本日は1989年に、世界最長のガイドウェイバスシステムである
「アデレード・オーバーン」が全線開業した日であります。
・アデレード・オーバーンは、オーストラリア南オーストラリア州
アデレードの都心の北東に位置するハックニーから都心より
10kmあまり北東に位置するモッドベリーまでを結ぶ、
全長12kmのガイドウェイバスシステムであります。
ガイドウェイバスはバス専用走行路(オーバーン)の両側に低い側壁
(ガイドウェイ)を設置してバスの走行を誘導する交通システムの事であり、
車両の前輪の前にある補助タイヤがガイドウェイに沿って走る事によって
路面を安全に走行できるのが大きな特徴となっております。
また、この補助タイヤはステアリング構造とも直結しております。
・第二次大戦以降の1950年代から1960年代にかけてアデレード郊外の
急速な都市化が進み、1944年から1965年までに人口が倍増した事から
高速道路の整備が計画されるも住民や議会の反対によって計画が凍結され、
更に1970年台半ばまで北東部の郊外での輸送手段が問題となった事もあり、
様々な輸送手段が検討された結果、ライトレールかガイドレールバスが
候補となりましたがライトレールは住民の方々の反対によって却下となり、
その代替としてガイドレールバス計画が進められる事となりました。
システムの調査のために西ドイツに専門家が派遣され、ダイムラー・ベンツ社や
西ドイツ当局との協議を重ねた結果、システムが導入される事となりました。
このシステムは「オーバーンシステム」と呼ばれ、オーバーン(O-Bahn)は、
ドイツ語で「バス」を意味するOmnibusと、「道路」「鉄道」を意味する
Bahnを掛け合わせた造語であります。建設が開始された第1段階が
1986年3月9日に開通し、同年のうちに第2段階の建設が開始され、
1989年8月20日に当初計画された全線が開通されました。
その後、様々な路線延伸が計画されるも実現には至りませんでしたが、
地下トンネルを利用して都市におけるアクセスを更に容易なものとする
「オーバーン・シティ・アクセス・プロジェクト」が2015年から進められ、
2017年12月10日に開通、同月17日から本格的に稼動が開始されております。
ジャパリバスはガイドウェイバスシステムのように
レールを利用して運用されるシステムではありませんが、
パーク周遊用であるため運行ルートは予め決まっており、
しかも、ラッキービースト様による半自動運転によって、
少ないリスクで安全な運用を実現しております。
これからのカーボンニュートラルの時代において、
公共交通も環境に配慮したシステムが求められており、
現在、ディーゼルエンジンを用いているガイドウェイバスも、
やがては電気自動車となる可能性も考えられます。
これからの公共交通の更なる発展が注目されるところであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。