本日は1985年に、「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」が
日本において発効された日であります。
・女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約は、
公平な女性の権利を目的に女子差別の撤廃を定めた多国間条約で、
略称は「女子差別撤廃条約」または「CEDAW」(セダウ)であります。
1979年12月18日に開催された第34回国連総会において採択され、
1980年3月1日に署名のため開放、1981年9月3日に発効されました。
2014年9月現在、署名国は98か国、締約国は189か国であります。
日本においては、1980年7月17日に署名が行われ、
1985年6月24日に条約締結が承認、1985年6月25日に批准書寄託、
1985年7月25日に効力発生となっております。
・前文および30か条から成り、政治的/経済的/社会的/文化的/市民的
その他のあらゆる分野における男女同権を達成するために
教育の分野も含めて、いずれかの性別の優位や性役割に由来する
ステレオタイプの撤廃など必要な措置を定めております。
この条約の特徴は、法令上だけでなく、事実上/慣行上の差別も
条約の定める差別に含まれると規定している点であり、
また、私人間および私的分野も含めた差別撤廃義務を締約国に課しております。
ただし「男女の事実上の平等を促進することを目的とする暫定的な特別措置と、
母性の保護を目的とする特別措置」(第4条)は差別とはみなされず、
売春や人身売買からの保護についても規定されております(第6条)。
そして、教育を受ける権利における差別撤廃(第10条)、
同一の雇用機会、同一価値労働についての同一賃金、
育児休暇の確保や、妊娠または育児休暇を理由とする解雇や、
婚姻の有無に基づく差別的解雇を制裁を科して禁止すること、
従来の雇用関係の維持(第11条)についても規定されております。
・この条約では、締約国に条約実施のためにとった
立法/司法/行政上その他の措置およびそれらの措置によってもたらされた
進歩を報告するよう義務付けられておりますが、締約国の増加に伴って、
委員会の報告検討業務に遅滞が生じる事態となりました。この問題の解決のため、
1995年第8回締約国会議において委員会の会合の期間を一定の条件の下、
締約国の会合において決定できるようにする改正案が採択されました。
1995年第50回国連総会で採択、同年5月22日にニューヨークで作成されました。
第20条1の改正内容は次のとおりであります。
改正前「委員会は、第18条の規定により提出される報告を検討するために
原則として毎年二週間を超えない期間会合する。」
改正後「委員会は、第18条の規定により提出される報告を検討するために
原則として毎年一回会合する。委員会の会合の期間は、国際連合総会の
承認を条件としてこの条約の締約国の会合において決定する。」
日本においては、2003年5月14日に国会承認され、
2003年6月12日に受諾書寄託となっております。
・女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の選択議定書は、
女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の締約国の管轄下にある
個人または集団が、国による条約違反によって被害を受けた場合、
国連の女子差別撤廃委員会に通報ができる個人通報制度を定めたものであります。
1999年10月6日、国連第54回総会において採択されました。
通報には、全ての国内的救済措置を尽くしている事が条件とされますが、
救済措置の実施が不当に引き延ばされている場合や、
効果的な救済をもたらさない場合は通報が可能となっております。
通報を受けた女子差別撤廃委員会は、報告の受理可能性や、
内容が差別撤廃条約に違反しているか否かを審査し、締約国に対して
意見や勧告を行いますが、委員会の意見および勧告には法的拘束力はありません。
この選択議定書には2015年9月現在、世界106カ国が批准しておりますが、
「司法権の独立含め、我が国の司法制度との関連で問題が生じるおそれがある」
等の懸念があるため、日本は2015年9月現在、批准しておりません。
ジャパリパークにおける雇用形態などは判然としておりませんが、
職員における女性比率が比較的高いであろう状況を考えると、
雇用条件などで女性にとって不利となるものが含まれる事は考えづらく、
差別などが発生しないようにする対策が講じられているものと思われます。
世界中における雇用において女性の力がこれから更に重要となり、
生産年齢人口が減少している日本においては殊更重要となります。
女性は妊娠から子育てに至るまでのプロセスも大切でありますので、
その期間なども考慮した柔軟な雇用が一般化する事を願っております。
本日もお祈りいたします、みんみー。