本日は1990年に「児童の権利に関する条約」が発効した日であります。
・「児童の権利に関する条約」は児童(18歳未満の者)の権利について
定めている国際条約で、「子どもの権利条約」の通称や、
「CRC」あるいは「UNCRC」の略称でも呼ばれております。
1924年に国際連盟に採択され、1959年に拡張されたものが
国際連合に採択された、子どもの権利を促進する国際文書
「児童の権利に関する宣言」の30周年に合わせて
1989年11月20日に国連総会で採択されたものであります。
1990年9月2日に発効し、日本では1994年5月22日から発効しております。
2015年10月時点で196の国や地域が締結しております。
・締約国は児童の最善の利益のために行動しなければならないと定められ、
子供との関わりについて、現在や未来において子供により良い結果をもたらす
関与をしなければならないとする考え方であります。
児童を「人間」と置き換えてもそのまま当てはまるような、
「子どもの人権宣言」と呼べる内容となっております。
日本ユニセフ協会は、児童の権利条約の主な理念として「児童の最善の利益」
「差別の禁止」を挙げ、児童の権利を以下の4つに分類しております。
生きる権利・・・すべての子どもの命が守られる権利
育つ権利・・・・教育や医療、生活への支援などを受ける権利
守られる権利・・暴力や搾取、有害な労働などから守られる権利
参加する権利・・意見を表現しそれが尊重される権利、自由に団体を作る権利
国際人権規約のA規約(経済・社会・文化権規約)及び
B規約(自由権規約)で認められている諸権利を児童について広範に規定し、
更に意見表明権や遊び・余暇の権利などこの条約独自の条項を加え、
児童の人権尊重や権利の確保に向けた詳細で具体的な事項を規定しております。
・児童の権利に関する条約が定めている児童の権利がどの程度達成されているか、
実現されているか、どの程度未達成であるか、侵害されているかは、
加盟国や地域の実情により大きな差があるのが実情であります。
戦争/内戦/テロの継続による死亡が日常的な国、経済的に著しく貧困な国、
経済的低開発国、安全な食料/水/飲み物を入手するのが困難な国、
保健/医療制度が未整備で、基礎的な衛生や医療を受けられない国、
初等教育や中等教育が未整備で必要十分に供給されず非識字率が高い国、
人為的/社会的に作られた考えや慣習により児童の権利が侵害されている国など、
充分な効力の実現に至っていない国や地域が現在でも多数存在しております。
・締約国は第44条において、条約において認められる権利の実現のためにとった
措置や権利の享受についての進捗状況を児童の権利に関する委員会に
報告する事が義務付けられておりますが、締約国が増えるに従い報告数が増し、
委員会の報告審査業務に遅滞が生じるようになりました。
この問題を解消するべく、1995年に委員会の委員数を10人から
18人に増やす第43条2の改正案が第50回国連総会において採択されました。
日本では2003年6月12日に効力を発生しております。
・また、日本ではこの条約の理念に基づいた条例が制定されている地域があり、
2000年12月21日に神奈川県川崎市で「川崎市子どもの権利に関する条例」が
初めて制定されたのを皮切りに、北海道奈井江町(2002年3月)や
岐阜県多治見市(2003年9月)など複数の自治体において制定されております。
ジャパリパークはあらゆる世代のお客様が楽しまれる動物園施設であり、
もちろん子供の世代であっても例外ではありません。
子供時代は様々な事から価値観を育む極めて重要な期間であり、
親世代と共に楽しむ娯楽施設が持つ役割も極めて重要であると言えます。
少子化が進んで子供の人口がますます減少している現代の日本でありますが、
これから少しずつでも明るい方向へと向かう事を願っております。
本日もお祈りいたします、みんみー。