『やあ!私は『ノース・ロナルドセー・シープ』
好きな物は海藻、日課は海藻集めだよ!よろしくね!
海藻を集めてどうするのかって?勿論食べるんだよ!
そのまま食べても美味しいし、干しても美味しいし、焼いても美味しい!
特に私の中で一押しなのは昆布!
焼いた昆布の香ばしさとパリパリ食感!昆布の佃煮の醤油と磯の風味のコラボレーション!
一番驚いたのはとろろ昆布!あれを考えた人は天才だよ!
それに酢昆布も…ああ!待って!昆布の凄い話はまだこれからなのに!』
スコットランド・オークニー諸島にあるノース・ロナルドセー島に生息している『海藻を主食にしている羊』、
『ノース・ロナルドセー・シープ』のオリフレです。
ノース・ロナルドセー・シープのルーツに関してははっきりしない部分があるものの一説では
鉄器時代前後にブリテン島にやってきた古い品種やオークニー諸島が北欧の支配下にあった時代に
持ち込まれたスカンジナビア系の品種の血を引いているとされています。
オークニー諸島がデンマーク・ノルウェー領からスコットランド領になってからも永らくノース・ロナルドセー島では
毛や食肉を目的として羊が飼育されてきましたが、19世紀初めに肉牛飼育や畑作への産業転換が進められた際に
今日のノース・ロナルドセー・シープの元になった羊達は殆ど草の生えていない海岸に追い出されてしまいます。
更に希少な牧草を食べに牧草地に入り込む羊への対策として海岸と農地との間には1832年に石積みの防壁が建てられたため、羊は草の生えない冬になれば餓死により自然消滅するものと思われましたが、羊達の中に海藻を食べて生き残る個体が現れた事でノース・ロナルドセー島の海岸には一定数の野良羊が住み着くことになりました。
1839年にこの常識破りの羊達の管理と防壁のメンテナンス、所有権の管理を目的として11人の島民からなる『ノース・ロナルドセー・羊裁判所』が組織されました。
2月から8月にかけて妊娠が確認されている雌羊は島内に設けられた9か所の囲いの中に収容、5月にかけての出産シーズンに合わせて頭数の把握と耳標の取り付け、羊裁判所による所有権その他の記録がおこなわれ、7~8月には毛刈りが行われます。
その後再び羊は海岸に戻され他の羊達と共に豊富な海藻を食べ厳しい冬に向けて肉を付ける事になりますが、この時期に食肉目的として適した状態になった一部の個体は冬場に独特な野性味のあるマトン肉として加工されます。
近年の研究によりノース・ロナルドセー・シープの独特な生態の科学的分析が進み、塩分に対する高い耐性や海藻に含まれる糖類と銅を効率よく抽出できる消化器系を有している事がわかっており、昨今の畜産関連の温室効果ガス削減の取り組みの一つとして有望視されている海藻飼料の実用化のカギとしても注目が集まっていますが、
その一方で現在ノース・ロナルドセー島の住人は現在約50人程しかおらず、年々防護壁の管理を行う人員や予算の確保が難しくなっており、現在3700頭程がいるノース・ロナルドセー・シープの未来には暗雲が漂いつつあります…
錨をぶんぶん振り回して戦うスタイルでしょうかね
海藻が主食のヤギなんているんですね…びっくり!
前にXにこの羊にまつわる話が流れて来て存在を知りましたがかなり衝撃的でしたね…
飼料に昆布粉末を…という話は聞いた事はありましたが『海藻しか食べられなくなった』というのは中々すごい…
昆布にこだわりのあるフレンズなんだね!
俺も昆布大好きよ
実際彼らが一番食べている海藻は昆布なんだそうです
※実際に昆布を食べている写真が見れる記事↓
昆布を食べる羊!?
同じ昆布を愛する民族として仲良くしたいのだ
ポケットにも常備してるのだどんだけ好きなんだよ!
昆布は良いぞ!なのだ
なお『海藻を食べるのは日本人だけ』的な話は良くありますが
昆布おいしいですよね!
佃煮から酢昆布まで!昆布はとても美味しいのだ!