本日は1825年に、ライン諸島にあるマルデン島が
イギリスのジョージ・バイロン7世氏によって発見された日であります。
・マルデン島は、ハワイ諸島の南の中部太平洋・ライン諸島内にあり、
キリバス共和国に所属している無人島で、
赤道から南に448km、ハワイのオアフ島・ホノルルから南に約2834km、
南アメリカ大陸からは7000km以上もの距離に位置しております。
約39.3㎢の島は、北を上側として見て逆三角形に近い形であり、
土地の標高が最高でも海抜10mと平坦に近いのも特徴であります。
孤島かつ乾燥している環境から島の植物相が限られている一方、
アオツラカツオドリなど数十種の海鳥の重要な繁殖地である事に加えて、
ハリモモチュウシャクなど合計19種類の海鳥の重要な越冬地でもあります。
また、トカゲやトンボの他、グアノ採掘の時期に移入された動物のうち
猫とハツカネズミが現在でも生息している他、
少数のアオウミガメや多数のヤドカリも生息しております。
・イギリスのロンドンにて亡くなられたハワイ王国の国王カメハメハ2世と
カママル王妃の遺体をハワイ王国のホノルルに送り届ける任務を遂行し、
ロンドンへ戻る途上の1825年7月30日、イギリス海軍の軍人
ジョージ・バイロン7世氏によって無人島が発見されました。
この島は、当時の船の航海長で島を最初に視認された
チャールズ・ロバート・マルデン大尉に因んでマルデン島と名づけられ、
マルデン大尉は短時間の上陸も行われました。
ただし、マルデン島自体は1823年に捕鯨船ウィンスローの船長
ウィリアム・クラーク氏によって発見されていた可能性が指摘されております。
後に調査された結果、何らかの目的で建設された神殿など、
一時は人間が居住していたと考えられる遺跡が発見され、
1924年には考古学者のケネス・エモリー氏を招いて調査が行われ、
大規模なものを含めて合計で21箇所発見されました。
エモリー氏はこの遺跡が小規模なポリネシア人のグループによって
建設されたものと結論づけられ、また、おそらく数世紀前に居住しており、
数世代の人間が居住していたとも推測されました。
19世紀前半はアメリカの捕鯨従事者達がマルデン島を訪れる事がしばしばあり、
また、1920年代まではイギリス政府から許可を受けた
オーストラリアの採掘業者によって、肥料の資源として利用される化石
「グアノ」の採掘が行われましたが1930年代初頭までには完全に撤退し、
その後しばらく誰一人としてマルデン島を利用される方々はおりませんでした。
1956年、イギリス政府はマルデン島をイギリス初の水爆実験場として選び、
1957年に3発の水素爆弾が沖合で高高度かつ近距離で起爆されました。
また、1956年から1957年にかけて工兵隊によって仮設滑走路が建設され、
1979年まで使用可能状態が維持されておりました。
その跡は現在でも残っており、航空写真でもその跡を見る事ができます。
1972年にマルデン島はイギリス領ギルバートおよびエリス諸島に組み込まれ、
1979年からは同年に独立を果たしたキリバスの所属となりました。
同年9月20日、キリバスの首都タラワにて、アメリカとキリバスの代表者による
会談にて友好条約が結ばれ、マルデン島を含むライン諸島とフェニックス諸島の
計14島のキリバスによる領有を認められました。
この条約は1983年9月23日に発効しております。
マルデン島の周囲200海里に設定される排他的経済水域内には
豊富なマグロ漁場が存在し、キリバスにとって大きな収入源となっており、
また、1990年代中頃から数年間、年に1~2回ほどエコツアーが行われ、
これも当時のキリバスにとっての税収の一つでありました。
マルデン島は自然保護区かつ閉鎖区域として保護されており、
イギリス領時代の1975年5月29日、1975年野生生物保護条例によって
「マルデン島自然保護区」として公式に指定されました。
その主な目的は海鳥の大規模な繁殖羽数を保護するためのものでありますが、
マルデン島にスタッフは居住しておらず、海外から訪れる個人の旅行者や
漁師に対してキリスィマスィ島からの監視が行われていないのが現状であり、
1977年には来島者が原因と思われる火災が発生した事から、
海鳥の繁殖にとって火災は現在でも重大な脅威となっております。
ジャパリパークは海底火山の噴火によって出現した島を
そのまま利用する形で設立された動物園施設でありますが、動物園としての利用は
サンドスターおよびフレンズの存在が大きな要因ではないかと考えられます。
他方、けものフレンズにはアオツラカツオドリの登場されており、
けものフレンズ3など様々な作品にて活躍していらっしゃいます。
地球上の広大な海洋には数多くの無人島が存在しており、
排他的経済水域などの理由から様々な国の領有となっておりますが、
本来は豊かな植物や動物達が思い思いに過ごす場所であり、
人類による干渉は好ましいものではありません。
もしも関わる場合、島の環境や植生、動物達の生育に最大限配慮し、
持続的な自然環境の確保のために努めるのは至極当然の事なのであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。