本日はイタリアの建築家でいらっしゃる、
アンドレーア・パッラーディオ氏の命日であります。
本名は「アンドレーア・ディ・ピエトロ・デッラ・ゴンドーラ」氏であります。
・1508年11月30日、パドヴァにて営まれている粉屋
「ピエトロ・デッラ・ゴンドーラ」の子としてお生まれになり、
後に石工となられるべくバルトロメオ・カヴァッファ氏の工房に入られましたが、
やがてヴィチェンツァに移られて、ジョヴァンニ・ディ・ジャコモ氏と
ローラモ・ピットーニ氏の工房に入られました。その後、人文主義者の
ジャン・ジョルジョ・トリッシノ氏から建築家としての素養を見出され、
古典主義思想とローマ時代の建築について手ほどきを受けられると同時に
数学/音楽/ラテン文学などについても薫陶を受けていたとされております。
何度かのローマ旅行などを経られた後、本格的な建築家としての活動にあたり、
「パッラーディオ」という名前をトリッシノ氏から与えられました。これは
トリッシノ氏自作の叙事詩の天使の名として考えられたといわれております。
パッラーディオ氏の活動に大きく影響を与えたのは、1541年と1545年に
トリッシノ氏と共にローマを訪れた際の事でありました。パッラーディオ氏は
帝政ローマ初期の建築家マルクス・ウィトルウィウス・ポッリオ氏の著書
「建築十書」を片手にローマの古代建築を見てまわられましたが、
これが古代ローマに関する知識に大きな影響を与えたといわれており、
また同時に建築家のドナト・ブラマンテ氏とラファエロ・サンティ氏などの
当時のローマ建築の流行の先端も知識として取り入れられました。
1546年、ローマから帰国した後は、かねてからのヴィチェンツァ市の懸案である
パラッツォ・デッラ・ラジョーネ(通称バシリカ)の改修案を市に提出され、
この案はヤーコポ・サンソヴィーノ氏やジュリオ・ロマーノ氏などの
既に名声を確立していた建築家の案を退けて当選されました。
この公共建築は市のシンボルとなる巨大なものとなり、
セルリアーナを連続させるというユニークな構成、
またその連続のさせ方も非常に凝った造りであり好評を博しました。
これを機にパッラーディオ氏の名が広まり、依頼が増える事となりました。
ヴィチェンツァでの最初の邸宅(ヴィラ)建築であるパラッツォ・ポルトは、
明らかにラファエロ氏とブラマンテの影響を受けたものでありましたが、
1550年に起工されたパラッツォ・キエリカーティは、
ヴェネツィアの伝統に則しながらも、ローマ時代の邸宅のイメージを
パッラーディオ氏独自の手法で重ね合わせたユニークなものとなっております。
パッラーディオ氏の別荘建築はシンメトリカルな平面で、
各部を調和比例によって決定する事を自身の著書にも述べておられますが、
実際にはそうなっているものは少ないとされております。
また、この記述をもとに各部を調和比例によって決定する手法の是非について、
その後多くの会派を生む事となり、1554年起工のヴィッラ・バルバロや
1556年のヴィッラ・バドエルなどがその代表とされております。
1566年に着工したヴィラ・アルメリコ(ラ・ロトンダ)は、
建物の4面が同じファサードというユニークな形態で、
その後イギリスなどに多くのコピーを生む事となりました。
パッラーディオはヴェネツィアでも仕事を受けられ、修道院長の
アンドレア・パンプーロ氏がベネディクト派鼓舞のために計画された
サン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂や、ペスト終結祈願として
ジュデッカ島に建設されたイル・レデントーレ聖堂を手掛けられました。
1556年、ヴィチェンツァの貴族と知識人の方々は、文化活動の拠点として
アカデミア・オリンピコを設立され、パッラーディオ氏は1580年初旬に
恒久的劇場としてテアトロ・オリンピコを設計されましたが、
建設開始から数カ月後の1580年8月19日に71年の生涯を閉じられました。
パッラーディオ氏は平面図を基本にして空間を設計された
最初の建築家と考えられており、それまでの彫刻家や画家の方々が
建築空間を創られる手法と本質的に異なる手法である点で、
最初の専業建築家またはプロ建築家であるとも評価されております。
けものフレンズにおいて建築で思い浮かぶ場面といえば、
やはりアニメ一期の第五話でありましょう。
住居の確保に難渋されていたアメリカビーバー様とオグロプレーリードッグ様が、
みんみ様達と協力されてログハウスを完成された場面はとても有名でありますが、
アメリカビーバー様が1枚の写真から木材を組んだ家であると理解され、
その時点で具体的な工法までをも計画されていたのは驚きであります。
お住まいの方が安心して暮らす事のできる住宅の建築には、
安心してお任せできるプロの建築家や大工の方々が欠かせません。
住宅を手掛けられる建築家や大工の皆様に感謝を申し上げます。
本日もお祈りいたします、みんみー。