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みんみ教徒の集い / 3443

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流浪のみんみ教徒 2022/09/05 (月) 00:03:03 457e0@989c9

本日は2019年に、「むかわ竜」と呼ばれていた恐竜の化石を
新属新種となる「カムイサウルス」とする研究が、
イギリスの科学雑誌「Scientific Reports」に掲載された日であります。
・カムイサウルスは、日本の北海道むかわ町穂別地区にある
 白亜紀後期のかつて海だった地層で発見された、
 ハドロサウルス科ハドロサウルス亜科エドモントサウルス族の恐竜であります。
 2003年4月9日、当時の穂別町在住のアマチュア化石収集家の堀田良幸氏が
 沢沿いを散歩されていた時に崖の上に化石のようなものを発見されました。
 この沢はアンモナイトなどが発掘される事で知られており、
 堀田氏は当初は大きなワニのものと思われました。
 堀田氏の目的の化石が脊椎動物ではなくアンモナイトであった事と、
 発見された若干変わったものであった事から、堀田氏は穂別博物館の
 櫻井和彦館長に連絡されて化石を博物館に寄贈されました。
 後に櫻井氏は現場周囲に似たような化石が複数ある事を確認されましたが、
 地層が海成層であった事と、化石を覆う団塊が6つに割れた面からしか
 形状を確認できなかった事から、化石を首長竜の尾椎骨と認識されました。
 また、首長竜の標本は博物館に大量に収蔵されていた事から
 クリーニング作業は後回しにされ、収蔵庫に保管される事となりました。
・2010年、首長竜の専門家で、恐竜に比べると人気が乏しく
 収蔵庫に死蔵している可能性の高い首長竜の化石を求められて
 全国の博物館を回られていた東京学芸大学所属の佐藤たまき准教授が、
 それまでの期間に所蔵された全首長竜化石資料の予察的調査の一環で
 十数年ぶりに穂別博物館を訪れ、博物館に保管されたままとなっていた
 前述の化石のクリーニング作業を行われました。
 クリーニング前の外見から珍しい種類の首長竜と想像されていたところ、
 クリーニング後に化石が首長竜ではなく恐竜の骨の特徴を持つ事が判明し、
 佐藤氏は2011年8月にこの化石が恐竜の化石である可能性を指摘されました。
 櫻井氏はその指摘を受けられ、同年9月6日に北海道大学総合博物館の
 小林快次准教授に鑑定を依頼されました。送付の写真から小林氏は一目で
 恐竜化石と判断され、後にご覧になられた現物を恐竜のものと断言されました。
 この時、団塊に覆われていない他の骨もあると考えられ、発掘された地層は
 当時の波の影響を受けないほど水深の深い場所であった事もあり、
 全身骨格が埋蔵している可能性が高いと考えられ、実際に2012年5月には
 尻尾の続きが化石として残存している事が確認されました。
 また、2011年11月頃には小林氏はこの恐竜がハドロサウルス科であると
 考えられましたが、2003年発掘の化石に確認されている椎体の後方の関節面の
 背面側に存在する突起が他のハドロサウルス科恐竜と比べて顕著であった事から
 新種である可能性も考えられました。
・小林氏に説得されたむかわ町は総額6000万円の予算をかけて
 3年計画の本格的な発掘事業を開始する事となりました。
 発掘作業は第1次(2013年9月から同年10月)と第2次(2014年9月)に分けられ、
 小林氏を筆頭に、北海道大学の学生と北海道大学総合博物館のボランティア、
 穂別博物館の学芸員などの方々によって行われました。
 第1次発掘では1.2mの右大腿骨を含む後肢と尾椎骨の大部分が、
 第2次発掘では頭骨の一部や100本の歯が発掘され、
 この2回の発掘で掘り出された岩石付きの化石は重量6tにも及びました。
 その第2次発掘では開始から2週間で骨化石の産出が激減し、
