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【SS】リハビリ用短編「おやすみパークセントラル」【連載中】 / 5

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ikapan 2018/10/28 (日) 20:04:03

1.

白い壁に白いタイル。純白の無機質な空間でカラカルは怒鳴った。

カラカル「貴方はいつもそうなのよ!!いつもいつも勝手に決めつけて!!」
面接官「もう結構」

長机に腕組みをした無精ひげの面接官は一言、冷淡に呟いた。

カラカル「そんな......まだ半分も.....」
面接官「もう結構です。お帰りください」

カラカル「っ.......ありがとうございました.....」

カラカルはひきつった笑みを浮かべながら深々と頭を下げた。

面接官「えぇ、気をつけてお帰りください」

カラカルは扉を開け、他の参加者達がいる廊下を足早に歩いた。情けない顔を見られたくは無かった。
エレベーターの隣の非常階段の扉を開き、中に入って扉をしめる。
カラカルはうつ向き、台本を握りしめた。潰れてしまうほど。

───────

サーバル「あ!やっと出てきたー!」

サーバルは雑居ビルから出てきたカラカルを呼び止めた。

カラカル「サーバル...!あんたずっとそこの花壇で待ってたの?」
サーバル「まあね......ここの花壇、ちょうど座りやすい高さだから。それより、お芝居のオーディションどうだった?」
カラカル「......見ればわかるでしょ?」

そう言ってカラカルは首をふり、手を広げてみせた。その動作を見てサーバルは顔を曇らせた。

サーバル「残念だったね....でも気を落とさないで、今回は面接官との相性が悪かっただけ!カラカルの良さを分かってくれる人はきっといるから!」
カラカル「そのセリフも、12回目じゃなければもう少し頼もしかったんだけれど......」

サーバルは口をへの字にまげた。

サーバル「なによ1ダースぐらい!じゃぱまん1ダースなんて些細なものでしょ!それと同じだよ!」

必死に自分を励まそうとするサーバルを見て、カラカルは少し微笑んだ。

カラカル「そうね....いちいちこんな事で落ち込んでちゃだめね....!ありがとうサーバル!」
サーバル「そのいきだよ!そうだ!気分転換にお茶に行こうよ!場所は....」
カラカル「三番通りのジャパリカフェね」
サーバル「ビンゴ!私は少し用事があるから、一時間後にね!ばいば~い!」

そう言うと、サーバルは何処かへ走っていってしまった。彼女が曲がった先でクラクションが鳴った気がした。
カラカルは肩をくすめた。

カラカル「自分で誘っておいて一時間も待たせるのね.....とりあえず一度家に帰るかな....」

カラカルは苦笑してバス停に向かって歩きだした。

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