本日はアメリカの生物学者/作家の
レイチェル・ルイーズ・カーソン氏の誕生日であります。
カーソン氏はペンシルベニア州にてお生まれになり、
幼少時は作家を志され、高校の成績も極めて優秀でいらっしゃいました。
ペンシルベニア女子大学では英文学を希望されておりましたが、
生物学の授業を受けられた事をきっかけに
生物学分野の科学者を志望されるようになりました。
ジョンズ・ホプキンス大学の修士課程で遺伝学を学ばれましたが、
当時、女性が生涯にわたって働ける職業は少なく、
特に理系の分野においては看護師か教員しか仕事がなかった状況であり、
カーソン氏が科学者を選択されたのは非常に珍しい事でありました。
大学院においても男子学生の中に紅一点という状況でありました。
修士課程修了後はアメリカ連邦漁業局に勤務されながら、
1941年に「潮風の下で」、1951年に「海辺」、
1962年に「沈黙の春」などの作品を発表されました。
そして、有機塩素系の殺虫剤/農薬であるDDTなどの合成化学物質の
州当局によって行われた散布の蓄積が環境悪化を招く事など、
当時まだ顕在化していなかった問題に対する啓蒙活動に取り組まれました。
特に「沈黙の春」は農薬類の問題を告発した書として、
著作を読まれたケネディ大統領の強い関心を示す事となり、
後に大統領諮問機関に調査を命じられました。これを受けて1963年に、
アメリカ委員会は農薬の環境破壊に関する情報公開を怠った
政府の責任を厳しく追及した事により、DDTの使用は以降全面的に禁止され、
環境保護を支持する大きな運動へと広がる事となりました。
カーソン氏は「沈黙の春」の執筆中に癌宣告を受けられた後も執筆を続けられ、
1964年4月14日に56年の生涯を閉じられました。
遺作「センス・オブ・ワンダー」はアメリカで2008年に映画化され、
日本では「レイチェル・カーソンの感性の森」の題名で
2011年2月26日に公開されております。
ジャパリパークはその建設から運営に至るまで、
地球環境に最大限配慮した取り組みがなされていると考えられ、
パーク内にある農園における作物の栽培に関しても、
可能な限り農薬等を使用しない方法が用いられているものと想像できます。
地球環境に対する取り組みは決して大がかりなものばかりではありません。
もちろん、個人でできる事は限られておりますが、
身近な事に対する取り組みを積み重ねる事で、
短期的のみならず長期的な環境保全に繋がる事は間違いないはずであり、
それが生物多様性に富んだ世の中の礎となるのであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。