 3年間を予定していた計画は2年でほぼ完了する事となりました。
・後に行われた化石のクリーニング作業が2017年に一部完了した結果、
 この化石群が全身骨格である事が判明しました。
 日本での恐竜の全身骨格化石が発掘例は、かつて日本領だった樺太
 (サハリン)で発掘されたニッポノサウルスを含めれば、
 福井県勝山市で発掘されたフクイベナートルと合わせて3例目であり、
 また、かつて海であった地層から発掘されたハドロサウルス科の
 全身骨格化石としても世界で3例目という稀な例となりました。
 2018年3月にほぼ全ての化石のクリーニング作業が完了した結果、
 この化石が骨の個数を分母にすると60%、総体積を分母にすると80%にも及ぶ
 完成度の極めて高い全身骨格化石である事が判明しました。
 頭骨/肩帯/前肢/胴椎骨/腰帯/大腿骨/尾椎骨が全て存在するこの骨格化石は、
 日本で発掘された化石としては最も完成度の大きいものとなりました。
 北海道大学/穂別博物館/岡山理科大学/アメリカのペロー自然科学博物館/
 筑波大学/モンゴル古生物学地学研究所/東京学芸大学らが共同研究したところ、
 他の恐竜とは異なる特徴が複数見られた事から新種の可能性がより高まり、
 更に研究を進めたところ、3つの固有の特徴と13のユニークな特徴を
 併せ持っている事が判明した事から新属新種である事が認定されました。
 これらの研究成果はイギリス時間2019年9月5日(日本時間6日)に
 イギリスの科学雑誌である「Scientific Reports」に掲載されました。
 学名は北海道で発見された事から、先住民であるアイヌの言葉で「神」を意味する
 「カムイ」を含めた「カムイサウルス・ジャポニクス」と命名されました。
 意味は「日本の竜の神(日本の神トカゲ)」とされております。
 また、むかわ町は2017年7月7日に「むかわ竜」という通称の商標登録を申請し、
 2018年11月30日付で文具/書籍/ファッション/食品など
 9分類での登録が完了しております。
・2019年に東京都の国立科学博物館にて7月13日から10月14日まで開催された
 恐竜博2019において「むかわ竜」はデイノケイルスと並んで目玉展示とされ、
 その間に学名が命名されました。恐竜博2019が閉幕して穂別に返還されると
 同年11月3日と4日に穂別町民センターにてカムイサウルスの返還を記念する
 イベントが開催され、レプリカが展示されました。
 2020年1月17日に北海道庁にてレプリカが展示された後、同年6月20日から
 北海道博物館にて開催予定であった恐竜展2020が新型ウイルスの影響によって
 中止となり、その代わりに翌年2月から3月に同館で開催された企画展
 「北海道の恐竜」では実骨とレプリカの両方が展示されました。
 2021年3月には660万円の事業費を投じ、実物の約五分の一程度の大きさである
 全長155/cm高さ65cmのミニレプリカが完成しました。分解や組み立ておよび
 持ち運びが従来の実物大レプリカと比べ容易である事から、
 教育活動やイベントでの利用が見込まれております。
 また、カムイサウルスはNHKの製作する恐竜番組でも特集が組まれたほか、
 カムイサウルスを主題とする書籍も複数執筆されております。
けものフレンズには公式に恐竜のフレンズはいらっしゃいませんが、
マンモス様やヒラコテリウム様など古代生物のフレンズがいらっしゃいます。
マンモス様やヒラコテリウム様などがどのような経緯で
フレンズ化されたかは明らかとなっておりませんが、
もしその発端が化石であったしたならば、
恐竜のフレンズが誕生してもおかしくはないとも考えられます。
恐竜は人類誕生のはるか以前の地球を知る希有な存在でもあります。
恐竜の歴史を知る事で、知られざる地球の歴史が明らかとなるのかもしれません。
本日もお祈りいたします、みんみー。

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