本日はイギリスの家具師/デザイナーでいらっしゃる、
トーマス・チッペンデール氏の命日であります。
・1718年6月5日にウェスト・ヨークシャーの市場町オトリーにてお生まれになり、
徒弟修業を終えられた後の1748年にロンドンに出られて独立されました。
1954年頃に家具産業の中心地セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ教会の
隣に移られて商館/事務所/工場倉庫の建設に携わられ、多数の専門職人による
本格的な家具製作と、上流階級の室内設備や装飾の施工も行われました。
一方、1754年に家具の専門書として最初となる
「紳士と家具師のための指針」を出版された事により、
この時代の最も有名なデザイナーとなられました。
この本には人気の高い家具の寸法図が含まれており、
顧客はこの本から選ばれて他の家具師が複製されました。
ロココ様式はこの本に対して支配的な影響力を持っておりましたが、
中国風やゴシック風も影響しております。
1770年代からは新古典主義の建築家ロバート・アダム氏が設計された
リーズ近郊のハーウッド・ハウスやロンドン郊外のオスタレー・パークなどに、
マホガニーを用いた新古典様式による精巧な家具を製作されました。
1779年11月13日、チッペンデール氏は61年の生涯を閉じられ、
亡骸はセント・マーティン・イン・ザ・フィールズに埋葬されました。
・チッペンデール様式はクイーン・アン様式の変形であり、
それにフランス・ロココの影響を受け、脚は猫足が多く、
鷹の爪が球をつかんだ形のものが多く使われております。
また、テーブルの上部の板も丸形や長方形が少ないのも特徴であります。
また、サパーテーブルといって、使用しないとき上部の板を垂直に立てて
壁際に置き、室内のアクセントになるようなテーブルが使われておりました。
飾り棚や書棚の頭部にスワンネックの飾りが付き、
扉の格子組みはゴシックのトレサリーの形を真似たものが付けられました。
この時期に中国の影響を強く受け、椅子の背や脚、
ベッド類まで中国建築を模した形がとり入れられ、
それらの家具は「チャイニーズチッペンデール」と呼ばれております。
西インド諸島から輸入された高級なマホガニー材は軽くて丈夫で長持ちし、
彫刻も入れやすい事から、繊細で華奢なデザインの家具が作られました。
ジャパリパーク内の主要な施設の内装は商業施設/研究施設/事務所において
よく見られる、一般的なものが採用されているものと思われます。
ただし、ジャパリパークにはジャパリカフェ、ゆきやまちほーの温泉宿、
ロッジ「アリツカ」など憩いの場や宿泊施設も設けられており、
それぞれの場所を演出するに相応しい内装が採用されております。
家具などの内装はその場所の雰囲気を変えるだけでなく、
そこを利用される方々が過ごしやすくなるための工夫が施されております。
過ごされる方々の幸せを演出されるために、日々アイディアを考え出され、
それを形にされる方々に対して頭が下がる思いであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。