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【SS】けものフレンズ JPP ~Japari Park Patrol~ / 106

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名無しのフレンズ 2018/02/27 (火) 20:24:18 修正 97025@a19d8

本文4

ミライ「着きましたよ。ここが、ジャパリパーク管理センターです」
カレント「おもった以上にデカイな...」

そう言ってカレントは目の前の建物を見上げる。
階数は五階ぐらいだろうか。白を基調とし、ガラスを多用したモダンな建築様式はさながら日本の役場と言った所だ。

ミライ「さあ、入りましょう。」

中に入るとまずエントランスがあった。
待機用のソファーに窓口が分かれた長いカウンターと内装もかなり役場に近い。
カウンターの奥では、職員達が慌ただしく働いている。

ミライ「ここで待っていてください。私は手続きや連絡を済ませてくるので...」
カレント「わかった。」

ミライはそれだけ言い残すと走って行ってしまった。

取り残されてしまったカレントが一服しようとタバコをとりだすと、『禁煙』のポスターが目に入る。

カレント「・・・・・・はぁ」

渋々たばこをポケットに突っ込みソファーに座り込んだ。
ふと時計に目をやるともう午後十時を回っていた。
カウンターの奥では、相変わらず職員達が慌ただしく働いている。

カレント「・・・・・・ご苦労な事で」

突然、電話の音だけが鳴り響いていたエントランスに叫び声が響いた。

???「ほんとうなのだーーーッ!」
職員「はいはい、わかったから」

血相変えて必死に話す一人の少女を職員がなだめている。
少女には、特徴的な耳と尻尾があった。

カレント「あれが"アニマルガール"か?」

なにやら揉め事らしい。

???「アライさんは本当に見たのだ!鳥のフレンズの形をしたセルリアンが海の方から飛んできたのだ!」
職員「うんうん、わかったわかった。こんど調べておくから」

アライさんという少女は職員に出口へ引っ張られて行く。

アライさん「よろしくお願いするのだ!このままではパークの危機なのだァーーッ!!」

そのまま少女は職員に引っ張られて出ていってしまった。

カレント「"パークの危機"ねぇ...」
ミライ「カレントさ~ん!手続き終わりました。」

丁度彼女と入れ違いで事務室の方からミライが書類を持って走ってきた。

ミライ「これにサインをお願いしますね。」
カレント「わかった。」
ミライ「それでは、お仕事の説明をしますので、会議室の方へ。」

そういってミライはエントランスの端の方のドアを指差した。

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会議室のドアを開けると、ツンとシンナー臭いにおいがする。

ミライ「まだ建てられたばかりなのでやっぱりちょっと臭いますね...」

ミライが少し嫌そうな顔で電気をつけ、中に入る。カレントも続けて中に入った。

ミライ「さてと...では簡単にカレントさんのお仕事の内容を説明させて頂きます」
カレント「よろしくたのむ」

カレントはいよいよパークでの仕事が始まった事を実感していた。

ミライ「ではまず、カレントさんには今回新しく創設された部署『JPP』の隊長に就任して頂きます。」
カレント「ポッと出の俺がいきなり隊長ね..」
ミライ「またまたそんな事言って!カレントさんは現役の兵隊さんだとお聞きしましたよ?」
カレント「ん?あぁ..まあそうだが..それでその『JPP』の仕事は?」
ミライ「JPPの仕事は、このジャパリパークの治安維持です」
カレント「具体的には?」
ミライ「そうですね..具体的には、『パーク内のパトロール』『セルリアンの駆除』が主な仕事内容です。」
カレント「なるほど」
ミライ「これまで、セルリアンの駆除などはフレンズさん達と連携して行ってきたので人間だけで駆除を行う取り組みは今回が初めてです。そこで、実戦経験のあるカレントさんを教官および隊長としてお呼びしました」
カレント「それはそれは、光栄なものだな。それで、『JPP』はどのくらいの規模なんだ?」

ここで流暢に説明していたミライが初めて言葉に詰まった。

ミライ「そ、それが...」
カレント「ん?どうした?」
ミライ「志願者、一人だけなんです...」

ミライはそう言ってバツが悪そうに苦笑いする。
カレントはニッコリと微笑んでこう言った。

「はぁ?」

カレント「舐めてるのか?」
ミライ「スミマセン...」
カレント「一体どうゆう事だ?」
ミライ「カレントさんが来る数ヵ月前から志願者を募ったのですが...」
カレント「その結果志願者が一人だったと?」
ミライ「はい..」
カレント「・・・・・はぁ。」

カレントはガックリとうなだれる。

ミライ「なので...カレントさんには管理センターと連携しつつ、その方と一緒にパトロールをお願いしようかと...」
カレント「この広い敷地を"二人"で?」
ミライ「はい.....お願いできますか?こちらも、もっと積極的に志願者を募るので...」

カレントはしばらく黙りこんだあと、シンナー臭い空気を深々と吸い込んでため息をつき、

カレント「・・・・・・わかった。」
ミライ「ありがとうございます!」
カレント「そのもう一人は今ここにいるのか?」
ミライ「はい!ちょっとまって下さい。連れてきますね!」

そう言うと、ミライは何処かに行ってしまった。

カレント「まったく!この広い敷地を二人でパトロールだと!?警察ごっこじゃないんだぞ!」
カレント「だが、その”もう一人”...一体どんなヤツが..」

勢いよくドアが開き、ミライが顔をのぞかせる。

ミライ「おまたせしました!カレントさん!この方です!どうぞ!トワさん!」

そう言ってミライに促され入って来たのは...

???「し、失礼します。」
カレント「き、君は!?」

中肉中背の、何の特徴も無い男だった。
あえて特徴を挙げるとするなら、羽のついたテンガロンハットと、右目にかけたモノクルぐらいだろうか。

ミライ「紹介します。今回JPPに志願してくださった、トワさんです。」

彼..トワは少しこわばった笑みでこう言った。

トワ「よろしくお願いします。」

To be continued

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