けものフレンズ(if)2
~アバン~
かばんさん
「いいチームじゃない」
かばんさんはサーバルたちの様子を見ながら、そう呟いた。
一方、瓦礫の中からは眩い光が漏れていた。
かばんさん
「もしかすると、僕も ああやって生まれたのかな…?」
かばん
「あとは任せたよ」
かばんさんはホテルをあとにした・・・
【けものフレンズ I2】 ~後編~ 12.i話
かばんさん orz
サーバルの去った夕焼けの砂浜でかばんさんは へたり込んでいた。
かばんさん
「上手く行かないもんですね…」
博士
「そう言えば、一部の者からは黒幕扱いまでされていましたね」
かばんさん
「教えられて分かることと、自分で考えて気付くことでは違うと思ったんです」
助手
「それもこれも気付いてもらえない時点で失敗なのです」
かばん
「ですね・・・」
博士
「ところでアムールトラの方はどうだったのです?」
助手
「そもそも無事に避難できたのですか? あのホテルから・・・」
かばん
「あのあとアリツさんの用意したジャパリまんが1ヶ減っていたので無事かと…」
博士
「いつの間に・・・」
助手
「元から数え間違えていただの、サーバルがつまみ食いしただのと揉めていましたが…」
かばん
(博士たちも疑われていたのはスルーなんですね…)
博士
「ビースト…ですか」
助手
「解けるでしょうか…」
かばん
「・・・まだ未知数ですね。
他力本願ですし…」
かばん
「ビーストの正体が分かりました」
博士
「本当ですか!?」
助手
「・・・?
その割には浮かない顔ですね」
かばん
「はい・・・
実は… 人為的に作られたものだったんです・・・」
園長
「
しかもこんな緊急時に・・・」
オウマガ
「緊急時だからこそですよ。
私は治療のために特例を認めて欲しいと言っているだけです。
この『異変』が収まれば、施設に戻せばいいでしょう。
それともビーストをこのまま見殺しにするとでも?」
園長
「それですがね。
あなたの当初の報告書によると、
ビーストは『不純物の混じったサンドスターによる不完全なフレンズ化』とされ、
純度の高いサンドスターの投与で正常なフレンズ化が見込める、とあります。
そのため治療と称して隔離していた・・・」
オウマガ
「その通りです」
園長
「ですが、あなたのパソコンにはもう1つ研究データが存在しますね?」
オウマガ
「おやおや。
ココは個人の研究成果を盗み見るような、モラルのない所だったんですかな?」
園長
「事情が変わったことについて事前に説明がなかったことは謝罪しましょう」
オウマガ
「・・・?」
園長
「続けます。
この報告書によると・・・
『サンドスターの過剰摂取により、いわゆる中毒症状を起こし、狂暴化する。
液状化させたサンドスターを定期的に体内に注入し、ビースト状態を維持していた』
ーとあります。
間違いありませんか?」
オウマガ
「このままでは施設の崩壊と共にビーストが放たれ、フレンズに危害を及ぼす危険性もあります」
オウマガは園長の問いには答えず、ビースト持ち出しの正当性をアピールする。
園長
「ビーストを監禁している場所を教えてください。
こちらで開放します」
オウマガ
「監禁とは随分 物騒な物言いですな。
フレンズと我々を守るため、だったんですぞ?」
園長
「上はココを放棄することを決定し、私たちにも退去を命じました。
私たちが これ以上、護ってあげられなくなったからには彼らに委ねるしかありません。
勝手すぎるとは思いますが、せめて可能性だけでも残しておいてやりたいんです」
オウマガ
「大統領からも嘆願書が行っているはずです!」
園長
「ええ、イワビーの数十倍は強い圧力ぅでしたねぇ…
でも事情が変わりましてね・・・」
オウマガ
「・・・?」
園長
「このほどカード大統領は失脚しました。
そして新大統領の率いる※国はパークへの出資をヤメるそうです。
あと、あなたにお客さんが来ていますよ」
捜査員
「王勾
オウマガ
「な・・・!
なに綺麗事を言っている!?
アミューズメントパークプレジェクトなど表向きで、上はフレンズたちやサンドスターを利用するために・・・
あなたがたも分かってて協力していたのでしょう!?
今更ビースト1人を救ったくらいでどうなると言うのだ!」
捜査員
「おとなしくしろ!」
オウマガ博士は がなり立てたが、やがて捜査員に引き立てられていった。
独り残された園長は呟いた。
「まだ救えるかどうかも分かりませんよ…
でも、これが私に出来る精一杯なんです。
パークはお返ししますので、あとは頼みましたよ。
フレンズさんたち・・・」