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みんみ教徒の集い / 3544

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流浪のみんみ教徒 2022/12/02 (金) 03:33:33 457e0@084bf

本日は2003年に超電導リニアが山梨実験線にて
581km/hの鉄道世界最高速度を記録した日であります。
・超電導リニアは、公益社団法人鉄道総合技術研究所(鉄道総研)および
 東海旅客鉄道株式会社(JR東海)により開発が進められている
 磁気浮上式リニアモーターカーであります。超電導電磁石を利用するため、
 開発を推進するJR東海では超電導リニアと呼んでおりますが、
 国土交通省では「超電導磁気浮上方式鉄道」という呼び方もしております。
 また、英語の“magnetic levitation”(磁気浮上)を省略した呼称である
 マグレブ(Maglev)を用いた、「JRマグレブ」という呼び方もあります。
・現在の新幹線に至るまで行われてきた従来の軌道接地走行における
 技術的問題点を回避できる浮上走行を行うのが最大の特徴であります。
 磁気浮上方式鉄道としては他に、ドイツのトランスラピッドや
 日本のHSSTなどがありますが、この2者は常電導電磁石による浮上であり、
 超電導電磁石によるリニアモーターでの走行は
 世界でも現在のところ超電導リニアのみとなっております。
 超電導磁石による浮上/案内という基本原理は、アメリカのブルックヘブン
 国立研究所のジェームズ・パウエル氏とゴードン・ダンビー氏による
 米国機械学会誌への発表によるものでありますが、その後の基礎技術から
 日本で独自に研究/開発が行われた点も特筆すべき事柄となっております。
・日本国有鉄道(国鉄)のリニアモーターカーに関する研究は
 東海道新幹線が開業する前の1962年にまで遡ります。
 鉄道技術研究所にて次世代高速鉄道に関する基礎研究が開始され、
 基本目標は最高速度500km/hで東京~大阪間を1時間で結ぶ事でありました。
 また、車両の駆動には磁気浮上リニアモータ方式以外にも、
 空気浮上や車輪支持のリニアモータも検討されておりました。
 前述のアメリカのブルックヘブン国立研究所の提案を受ける形で、
 1969年に超電導を使った電磁石による磁気浮上が
 鉄道技術研究所の研究テーマとして提案され、翌年4月には、
 東京で開催された「鉄道の近代化に関する世界鉄道首脳者会議」にて
 国鉄の磯崎叡総裁が超電導電磁石方式の開発に触れられました。
 なお、同年に開催された日本万国博覧会の「日本館」にてリニアモーターカーの
 模型が展示された事で世間一般にも広く認知される事となりました。
 1971年3月に、超電導電磁石は固定し、その下でコイルを載せた円盤が回転する
 基礎実験装置が製作されて超電導磁気浮上が初めて実現されたの機に、
 試験車両による試験が着々と進められ、1974年に浮上式鉄道開発会議にて
 宮崎実験線を建設する事が決定されました。この実験線で試験は更に進められ、
 1979年12月21日に無人走行で517km/hの世界最高記録を達成しております。
 その後、車載用の小型の冷凍機などで大幅に軽量化された車両で
 1982年9月に宮崎実験線での初めての有人走行実験に成功し、
 1986年12月には3両編成で352.4km/hを、1987年には2両編成で
 無人405.3km/h、有人400.8km/hの最高速度を達成しております。
 JR発足後に事業は財団法人鉄道総合技術研究所に引き継がれ、
 1991年の車両焼失事故を経て、1994年には無人で431km/hを、
 1995年1月26日には有人で411km/hを達成しております。
 1996年に山梨実験センターが開所し、1997年2月17日から
 山梨実験線で実験走行を開始し、4月3日に正式に基本走行試験開始の
 テープカットを行って、5月30日から浮上走行が開始されました。
 同年の12月12日には有人走行で531km/hを、同月24日には無人走行で
 設計速度である550km/hを記録しました。この無人走行速度は
 当時の鉄道としての世界最高記録でありました。
 また、複線区間がある事を利用して高速でのすれ違い実験も行われ、
 1999年11月に相対速度1003km/hを記録しております。
 2003年、当時のJR東海の葛西社長は最高速度700km/hを目標に掲げられ、
 同年12月2日に3両編成車両で581km/hの世界最高記録を達成し、
 2004年11月16日の高速すれ違い試験でも相対速度記録を更新しております。
 2005年3月11日に超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会により
 「実用化の基盤技術は確立した」と評価され、同年11月22日には
 新開発の高温超電導電磁石(ビスマス系)による走行実験が開始され、
 同日中に501km/hでの走行を達成しております。
 2006年に、実験線の設備を実用レベルの仕様に全面的に改修すると共に
 本来の計画である42.8kmに延伸する事を決定し、
 これらの工事と実用化確認試験に専念するため、
 2007年4月20日超電導リニア試乗会の中止が発表されました。
 それに先立つ2007年1月23日、国土交通大臣により
 山梨実験線の設備更新および延伸が承認されました。
 2009年3月27日にJR東海が新型リニア試験車両のデザインが発表され、
 先頭の形状が従来の円形から角形になり、車両の形状が大きく変更されました。
 2015年4月16日、L0系が鉄道における世界最高速度590km/hを記録し、
 その5日後の4月21日には603km/hと世界最高速度記録を更新しております。
けものフレンズの作品において登場している鉄道といえば、
アニメ二期に登場したモノレール「ジャパリライン」であります。
車両の先進性はリニアモーターカーには及びませんが、
モノレールという選択は、技術的可能性/路線のための用地確保/
コスト/安全性などを考えたものであったのではないかと想像できます。
高速リニアモーターカーの開発はもちろん現在も進められており、
やがては現在の新幹線にとって代わる存在となる事でありましょう。
技術的課題はまだまだ多く、実用化はまだ先の事ではありますが、
かつての「未来の鉄道」が現実のものとなる日が楽しみであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。

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