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みんみ教徒の集い / 3264

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流浪のみんみ教徒 2022/03/26 (土) 00:03:03 457e0@c8452

本日は博物学者のコンラート・ゲスナー氏の誕生日であります。
 コンラート・ゲスナー氏は、スイスの博物学者/書誌学者でいらっしゃいます。
 1516年3月26日、チューリッヒにて毛皮工職人のご子息としてお生まれになり、
 宗教改革の指導者のツヴィングリ氏がチューリッヒにて活動されていた事から、
 ゲスナー氏は幼少の頃からその影響を受けられ、
 その後の生涯にわたってプロテスタントの信仰を保っておられました。
 1531年の第2次カッペル戦争で父親が亡くなられてしまった事で
 ゲスナー氏の家庭は経済的に苦しい状況に陥いられましたが、
 聖母教会での恩師であるオズヴァルト・ミュコニウス氏や、
 スイスの宗教改革者のハインリヒ・ブリンガー氏から援助を受けられて、
 1532年から翌年にかけてストラスブール大学や
 ブールジュ大学にて様々な教育を受けられました。
 1535年、プロテスタントへの迫害を避けられるためチューリッヒに帰郷され、
 1536年ミュコニウス氏から再び援助を受けられてバーゼルへ留学されました。
 1537年にローザンヌのアカデミーにてギリシア語教授に就任され、
 自然科学、中でも植物学の研究に没頭されました。
 1540年に教授を辞職された後はモンペリエ大学医学部にて学ばれ、
 1541年にはバーゼルにて医学博士号を取得され、以降はチューリッヒ大学にて
 哲学/数学/自然科学/倫理学を講義される傍ら、再び研究生活に入られました。
 1564年に腺ペストが流行した事で、市医として前線で治療にあたられましたが、
 自身もペストに罹患され、1565年12月13日に49年の生涯を閉じられました。
 ゲスナー氏の遺体はチューリッヒの大聖堂の回廊に埋葬されております。
 その後、1978年発行の50フラン紙幣にはゲスナー氏の肖像が使用されております。
・ゲスナー氏は存命中は植物学者として著名で、生前刊行された植物学書には、
 ラテン語/ギリシア語/ドイツ語/フランス語による「植物名目録」等があります。
 本格的な「植物誌」はゲスナー氏自身が約1500の図を描かれた大著でありますが、
 没後かなり経過した1751年~1771年に刊行されました。植物名について、
 古典語と当時の言語とを比較対照されるうちに文献学や言語学に関心を示され、
 1545年に「ギリシア・ラテン語辞典」を編纂され、
 その10年後の1555年に刊行された「ミトリダテス」では、
 55種の言語間の関係を研究され、比較言語学的な言語論を展開されました。
 1545年に上梓された「世界書誌」(または「萬有文庫」「世界文献目録」)は、
 約3000名の著者の方々によるギリシア語/ラテン語/ヘブライ語の文献
 約12000書を収録した大冊であります。"bibliotheca"という語を
 初めて書誌の意味で用いられた点や、序文で調査箇所と参考文献を示された点、
 著者の方々を従来の編年順ではなく名前順に排列された点、
 刊本の出版事項/判型/葉数などを記述した点で画期的な書誌であり、
 近代書誌学の原点とも評される重要な書物であります。
 1548年には「世界書誌」に収録した書物の体系的分類目録として、
 続巻となる「萬有総覧あるいは萬有分類21巻」を発行されました。学問全体を
 教養の学"Praeparantes"と実体の学"Substantiales"とに大別され、
 前者を必修(文法/弁論/修辞/詩/算術/幾何/音楽/天文/占星術)と
 選択(歴史/地理/占い/藝術)という13分野に分けられ、
 後者を物理/形而上学/倫理/経済/政治/法律/医学/神学の8分野に分けられ、
 合計21分野に分類されました。第20巻の医学については生前に刊行されず、
 これらの書誌編纂の仕事は後継のヨジーアス・ジムラー氏に引き継がれました。
 「動物誌」"Historiae animalium"全5巻は、フォリオ判で1551年~1558年に
 チューリッヒにて刊行されました。近代動物学の嚆矢とされる書物であり、
 4500ページにわたって動物名をアルファベット順に排列しております。
 科学以外において、ゲスナー氏は登山家としても有名でいらっしゃいました。
 その豊富な登山歴には植生調査の一環としての登山も含まれておりましたが、
 その登山歴の多くは純粋に登山を楽しまれるものでありました。
 なお、ゲスナー氏は屋外での筆記やデッサンのため、細い木の筒の先端に
 黒鉛を詰められてペンとインク代わりに使用されておりましたが、
 それが鉛筆の原型であるといわれております。
けものフレンズに登場される多くのフレンズの方々の基となる存在は、
世界の様々な地域に生息する(していた)動物達であります。
現在は様々は資料にてその動物を確認する事ができますが、
それはゲスナー氏を含めた多くの学者の方々が試行錯誤をされながら
積み上げてこられた功績の上に成り立っている事は間違いないはずであります。
私達の生活は先人の方々の試行錯誤や功績が積み重った結果の上に成立しており、
私達が何気なく過ごす時間も、そういった方々のおかげなのであります。
偉大なる先達の方々に改めて感謝をいたしましょう。
本日もお祈りいたします、みんみー。

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