本日は1985年に男女雇用機会均等法が成立した日であります。
・「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」は、
1972年に施行された男女の雇用の均等及び待遇の確保等を目標とする法律で、
通称は「男女雇用機会均等法」であります。所管官庁は厚生労働省であります。
この法律の目的は、主に以下の通りとなっております。
「この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのっとり
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、
女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の
健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。」(第1条)
「この法律においては、労働者が性別により差別されることなく、
また、女性労働者にあっては母性を尊重されつつ、
充実した職業生活を営むことができるようにすることをその基本的理念とし、
事業主並びに国及び地方公共団体は、この基本的理念に従って、
労働者の職業生活の充実が図られるように努めなければならない。」(第2条)
元は1972年に「勤労婦人福祉法」として制定/施行されましたが、
「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」
(女子差別撤廃条約)への批准のため、1985年の改正により名称が
「雇用の分野における男女の均等な機会及び
待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」と変更されたと同時に、
労働基準法も妊産婦などの育児時間や出産前後の休みの規定など
65条以下が併せて改正された。(労働基準法第6章の2)
当時の労働法制(労働基準法第4条)では賃金についてのみ
男女差別を禁じておりましたので、新たな立法が必要となりました。
この法律は当時の国会が男女の差別を無くすために制定したというよりは、
女子差別撤廃条約によって1985年(「女性の10年」の最終年)までに
法律を整備する必要に迫られていたために制定した、という意見もあります。
1999年4月1日の改正により、募集/採用、配置/昇進、教育訓練、福利厚生、
定年/退職/解雇において、男女差をつける事が禁止されました。制定当初は、
募集/採用、配置/昇進については「努力目標」に留まっておりましたが、
この改正によって明確に禁止規定とされました。
また、1997年の労働基準法の改正とも連動する事でありますが、
女性に対する深夜労働/残業や休日労働の制限(女子保護規定)が撤廃され、
この改正以降は、鉄道と路線バスの乗務員・工事業者のトラック運転手など、
深夜勤務が必然的に伴う職業への女性の就業が増加しております。
この法律は女性差別をなくす趣旨で制定された一方、
男性差別に関する内容については直接規制おらず、
つまり「女性である事を理由とする差別」を禁止していながら、
「男性である事を理由とする差別」については禁止されていなかったため、
男性である事を理由とした不採用とされる事例も存在しておりました。
例えば、事務職/看護師/客室乗務員などの職種において、
男性である事を理由に採用を見送った事業者があった、という事であります。
それ故に、法の運用にあたる司法で、この法律の精神を
適切に反映した実務が行われていないという批判もされております。
ジャパリパークにおいて職員の人数の男女比は明らかとなっておりませんが、
けものフレンズのこれまでの作品を確認する限りにおいては、
ミライ様/カコ様/菜々様といった女性職員の方々も活躍しておられます。
パーク内には様々な職種が存在しますが、ガイドや研究分野においても
女性が積極的に活躍されている事に間違いはないようであります。
現在の日本は、実質的に女性または男性でなければ務まらない職種を除いても、
未だに男女の均等な雇用が実現できているとは言い難い状況であります。
実現のためにはそれを支える様々なシステムの構築が不可欠でありますが、
現場で働かれるのも、働かれる方々を採用されるのも人間であり、
男女の均等な雇用の実現される意識が何よりも大切であると考えられます。
本日もお祈りいたします、みんみー。