
「そう言えば『まんまる』はどうしたのだ?」
フェネック
「ちゃんと渡してきたよ~
でもアライさんが居ないと、かばんさん生誕の話に説得力ぅに欠けるんだよね~」
アライ
「・・・ 確かにアライさんの回想シーン→ツチノコ仮説のくだりがカットされたら
視聴者さんは感情移入しにくいかもしれないのだ」
フェネック
「それに『ばすてき』はこっちに置きっ放しじゃないか~
FNTK(ふねてき)なものが存在しないとサーバルは かばんさんを追い掛けられなくなるんだよね~」
アライ
「・・・そこまでは考えてなかったのだ…」
フェネック
「ま~ま~
私たちさえ未来に戻れば、その辺は修正されるさ~
多分、だけどね~」
アライ
「変な時間に戻ったりしないのか?」
フェネック
「タイムトラベルもののお約束として、そこは空気を読んでくれるんじゃないかな~」
アライ
「・・・メタいのだ」
フェネック
「とにかくアライさんがいないと『けもフレ』は始まらないし、終われないよ~」
アライ
「そうか…
そうなのだ!
ふははは! やっぱりアライさんは物語の『きーぱーそん』だったのだー!」
フェネック
「そうそう、アライさんはやっぱりそうでなくっちゃね~」
アライ
「それはそれとして、どうやって未来に戻るのだ?
フェネックは どうやってこっちに戻ってこれたのだ?」
フェネックが目を開けると、そこは『ゆうえんち』の入り口だった。
あんなに高い所から落ちたはずなのに、なんの衝撃も無かった。
夢だったのだろうか?
胸元を見るとロープが体に巻き付いている。
『まんまる』を背負っているからだ。
何より、いつも隣に居たはずのアライさんが居ない。
・・・決して夢などでは無かった。
博士
「何をそんなところで突っ立っているのです」
助手
「まんまるを持ってきたのなら、さっさと寄越すのです。
船出に間に合わなくなるのです」
博士と助手がいつものように辛辣な口調で声を掛けてくる。
フェネック
「・・・」
まんまるを背中から下ろそうとするが、ロープが固く結ばれていて、なかなかほどけない。
博士
「何をモタモタしているのです」
助手
「コマンダービースト、切ってやるのです」
コマンダー
「マカセロ」
『まんまる』を渡すと、フェネックの手元には小さくなってしまったロープだけが残された。
博士
「ご苦労だったのです」
助手
「すぐに作業に取り掛かるのです」
博士たちは『まんまる』を受け取ると、待ち受けていたフレンズたちに指示を飛ばした。
フェネックは『みっしょんこんぷりーと』の達成感も無く、フラフラとその場を離れようとする。
・・・と
TATSU鬼監督
「フェネックさん、この後の
確認しておいて下さい」
どうやって過去に戻るかで頭がいっぱいのフェネックだったが、
しかし台本を読んで、フェネックは衝撃を受けた。
さっきの博士たちとのやり取りの時になぜ気付かなかったのだろう?
まるで「アライさんが最初から存在しなかった」かのように物語が進行しているのだ。
ショックを押し殺しつつ、その後の展開ストーリーを通しで読む。
そして確信した。
「新人家督にしては、低予算の割には・・・」
そういった
決して自分の知っている「熱狂的なぶぅむ」を起こすような出来には仕上がらないだろう・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
だが、そんなことは問題ではない。
私には興味も関心も無いことだ。
それより・・・
アライさんに会いたかった。
もう戻ってこれない、というのなら それでも良かった。
もう一度・・・ なんとかタイムトラベルさえ出来れば。
そのためには・・・? 頭をフル回転させる。
1度目のタイムトラベルと2回目に共通点は無かっただろうか?
・・・
やがて1つの仮説が浮かんだ。
ーが、まだ弱い。 その説を補強できる何かが無いだろうか?
💡 そうだ! もう1つヒントがあったじゃないか。
『トキ追っかける少女』
ミライはどうやってタイムスリップしていた?
ようやく私は確信した。
フェネック
「タイムトラベルの鍵は高い所から『落ちる』だったんだよ~」
アライ
「ゆうえんちの先にあった急な坂、こうざんからのロープスライダー、階段から転げ落ちる・・・
そういうことだったのか?」
そう、だから私は・・・
フェネック
「あとがつかえてるんだから早く乗りなよ~」
かばん
「え、え?」
サーバル
「ちょっと。 打ち合わせと違うよぉ」
フェネック
「いつものアドリブさ~ いいかげん慣れなよ~」
私はかばんさんたちを追い立てると、次のゴンドラに強引に乗り込んだ。
そして・・・
ガタンッ!
ヘラジカ「何か落ちてきたぞ!」
ライオン「おい、フェネックが乗ってなかったか?」
博士「何ですって!?」
助手「台本と違うじゃないですか!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
かばんたちも降りてきてフェネックが乗っていたことを告げる。
オーロックス「やべぇよ、フェネックやべぇよ」
博士「とにかくゴンドラ開けるのです」
助手「扉が曲がってしまっています。 誰か…」
ゴンドラは落下の衝撃で歪んでしまっている。
とても無事に済むとは思えなかったが、フレンズたちは救出に動き出す。
TATSU鬼
「うわぁぁ… やってもたー! オレはもうお終いだ~」 orz
傾福P
「アワワワ…」
その頃、TV局でも阿鼻叫喚の地獄絵図が展開されていた。
テレ東P
「何をぼやぼやしてる!
早く『しばらくお待ちくださーい』画像に切り替えろ!」
アライ
「ストーリーも世界線も時間軸もおかしくなってしまっているのだ!」
博士
「ジャガー、そっちを」
助手
「タイリク、もっとしっかり押さえるのです!」
ヒグマ
「せーの!」
ガコン!
フレンズたちの協力でゴンドラの扉が こじ開けられる。
一同「!?」
しかし中は もぬけの殻なのだった・・・
ボス
「・・・」
フェネック
「まぁまぁ。 アライさんの居ない世界なんて、どうなったっていいじゃないか~」
アライ「!」
フェネック
「なぁんてね~ 半分冗談だよ~」
アライ(半分はガチなのだ・・・)
「このままではパークの危機なのだー!」
フェネック
「だからアライさんを連れて帰るんじゃないか~
私もそのために戻ってきたんだよ~」
アライ
「帰るのが怖くなってきたのだ…」
フェネック
「大丈夫さ~
パラレルワールドみたいなもんで、私たちが戻ればいい感じに修正されてるよ~
たぶんね~」
アライ
「・・・」
フェネック
「とにかく戻ろうよ~
難しいことは・・・帰ってから考えればいいことさ~」
アライ
「分かったのだ。 アライさんは考えるのをヤメるのだ。
それより、どうやって戻るのだ?
さっきもチャンスは一度きりしか無さそうな言い方だったのだ」
フェネック「目的地はココさ~」
ばすてきは「さばくちほー」に到着した