本日は1937年に世界初のカラー長編アニメーション映画
「白雪姫」が公開された日であります。
・長編アニメ映画「白雪姫」はアメリカで1937年12月21日に公開された作品で、
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオによって手掛けられた
長編映画第1作目であり、世界初の長編アニメーション映画でもあります。
原作はもちろん、グリム兄弟により名作童話「白雪姫」であり、
現在でもアニメ史に残る傑作として知られております。
歴史に残る名作にするべく莫大な労力と金額が費やされ、
4年の歳月と170万ドル(当時)の巨費を投じて制作された大作であります。
世界初のカラー長編でありながらフルアニメーションであり、
25万枚にも上るセル画によって作成された結果として、
質感すらも感じさせるキャラクターの動きを実現しております。
当時はまだ、アニメーションといえば実写映画の合間に子供向けに上映される
短編作品を指していた時代であった事から成功を危ぶむ声も多く、
「ディズニーの道楽」とまで言われておりましたが、ふたを開けてみれば
6100万ドルの収益を上げる桁外れの大ヒットを記録しました。
日本での公開は第二次大戦の影響もあり、当時の西ドイツと並んで1950年と
各国に比べて遅い方でありましたが、第二次大戦以前にこれ程までに質の高い
アニメーションを制作していた事実と、それを実現したアメリカの国力に、
公開当時に本作品を見た方々の多くが驚愕されたといわれております。
1951年までに400万人を超える児童の方々が都市部の映画館でご覧になられ、
常設館での上映が一巡した後は、大映株式会社が地方の公共団体やPTAなどに
1日1万5000円でフィルムの貸し出しを行ったため、映画館のない地方でも
学校行事などで「白雪姫」をご覧になられた方々多いとされております。
1993年にはコダックのシネオンというデジタル処理で映像修復が施された
デジタル・ニュー・バージョンが公開され(日本での公開は1994年)、
興行収入4000万ドル以上の大ヒットを記録しております。なお、この時点で
ドルビーサラウンドによる音声のステレオ化が行われております。
アメリカ本公開時はブエナ・ビスタ設立以前まではRKOピクチャーズに
配給を委託しており、オープニングで「配給:R.K.O」というクレジットと、
エンディングに「RKO RADIO PICTURES」の社名ロゴが背景の地紋に
埋め込まれておりましたが、後のリバイバル上映時には
RKOを省いたものに差し替えられました。RKOが入った本来のオリジナル映像は、
2001年版DVDに当該部分のカットが特典映像扱いで本編と別に収録された後、
2009年版DVD/BDの本編映像に組み込まれ、オリジナル版へ復元されました。
本作は作品中に著作権表記が有るものの公開時期が古く、
リニュー(著作権更新手続き)が行われなかった事から、
公開当時のアメリカの法律(方式主義)により権利放棄とみなされ、
アメリカにおいてはパブリックドメインとなりました。
また、日本では日本国内での上映公開から50年間を経た時点で
著作権の保護期間が終了したと考えられる事から、
(現在の国内公開後70年間保護規定への改正前に保護期間が終了)
現在はパブリックドメインDVDで旧画質のものが発売されております。
しかし、デジタル・ニュー・バージョンについては、
公開された1993年から新規の著作権が発生しております。
2007年には映画公開70周年を迎え、それを記念してフロリダの
ディズニー・ワールドでは限定版フィギュアリンが販売されました。
2008年にはアーティスト/学者/評論家/歴史家で構成される
1500人以上の審査員によって選定される「AFIアメリカ映画100年シリーズ」の
「アメリカ映画アニメーション部門トップ10」で1位に輝いております。
また、白雪姫城のモデルとなったとされるスペインの世界遺産
「セゴビアのアルカサル」には現在も多くの観光客と方々が訪れております。
けものフレンズが制作された当時は既にコンピュータによる制作となっており、
けものフレンズはキャラクターは3DCG(トゥーンレンダリング)で、
背景は手描きで制作されている作品であります。
また、特に一期は制作の予算が非常に少なかった事も話題となりました。
アニメーション技術は時代を経るごとに進化を重ねていき、
それに比例して表現も非常に多彩となっております。
しかし、往年の作品には他では味わえない良さが詰まっており、
現在においても新たな発見がある場合もあります。
改めて、その礎を築かれた方々に対して頭が下がる思いであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。