本日は1958年に世界初の通信衛星「SCORE」が打ち上げられた日であります。
・SCORE(Signal Communications by Orbiting Relay Equipment)は、
世界で最初の通信衛星で、1958年12月18日にアトラスロケットで打ち上げられ、
宇宙から最初の通信中継の試験を行った事で知られております。
・当時新設された高等研究計画局で6ヵ月にわたる検討が行われた結果、
十分な資源を持ち、小規模で非常に焦点を絞った融通が利く研究グループが、
国際的な宇宙開発競争に勝ち抜くために必要な科学技術の進歩を達成するのに
最適な組織であると結論付けられました。SCOREの技術目的は2つあり、
アトラスロケットが軌道に到達できる事の実証の他に、
1つの地上基地局から1つ又は複数の地上基地局まで、
大気上層を経由して情報の伝送を行う事の可能性でありました。
この計画の結果、リアルタイム/ストアアンドフォワード(蓄積交換)の両方で、
通信衛星が地上のある点から別の点へ情報を伝達する事ができるという
ブレイクスルーが得られる事となりました。
プロジェクトは、軍事通信の研究者のケネス・マスターマン=スミス氏が
アメリカ陸軍の研究所「Signal Research and Development Laboratory」
(SRDL)の同僚と共に開発されました。計画は秘密裏に進められ、
当初の時点でも僅か88人の人物にしか存在を知られておらず、
SCOREの打上げ日の前にはこのうち53人が計画中止を通達され、
計画が存在した事も口外しないように命じられたほどでありました。
そのため、計画全体の内容をご存知の方々は僅か35人であり、
打上げ要員も含めて計画に関わられたその他の人物は、
単にロケットの試験打上げのための作業と思っていたそうでありました。
・SCOREのペイロードの重量は68kgで、アトラスロケットの先端部にある
流線型の容器に収められ、軌道に乗る合計の重量は3969kgでありました。
バッテリーは12日間持続し、搭載された通信機器はシグナルを受信/増幅して、
地球に向けて再送信する方式で、送信用2基/受信用2基・合計4基のアンテナは、
ロケットの表面の平らな面に取り付けられました。
他には4分ずつの容量を持つ2つのテープレコーダーを搭載しており、
機器の2重の冗長系はロケットの先端部分に収められておりました。
アメリカ南部の4つの地上基地局は全て、蓄積されたメッセージを
送り返す指令や新しいメッセージを受信させ、蓄積させる事ができました。
また、12日間のミッションの間に1つのテープレコーダーが故障した事で、
冗長性が非常に重要である事が明らかとなりました。
・宇宙から世界へ最初に短波で送信された、ドワイト・アイゼンハワー大統領の
クリスマスメッセージは以下の通りであります。
「こちらはアメリカ大統領です。科学技術の進歩の脅威によって、
私の声は宇宙を回る衛星によってあなたのところへ届けられています。
私のメッセージはシンプルなものです。
この独特な手段を通じて、私はあなたと全ての人類に、
地球の平和と全ての場所の人への友好に対するアメリカの願いを届けます。」
なお、放送された大統領のメッセージは電波強度が非常に弱く、
非常に感度の高いラジオでしか受信する事ができませんでした。
そのため、アメリカの殆どの方は大統領のメッセージを
その後のニュース番組で知られる事となりました。
ミッション終了後、SCOREは1959年1月21日に大気圏に再突入しております。
どのような施設においてもトラブルやハプニングが発生する可能性がありますが、
非常に広大なジャパリパークにおいてはそれに対応した迅速な連絡手段が必要で、
それを含めて運営には高度な通信手段が欠かせず、
その中には通信衛星を用いたものもあると考えられます。
通信技術の世界は日進月歩であり、世間への広まりも非常に早く、
僅か数年で既存の技術が陳腐化してしまうほどの進化を続けております。
通信技術はこれからどのような進化を遂げていくのでしょうか?
本日もお祈りいたします、みんみー。