本日はハンガリーの生物物理学者のベーケーシ・ジェルジ
(ドイツ語名ゲオルク・フォン・ベーケーシ)氏の誕生日であります。
・1899年6月3日にブダペストにて、外交官の父親のアレクサンダー氏と
母親のパウラ氏の間にお生まれになり、ブダペスト/イスタンブール/
ミュンヘン/チューリッヒの学校に通われた後にベルンにて化学を学ばれ、
1926年にエトヴェシュ・ロラーンド大学で博士号を取得されました。
第二次大戦中はハンガリーの郵便局にて情報通信の研究を行われ、
この研究を通じて聴覚の仕組みに興味を持たれるようになりました。
1946年にハンガリーからスウェーデンのカロリンスカ研究所に移られ、
その翌年にアメリカ移住されて1966年までハーバード大学で勤められました。
その年からハワイ大学の教授に就任されましたが、
1972年6月13日にホノルルにて73年の生涯を閉じられました。
・ベーケーシ氏の研究は哺乳類の聴覚器にある蝸牛の機能についてであります。
蝸牛を部分的にそのまま残した状態で遺体の内耳を解剖する方法を考案され、
ストロボ写真と銀の薄片をマーカーとして使用されて、音の刺激が来ると
基底膜が表面波のように振動する現象の観察に成功されました。
蝸牛と基底膜の構造のおかげで異なった周波数の音が、
蝸牛の螺旋に沿って基底膜上の別の場所で増幅される事が判明しております。
ベーケーシ氏は、異なった周波数の音波は蝸牛から大脳へと続く
神経細胞に達するまでに部分的に消失すると結論づけられ、
そして、蝸牛の螺旋に沿って並ぶ聴覚細胞が
音の特定の周波数それぞれに対応しているという仮説を打ち立てられ、
後に、基底膜での周波数の分散の概念を取り入れた
蝸牛の機構のモデルを作成されております。
けものフレンズに登場されるフレンズの皆様は、一部の方々を除いて
元の動物の耳とは別にヒトと同じ耳をお持ちでいらっしゃいます。
となれば、聴覚に関して2系統の器官が存在する事となり、
その内部構造などはベーケーシ氏をはじめとした研究者の方々にとって
大変興味深いものである事が容易に想像できます。
聴覚は動物にとって最も重要な器官の一つであり、
その研究に携わっておられる方々には頭の下がる思いであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。