本日は2006年に兵庫県丹波市の篠山層群より、
白亜紀の恐竜ティタノサウルスのほぼ全身の化石が発見された日であります。
この化石は後に「丹波竜」と命名されております。
・「丹波竜」は兵庫県丹波市山南町加古川水系篠山川河床の
篠山層群において2006年8月7日に初めて発見された、
ティタノサウルス形類と推測される恐竜またはその化石であります。
・2006年8月7日、長年にわたって独自に生痕化石の調査を続けられてきた
丹波市在住の元高校教諭の足立洌氏と旧友の村上茂氏が、山南町上滝の
加古川水系篠山川、川代峡谷川床において地質調査を行われていたところ、
重層的な篠山層群の赤茶けた泥岩層の表面付近に、大きさ1cmほどの
灰色がかった石状の突き出した楕円形の物体を発見されました。
お二人は発見日の翌日から2日がかりで周辺を掘り進まれ、60cmほどの棒状と、
ひと塊の化石と思われる岩石を「兵庫県立人と自然の博物館」
(「ひとはく」)へ持ち込まれ、ひとはくの三枝主任研究員の鑑定の結果、
中生代白亜紀に繁栄した竜脚類の一グループに属する
ティタノサウルス形類という恐竜である可能性が高まりました。
・その後、篠山層群にて本格的な発掘調査が行われる事となり、
2007年1月25日~3月末まで第一次、2008年1月11日~2月末まで第二次、
2009年1月9日~3月上旬まで第三次発掘調査が行われた結果、
ほぼ全身に近い骨格が良好な保存状態で発掘される事となりました。
これらの化石は、この種の系統進化を解き明かす上で
極めて貴重な資料となると考えられ、大きなニュースとして報道されました。
この化石は第一発見者の男性2人によって「丹波竜」のニックネームが命名され、
当初は個人での商標登録も考えられましたが、利益目的との誤解を防ぐために
改めて丹波市による申請とされ、発見の公式発表日の2007年1月3日を経て、
2007年1月15日に特許庁に「丹波竜」の商標登録が出願されました。
丹波市は恐竜の化石発見のニュースから恐竜ブームが巻き起こり、
それにあやかった様々な商品の発売などの展開がなされた他、
市の行政では「丹波竜」の商標登録の出願を済ませると共に
役所内に「恐竜を活かしたまちづくり課」を発足させ、
2007年5月1日からは「恐竜化石保護条例」を施行しております。
2007年12月1日、山南住民センター内1階「丹波竜化石工房」が開設され、
クリーニング作業見学の他に、丹波竜の資料なども多数展示されております。
2010年12月4日には「丹波竜化石工房 ちーたんの館」として
山南支所横に独立した建物として新装オープンしております。
「ひとはく」では2008年4月20日より「ひとはく恐竜ラボ」がオープンし、
1次/2次発掘調査において採取された岩盤から化石を取り出す作業の他、
約4000点の恐竜化石のクリーニング作業を観察する事が可能となっております。
・2014年8月12日、「ひとはく」は丹波竜が新属新種と認められたと発表し、
学名は「タンバティタニス・アミキティアエ」に決定されました。
これは発見地の「丹波」と、ギリシア神話の巨人「ティタニス」、
発見された2人の「友情」のラテン語「アミキティアエ」の組み合わせであります。
国内における前期白亜紀の哺乳類化石の発見例は
石川県白山市白峰と福井県勝山市北谷の2例がありますが、
世界的に見ても前期白亜紀の哺乳類化石の発見は僅か55例しかなく、
篠山層群下層部の年代に相当するものとしては僅か11例のみであります。
このため、小型脊椎動物化石群集は希少で、更に哺乳類の化石を含む事から、
丹波市での発見は重要なものであるとの見方がされております。
けものフレンズには公式に恐竜のフレンズはいらっしゃいませんが、
マンモス様やヒラコテリウム様など古代生物のフレンズがいらっしゃいます。
マンモス様やヒラコテリウム様などがどのような経緯で
フレンズ化されたかは明らかとなっておりませんが、
もしその発端が化石であったしたならば、
恐竜のフレンズが誕生してもおかしくはないとも考えられます。
恐竜は人類誕生のはるか以前の地球を知る希有な存在でもあります。
恐竜の歴史を知る事で、知られざる地球の歴史が明らかとなるのかもしれません。
本日もお祈りいたします、みんみー。