本日はアメリカの動物学者、ウィリアム・スティンプソン氏の命日であります。
スティンプソン氏はマサチューセッツ州ボストンにてお生まれになり、
進学されたハーバード大学では、スイス出身のアメリカの生物学者/地質学者の
ジャン・ルイ・ルドルフ・アガシー氏に師事されました。
1853年から1856年にかけて北太平洋学術調査艦隊に参加され、
北太平洋産の無脊椎動物を多数採集されました。
また、開国後の日本でも採集を行われており、
採集地として函館/下田/小笠原/沖縄などが記録されております。
この探検では4新属34新種を含む14科26属50種の標本を収集されました。
その後、ワシントンD.C.に定住され、スミソニアン学術協会にて
「メガテリウムクラブ」を設立された後、クラブ会員のロバート・ケニコット氏が
シカゴ科学院の院長を辞職されると、その後任としてシカゴに赴かれました。
しかし、1871年に発生したシカゴ大火で科学院も被害を被り、
スティンプソン氏の研究成果や標本も殆どが焼失する事態に見舞われました。
その翌年に結核を患われ、5月26日に40年の生涯を閉じられました。
カニ類については詳細な報告が出来ておりましたが、
エビ類については短い文章しか残っておらず、
模式標本も大火で殆どが焼失しております。
スティンプソン氏は海洋生物学、特に無脊椎動物の研究で功績を残され、
主に甲殻類や貝類など948種が新種として記載され、
この中には日本産の種類も多く含まれております。
また、多くの動物の学名にスティンプソン氏に対する献名として
"stimpsoni"が命名されており、以下にその一部を記載いたします。
魚類・・ボウズハゼの一種/アナゴの一種 甲殻類・・スナガニ
貝類・・ババガセ/ツシマギセル/マボロシイモ/ビノスガイ
鳥類・・リュウキュウキジバト
けものフレンズにおいて無脊椎動物はイメージしづらいところでありますが、
どなたもフレンズとなられる前はそれぞれ元の動物の時代があり、
生態系は様々な生き物の生息域が重なりあって構築されている事を考えると、
どんな生き物であっても無関係と言えるものではありません。
世の中において数えきれないほどの生き物が暮らしている中で、
無脊椎動物は大きな割合を占めている生き物達であります。
その生き物の研究に早くから取り組まれている
先人の方々に対して頭の下がる思いであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。