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みんみ教徒の集い / 3262

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流浪のみんみ教徒 2022/03/24 (木) 01:03:33 修正 457e0@682be

本日は1995年に日本の無人深海調査船「かいこう」が
チャレンジャー海淵の世界最深部を探査した日であります。
・「かいこう」は、認可法人 海洋科学技術センター
 (現在の国立研究開発法人 海洋研究開発機構・双方とも略称はJAMSTEC)
 が開発/運用した、有索式・遠隔操作式の無人潜水機(ROV)であります。
 1980年代の「しんかい2000」の運用を通じて、有人潜水調査船の効率的かつ
 安全な運航のためには、洋上基地となる支援母船と、潜航前の事前調査および
 事故時の救難にあたるROVを合わせた3点セットが有効であると考えられました。
 1980年代末には、「しんかい2000」の実績を踏まえて、
 より大深度への潜航が可能な「しんかい6500」が建造され、
 1991年より調査潜航が開始されましたが、同船の潜航深度に対応できるROVは
 当時世界的にみても存在しませんでした。この事から、「しんかい6500」の
 圧壊深度である10000mにまで対応できる事前調査・救難装置として、
 1986年より開発着手されたのが「かいこう」でありました。
 実海域試験は1993年度から1994年度にかけて、紀伊水道(1000m)、
 南西諸島海溝(6,500m)、世界の最深部であるマリアナ海溝(11000m)と、
 徐々に深度を増しつつ行われました。1994年3月のマリアナ海溝への挑戦は、
 信号系のブラックアウト、浮力材の亀裂、油圧系の損傷といった
 問題を生じたために断念されたが、これらの問題は、
 1年間に渡る徹底的な原因解明および対策によって克服され、
 1995年3月24日の再挑戦では10911.4mへの潜行に成功しております。
 上記の通り、「しんかい6500」のための事前調査・救難装置として
 開発されたという経緯もあり、JAMSTECに引き渡されてしばらくは、
 同船の支援母船である「よこすか」に搭載されておりました。
 しかしその後、ROVに頼らない救難手法が開発され、
 あえて同船とセットで運用する必要性が薄れた事から、
 世界唯一の10000m級ROVである本機をより自由に運用できるよう、
 専用の母船として建造された「かいれい」に移設されました。
 「かいこう」はマリアナ海溝のチャレンジャー海淵に19回に渡り潜航し、
 1996年2月の調査で採取された試料からは、世界で初めて10000m以上の
 水深の海底からバクテリアが分離されました。また、2000年にはインド洋にて
 初めて熱水活動が発見されました。これらの海洋学的活動の他にも、
 対馬丸の船体発見やえひめ丸の遺留品回収、打上げに失敗した
 H-IIロケット8号機のエンジン部品発見など社会的にも大きく貢献しております。
 しかし、2003年5月29日、室戸岬沖130kmの海域にて、南海地震に関わる
 長期観測データの回収後に二次ケーブルが破断し、
 子機ビークルが喪失するトラブルに見舞われてしまいました。
 これにより、JAMSTECは「しんかい6500」の運用深度である6500m以深での
 直接調査能力を失う事になり、代替手段の確保が急務となりました。
 新ビークルの建造には相当の時間を要する事から、まず、「かいこう」に次ぐ
 活動深度を誇っていた7000m級の細径光ファイバーROVである
 「UROV7K」を改造した暫定的なビークル「かいこう7000」が開発されました。
 同機はその後、「かいこう7000-II」「かいこうMk-IV」と
 順次更新を重ねていきましたが、そのいずれも7000m級のROVでありました。
 JAMSTECでは、2005年より新しい10000m級ROVの開発に着手しており、
 これは「ABISMO」として2007年より潜航試験を開始しております。
・チャレンジャー海淵は、北西太平洋のマリアナ諸島の東、
 北緯11度22.4分 東経142度35.5分に位置する、水深10000mを超える
 マリアナ海溝の最深部であり、地球にある海洋の海底最深部でもあります。
 かなり大きな三日月形の海溝の底にある比較的小さな溝状の窪みで、
 長さ約11km/幅1.6kmの底部は穏やかな傾斜面となっております。
 グアム付随の海域境から1マイル離れた、ミクロネシア連邦の海域に属しており、
 チャレンジャー海淵に最も近い陸地は、南西287kmにあるファイス島
 (ヤップ州の離島の1つ)で、北東304kmにグアム島があります。
 海淵の名前は、1872年~1876年の探検航海で最初にその深さの測量を行った、
 イギリス王立海軍の調査船HMSチャレンジャー号に因んでおります。
 海淵の深さについては幾つかの計測結果がありますが、
 大洋水深総図(GEBCO)2011年8月版によりますと、
 チャレンジャー海淵の位置および深さは北緯11度22.4分 東経142度35.5分、
 水深10920m±10mとされており、地球上で最も深い海底凹地(海淵)であります。
 これは海面を基準にして、世界最高峰エベレストをひっくり返しても
 山頂が海底につかない深さで、地球の中心からは6366.4km地点にあります。
 この深度の高水圧では探査船の設計および運用が極めて困難であり、
 これまでに僅か4回の潜航が達成されたのみであります。
 最初の潜航は、スイスで設計され、イタリアで製造された
 有人潜水艇の「トリエステ号」によって1960年に行われました。
 その後は1995年には日本の無人型ROVの「かいこう」によって、
 2009年にアメリカのハイブリッド式の無人潜水機「ネーレウス」によって、
 2012年3月には映画監督のジェームズ・キャメロン氏による
 有人深海探査艇「ディープシーチャレンジャー」によって行われました。
ジャパリパークの基となる土地やパーク建設に関しては
これまで幾度か書き込みをさせていただきましたが、
島の出現に関して海底の調査が行われている可能性があります。
また、けものフレンズには海洋生物のフレンズの方々もいらっしゃいますが、
数千mクラスの深海に関しては未知の世界であろうと思われます。
深海は現在も解明が進められている未知の世界であり、
また、海底には多くの資源が眠っているとも言われております。
しかし、その前に、海は多くの生き物が暮らす場所であり、
そこでの生き物の暮らしが私達の生活に繋がっているのであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。

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